レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダービルド』26話「裏切りのデスマッチ」感想+考察+『ビルド』現段階評

 『仮面ライダービルド』の26話感想と『ビルド』の現段階評です。え?何でこんな中途半端なタイミングで現段階評を書くのかって?仕事が休みだからだよ!!!え?22~25話の感想はまだかって?今週中に纏めて投稿します!!!(ヲイ)それではどうぞ。

▼はじめに

 以下の引用はTwitter内で呟かれたある割とバズったツイートである。ツイートそのものを貼るのも何となく忍びないので、文章だけを引用する。

エグゼイド最終回を見終わった持病持ちの初見の友達「病気の人に対してすごく気を使った台詞回しというのが分かる 治る病気にかかるのはたまたまだから 治すという言葉を使わずに個性として受け入れる永夢くん見て、病気でも生きてていいんだって思った」
私(泣きながら聞く)
友「泣かないでよ…」

 今回はこのツイートを見て思った事をつらつらと書いていこうかなと思います。…これは『ビルド』感想です。

▼知らないという罪

 上記ツイートは謂わずもがな、『エグゼイド』40話「運命のreboot!」の永夢とパラドのやり取りの事を言っている。

永夢「僕が今まで出会った患者は皆、命を失う事の怖さを知ってた。だからこそ、命が如何に大切で、健康に生きてられる事がどれだけ有難い事か知ってるんだ。死ぬ事が怖いと感じたお前には、命がかけがえの無いものだって理解する、心がある。」

パラド「なんでこんな俺に…。お前に感染してるウイルスなのに…。」

永夢「ゲーム病も僕って言う人間の個性、人格の一つだから、お前を生んだ僕には、お前と向き合っていく責任がある。お前の罪を一緒に背負って、償っていく。」

パラド「永夢…。」

永夢「一つだけ約束だ。これからは命を奪う為に戦うんじゃない。命を救う為に、一緒に戦うんだ。」

▲『仮面ライダーエグゼイド』40話「運命のreboot!」より

f:id:kro12218116h:20180310230520j:image

 このシーンは賛否両論ある。自分もどちらかと言えば「否」の立ち位置だったしね。

 けど、実際に病を持っている視聴者が心に響いたんだから、きっとこのシーンは間違ってはいなかったんだろうな。『エグゼイド』は確かに、リアルで病に苦しむ視聴者の「希望」になったんだな、と思うと、そういう意味では『エグゼイド』は「成功作」だったのかも知れない。勿論、これはたった一人のたった一つの意見なので、全ての病持ちの視聴者がどう思ったのかは分からない。只、もしかすると案外、"何の病気も持たない健康的な人間"程、『エグゼイド』の「命」や「病」の書き方は鼻に付いた(気に食わなかった)のかも知れない。

高橋 永夢が幼少期の頃に遊び相手が欲しかったから生まれたパラドは「自分の負の部分との葛藤」でもあるんですが、永夢が病気に罹っていることは、実際に持病のある人たち、特に治らない病を抱えた人たちの病に対する向き合い方の"ニアリーイコール"であってほしいという思いもあったんです。病を憎んだところで治るわけではないので、じゃあどうすればいいんだというところで、病と上手に付き合っていくといいますか。それを受け入れ、ある種の個性として認められればという願いのようなものですね。

▲『仮面ライダーエグゼイド公式完全読本』より、高橋悠也のインタビュー

▼知りすぎる罠
f:id:kro12218116h:20180311001746j:image

 自分はこれまで『ビルド』感想では、当作品のテーマの一つである「戦争」についてはあまり触れてこなかった。戦争についてそこまで知識が無いのもそうだが、戦場国に住んでる訳でもなければ、戦争が起こっていた時代を生きてきた訳でもない自分がそれを語るのは烏滸がましいと感じていたからだ。そんな事を思っていると、Twitterでは意外な展開を目にすることになる。なんと、韓国の『ビルド』視聴者が「戦争」の描写についてボロクソに批判してきたのだ。全て書き切ろうとするとキリがないので詳細は省くが、(休戦中とは言え)現在進行形で戦場国である韓国の視聴者達は口を揃えて『ビルド』の戦争描写を「軽くて浅はか」と評した。「戦争」を知っている人間には、『ビルド』は受け入れられなかったのだ。

▼近くて遠い
f:id:kro12218116h:20180311002124j:image

 『エグゼイド』のテーマは「命/病気」。『ビルド』のテーマは「戦争」。だが何故病気を持つ視聴者には『エグゼイド』が評価され、戦争を知る視聴者には『ビルド』は批評されたのか?それは、「戦争」よりも「病気」の方が製作陣(日本人)にとって「身近」だからだったのではなかろうか?

 「病気」は、何処に暮らしていようが人の身である限り訪れるもの。しかし、「戦争」は日本人にはあまり馴染みの無い事柄である。実際、『エグゼイド』には林昇甫(はやししょうほ)と言う医療監修を担当した人物が関わっており、病気や手術シーンに関してはかなり慎重に描かれていた。しかし、「戦争」となるとこのご時世、「戦争」を知る人間も少なく、『ビルド』製作陣は明確に正しくそのテーマを描ける程のキャパが足りなかった。大森敬仁も、高橋悠也も、武藤将吾も、「病気」も「戦争」も"知らない"人間だったのに、前者は受容され、後者は敬遠された。「そのテーマが如何に我々の身の回りの事であるかどうか」が実は「テーマを良く描く」為の重要な鍵だったのかも知れない。

▼戦争<キャラクター

 まぁでも、「戦争」と言うワード自体はあくまで「キャラクター」を魅せる為のパーツに過ぎなかったって事なのかな。

大森 そのときから「三国間の戦争」というキーワードはすでにありましたが、武藤さんとしては基本的に「キャラで見せたい」とおっしゃっていました。

▲『東映ヒーローMAX VOLUME57』より、大森敬仁のインタビュー

 「戦争」を描く、と言うよりは、「戦争」を通して「キャラクター」を描く、と言うのが『ビルド』のスタンス。「戦争」とは、『ビルド』に登場するキャラクターを魅力的に魅せる為のピースに過ぎなかったのだろう。こんな事まで言い出しちゃうくらいだしw

大森 (中略)まだまだ実は戦争だけで終わりではなく、もっとスケールの大きなことも起こりますし。

──えっ、もっと大変な展開になるんですか!?

大森 それでもひとつ確実に言えるのは、武藤さんは最初から「その仮面ライダーに男として惚れる」みたいな、そういう人たちを描きたいとずっと言っていますし、そこはこれからも崩さずにやっていきます。お話がどう動こうと、その芯だけは変わらず見せていきますから。

▲『東映ヒーローMAX VOLUME57』より、大森敬仁のインタビュー

 このやり方が「悪い」とは決して言わない。だが、戦争を知る者達の言い分も理解出来なくもない。怖くて恐ろしい戦争をキャラクターとその後の展開の前座にされたような気分だろうしね。
f:id:kro12218116h:20180311093947j:image

 韓国視聴者が忌み嫌った代表戦をまたやるとは…!また反感を喰らいそうだなぁ~!

 …まぁ、どうせ何を言ったところで、自分は韓国の人と相容る事は出来ないので、この話はここまでにしておきます。あんまり分かったような口で他国の他者を語るのも失礼だしね。さて、取り敢えず書きたい事は書いたし、『ビルド』本編の感想といきますか。

▼26話簡易感想

 ハザードトリガーに耐えられるよう、新たなる強化アイテムの開発に力を入れる戦兎。あのバングルは一体何なんだ…。まぁ、それは追々分かってくるとして、気になるのは、
f:id:kro12218116h:20180311093242j:image

 『ハザードレベルを上げる7つのベストマッチ』とはどう繋がるんだ…?

  前編で、戦兎(と、内海)はハザードフォームを強制的に変身解除させる装置を作るのだが…、それで出来たのがあのトリガー強制破壊スイッチだったの!?…や、戦兎の身を滅ぼすような代物なので、使わなくて正解ではあったのだが…、なんか本編との関係性薄くない!?!?まぁ、明日(3月12日)に後編が公開されるので、それ待ちなところはあるし、一先ずはそれを観てからだな。
f:id:kro12218116h:20180311094250j:image
 裏切り者は順当に彼女だったか。誰もが予想していた展開ではあったものの、やはりちょっとこの展開は悲しい。12話のあの涙が嘘になってしまったからね。でも、最近あんまり目立っていなかっただけに、このくらいの活躍はあってもいいのかもね(そういう問題じゃない!!)。あと思った事は…

f:id:kro12218116h:20180311095018j:image

 柴崎監督、こういう画好きだな~!!

 と言う訳で、『ビルド』の現段階評でした。次回はビルドの新フォーム登場。あのドデカい武器は男の子心を擽られる…!そして、次回の監督は田崎さんなの!?パイロットだけの出番じゃなくて良かったね田崎監督!!(?)ラビットラビットフォームの活躍、楽しみにしたいと思います。

 

ではこれにて。