レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダーエグゼイド』31話「禁断のContinue!?」感想+考察

▼遂に参戦!カミホリ監督!

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 『ゴースト』から姿を現した若監督、上堀内佳寿也が遂にテレビ本編に本格参戦!『アラン英雄伝』や『ヴァーチャルオペレーションズ』と今一パッとしない仕事ばかりだったカミホリ監督。『スペクター』で初の長編ドラマを撮り、『ゴライダー』を経て、『エグゼイド』のサブ監督まで登り詰めた彼の撮り方の特徴は何か?自分は『ゴライダー』は未視聴なので、他のカミホリ監督作品と比べながら掘り下げていこう。

▼空気が読める人?

 例えば…、
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『アラン英雄伝』3話ではアランに「人間の何たるか」を教えるべく、御成は人生すごろくを作り、アカリやタケルも巻き込んで、「人間の一生」を教えていく。
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 「学校とは何だ!?」「就職とは何だ!?」「結婚とは何だ!?」、人間が一生の内に経験する様々な事柄をギャグギャグしたテイストでアランに教えていく。しかし、言うまでもあるまいが、人間が人生の最後に待っているのは…
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当然、「死」である。今までふざけながらすごろくを進めていった彼等は、この話になると途端に顔も行動も一変。シリアスムードである。「死」とは、決してゲラゲラと笑いながら語って良いものではないのだ。カミホリさんはギャグと真面目の使い分けが解っている人なのかな、と感じた。だから、
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最初のコンティニューではこんな演出をしても、
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二回目はかっこよくコンティニューする。…まあ最初のコンティニューは「ふざける」と言う部分にこそ意味があったのかも知れないけど。何にせよ、この事からカミホリさんは「空気が読める人」だなぁ、と感じました。
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 あ、あとあそこ!『スペクター』で真面目なシーンでは変身解除の時に「オヤスミー」って音声を入れなかった所とか!あんなん入ったら折角のシリアスシーンが台無しだもんな~w

▼多彩なアイデアと既存設定の利用

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 今週のエナジーアイテムの使い方は楽しかった!『エグゼイド』はエナジーアイテムがあるお蔭で戦いの幅がかなり広いから有効活用してくれるととても嬉しい。こう言うのは話が進むにつれて使わなくなっていくのが常だっただけにね…!『ゴライダー』でも話を聞く限りだと色んな必殺技を披露してくれたみたいね(アサルトパンチ使ったってマ!?)
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 自分が『スペクター』のシンスペクターシンダイカイガン七連打で一番好きなのは「ラストバレット」。いや、明らかに強いやつですやんこれ…!どう観ても「強くなってる!」感が出ているラストバレットは個人的にかなりお気に入り。かっこよかったね。
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 あと『スペクター』と言えばこのライダーキックのアングルも面白かったね。真上からのキック。よくこんなん思い付いたなぁ…、と関心してました。
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 それとこのブログではよく話題にするキメワザ演出。玩具で使えるギミックを本編で使ってくれるのは皆大喜びなんじゃない?今回のパラドクスはレベル99版「ノックアウトクリティカルスマッシュ」とデンジャラスゾンビを使った「パーフェクトクリティカルフィニッシュ」を使ってくれたね。また劇中再現遊びの幅が広くなったな!あとニコちゃんもちゃっかり新技を披露してくれたね。これも文字の出し方も面白かった。
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 あとは変わった演出としては、キメワザテロップの帯だけ出すと言うやり方も新鮮だった。キメワザ、色んな魅せ方が出来るなぁ。楽しいですたい!
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 それと、今までゲンムは何気にプロトマイティアクションXガシャットでは必殺技を使ったことがなかったのだけれど(シャカリキばっか使ってたからな…!)今回、オリジンガシャットとは言え遂に「マイティクリティカルフィニッシュ」を使用してくれましたよ!まあ、ゾンビを取り返したからもう使わなそうだけど、折角だから合体技じゃなく、単体での「マイティクリティカルフィニッシュ」も魅せてくれ~!

 そんな感じでカミホリさんは、新しいアイデアを出しつつも、これまでに使われた演出や玩具ギミック等も魅せてくれて、非常に視聴者好みな撮り形をする人だなぁ、と感じました。
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 あ、あとあそこ!マキシマム!手足伸ばしてたね、手足!あれ『超スーパーヒーロー大戦』で金田監督がやったやつなんだけど、本編でもやるとは…!カミホリさんは踏襲が上手だな、と感じました。

 そんな訳で、次回もカミホリさん担当回。来週、そしてこれからの活躍、期待しています。

 

ではこれにて。…監督の話しかしてねぇ!!!!

『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode6「SCHOOL DEYS」感想+考察

▼人間と怪人は共存出来るのか?

 怪人とは、どの作品でも人間に忌み嫌われる存在である。しかし、世の中には2種類のライダー作品が存在する。人間と怪人が共存する作品そうでない作品だ。現在、放送されている『仮面ライダーエグゼイド』と同時期にamazonプライムビデオにて配信されている『仮面ライダーアマゾンズ』には共通点がある。それは、2つの種族の共存の可能性を破棄している点である。

▼『エグゼイド』のバグスターなら
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鮫島「先生、どうっすか?俺、ゲーム病っすか?」

(ボーっとしている永夢)

鮫島「先生!」

永夢「あ、あぁ、はい、ポッピーの…」

鮫島「さっきの女キャラのウイルスに感染したって事っすよね~…!

永夢「もしゲームオーバーになれば消滅する、危険なゲームなんですよ。これは。」

鮫島「解ってるっすけど、俺のサバゲー好きの血が騒いじゃってつい…!でも、ポッピーってバグスターを倒せば俺の身体を治療出来るんすよね!?」

永夢「あの、鮫島さん、ポッピーは悪いバグスターじゃないんです。」

鮫島「何言ってんすか先生…、俺は患者っすよ!患者よりウイルスの方を庇うんすか!?

永夢「いえ…、そう言うことじゃないんですけど!」

鮫島「良いから早くアイツをブッ潰して下さいよ!

▲『エグゼイド』28話「identityを越えて」より

 この鮫島さんの「患者よりウイルスの方を庇うんすか!?」と言う返しはどちゃんこド正論。そりゃあそうだ。バグスターは意思こそあるものの、紛れもなく病原体である。患者からすりゃあ、「俺、インフルエンザウイルス大好きなんで、患者さん、そのままずっとインフルでいてください!」と医者に宣告されるようなものだ。勿論、永夢にそんな考えは毛頭無いが。

 余談だけど、自分はバグスターに良い奴は出してほしくなかった、と思っていた事が一時期ありまして。理由は至って単純で、バグスターはウイルスだから。風邪やインフルと同じ、人体に害を及ぼす存在を「良い奴」だからと言ってドクターがそれを庇う展開はタブーでは、と思っていたのです。

▼『アマゾンズ』のアマゾンなら

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遥「良いよ!食べても良いよ!だってそれがアマゾンでしょ!?正直、人を食べちゃいけない理由なんて解んない!そのせいで、アマゾンが生きてちゃいけない理由だって解んない!だって、生きるとは、他の誰かを食べるって事だよ!?

▲『アマゾンズ』Last Episode「M」より

 人工生命体、アマゾンは蛋白質を喰らう事でその命を留める。そして、「生きる為に何を喰らう?」と問われた時、彼等は人間を食の対象に選ぶのだ。その為、野座間製薬(人類)は駆除班を放ち、彼等はアマゾンの駆除に勤しむ事となる。しかし…、
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マモル「これ以上邪魔しないでくれるかな。志藤君。」

志藤 「邪魔って、何の邪魔だ。」

マモル「僕達の新しいアマゾンが生まれる事の。」

志藤 「僕達…?」

三崎 「まさかとは思うけど、ウォーターサーバーに溶原性細胞混ぜてたのって…、マモちゃん…?」

マモル「だったら?」

望  「何でそんな事!」

マモル「戦う為だよ。人間と。僕達は5年前から殺され続けてる。ずっと、逃げても隠れても、ずっと。だから今度は僕達の番だ。僕達が人間を狩る。でも仲間がかなり減っちゃったからね。返してもらってるんだ、人間から。」

▲『アマゾンズ season2』Episode5「RAMBLING ROSES」より

 マモル率いるアマゾン群は人間に牙を向けた。理由は単純、生きる為である。互いの生き残りを懸けた戦いは次第に種族戦争へと発展していく。マモル(とアマゾン達)は人間をアマゾン化させる事で自分達の仲間を増やそうとしているけれど、三崎君の腕を食べた後でも人間の事は食べないようにして生きてきたらしく。「殺さなければ良い」なんて考えなのかしら?何にせよ、その様な所業は勿論、人類サイドは黙っちゃいられない訳で。
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志藤「マモル、お前があれからどんだけ酷いモン見てきたのか、お前を見りゃ解る。けどな、人を、アマゾンにするのは許せねぇ。人間の理屈だってのは解ってる。しょうがねぇだろ。俺達は人間だ。

▲『アマゾンズ season2』Episode5「RAMBLING ROSES」より

 嘗ての仲間と言えど、それが一度(ひとたび)人に危害を加えれば、それは止めるしかなくなる。そう、仕様がないのだ。彼等は戦うしかない。悲しいね。黒崎が「人間の命は特別だから殺したらダメだがアマゾンは何もしてなくても殺しても良い。それが人間が定めたルール。覆したきゃ、アマゾンが世界征服でもするしかない。」なんて事を言っていたが、マモルがやろうとしてるのは要はそう言う事である。果たして駆除班達はそれを止める事が出来るのか…?

 そんなバグスターやアマゾンだが、それでも中には人間と共存している(していた)者もいる。『エグゼイド』ならポッピーピポパポやバガモン、『アマゾンズ』では『season1』ならマモル、『season2』ならイユ/カラスアマゾンがアマゾン退治に協力している。…まあ上記の通り、マモルは今はアマゾンサイドに入ってしまっているけれど。しかし、この二種類の怪人に共通しているのはどちらも人間によって良いように作られたと言う点である。ポッピーは檀黎斗によって開発された『ドレミファビート』のキャラクターで、立ち位置としては味方側である。1度は仮面ライダーポッピーとなってエグゼイド達と戦ったものの、マキシマムゲーマーのリプログラミングや永夢の巧みな攻略により、ポッピーは真に良性のバグスターとなった。バガモンは、敵キャラと言えど、悪い奴ではない。心優しい小星作が製作した『ジュージューバーガー』と言うゲームの仕様と言うか、バガモンは"そう言うキャラクター"なのである。マモルは人間と共に生活出来るように育てられ、イユは元が人間(死体)である為、謂わば傀儡の状態である。結局、バグスターもアマゾンも人間と共存している者は、そう言う風に学習されただけの話なのである。ペットですよ、ペット。要は。まあアマゾンの中には人々の中で日曽利と生きていきたい、と願って世間に紛れていた者もいたが。

 けれど、さっきの「良いバグスターは出てきて欲しくなかった」って話の続きだけど、ウイルスの場合、病気を治したり予防接種をする為にその病気のウイルスを投与したりする事もあるし、実際『エグゼイド』でも、ゲーマドライバーの適合手術の為に微量のバグスターウイルスを投与して体内に抗体を作ったりしてる訳で、それを考えれば一人や二人くらい人間に味方するバグスターがいてもそこまで不自然じゃないのかな、とも思ったりしたりもしましたです(ぇ)
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 5、6話に登場したアマゾンはバラアマゾン。5話のサブタイトル「RAMBLING ROSES」「蔓薔薇(達)」と言う意味だね。『season2』に登場アマゾンは人が突然変異した存在故、人だった頃の心が残っている事も多い。だからバラアマゾン/周也は婚約相手であるエミリと同姓していた。が、彼は彼女の事を一番大切にしていた故、彼女には特に食人衝動が強かった(相手への思いが強い程、その人を食べたくなってしまうのかしら?そんな設定あったっけ?)為、それを彼女に受け入れられた周也はエミリを喰らってしまう。

2016年、日本初となる Amazon プライム・ビデオオリジナル作品として、凄絶なデビューを飾った『仮面ライダーアマゾンズ』。

バトルはよりハードに、ドラマはよりハートフルに。さらにパワーアップしたシーズン2は、ヒーロー番組の枠を超え、世界の誰もまだ見ぬ地平へと飛翔する!

▲『アマゾンズ』公式サイト introductionより

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  婚約相手の残骸に添えられたバラと言う構図は正にハートフルゥ…!

 因みに「ハートフル(heartful)」と言う英語は存在しないらしく。よく「ハートフル」は「心暖まる」とかそう言う意味で使われるが、英語圏の人間にこの言葉を使うと、「苦痛を与える」と言う意味の「hurtful」に聞こえてしまうらしい。欲求を抑えられず、挙げ句の果てに彼女を食してしまう。その死体の上に置かれる赤い薔薇の花言葉「貴女を愛しています」である。「心暖まる」と言う意味でも「苦痛を与える」と言う意味でもこのシーンはこう…ハートフルゥ…!

▼人間と怪人は共存出来ないのか?

 それにしてもやっぱり人と怪人との共存は所詮、人間のエゴなのかね。そう言う作品は多々ある。

▼例えば、『剣』

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金居「俺を封印したいのか?あの女のように。」

睦月「俺は、君と話したい。」

金居「話すだと?」

睦月「もう戦うのは止めないか。」

金居「フッ…ハッハッハッハ…!情けをかけてくれるってか。」

睦月「違う!」

(中略)

睦月「俺は最近、封印したアンデッド達の声が聞こえてくるんです。「戦いをやめろ…。」アンデッドもジョーカーも、封印されることがなければ、もう何も起こらないって。」

金居「戦いをやめて、それでどうする?仲間の鍬形虫達と森に暮らせって言うのかい?

睦月「人間と共存すれば…。

金居「俺は、俺達の世界を造る。人間など一人もいない素晴らしい世界だ。…共存だと?

▲『剣』45話「運命のカード」より

▼例えば、『ウィザード』

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凛子「今回の事で、ファントムが本当に恐ろしい相手だって事が、改めて解った。もうこれからは迷わない。ファントムから人を護る為に、また一生懸命頑張るわ。」

▲『ウィザード』23話「決戦」より

 しかし、これらの作品もまた、最終的には味方サイドの怪人が生き残っている。『剣』なら相川始/ジョーカーが、『ウィザード』ならウィザードラゴンビーストキマイラが。人間に危害を加えない怪人は生き残るんだね。所詮、この世は人間中心なんだね。いや、解りきってるけれども。

 だからバグスター達やアマゾン達はそのルールを壊そうとする。自身等が自由な世界を作る為に。結局、人間が一番上に立つ存在だから。もうこの感じだと『エグゼイド』と『アマゾンズ』に共存エンドは無さそうね。果たしてどんな結末を迎えるのか…!

 あ、因みに自分が書こうとしていた共存がテーマの記事はこちらの記事と合体させました。なんか組み合わせられそうだったので。単発の記事にするつもりだったんだけど…。まあ許して下せぇ…!

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』30話「最強VS最強!」感想+考察

▼『ゴースト』は命の扱いが"軽い"のか?

タケル「良く聞いて。貴方が閃きだと思っているのは眼魔って言うゴーストの仕業なんです。貴方は利用されてるんです!」

園田 「訳の解らん事を!わしは、1%の閃きの為なら、命だって惜しくないんだ!」

タケル「命が惜しくない?命は…、命はそんなに軽くない!

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 上記の掛け合いは『ゴースト』2話「電撃!発明王!」より。2話のゲスト、園田を利用していた眼魔から彼を護る為にタケルは説得を試みるも、園田は命を懸けてでも転送装置を完成させようとする。しかし、1話で既に命を落としているタケルはその発言に怒りを見せる。「命はそんなに軽くない」と。

 『ゴースト』では割と多くの人間が亡くなっている。本編ではフミ婆やアドニス、龍さん、一般人ならカプセルの中の人々、夏映画では深海大悟、『スペクター』ではジャイロと西園寺、眼魔世界の民達がその命を絶っている。その者達は決して蘇らない。
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 『ゴースト』はよく、「"生き返り"が多いから命の扱いが軽い!」と批判されるが、実際、劇中で生き返った人間ってカノンとタケルくらいしかいないんですよ。二人はどちらもグレートアイの力で復活するのだが、それを起動させる為には15個の英雄の眼魂が必要な為、決して簡単な所業ではない。でもって、カノンの場合はタケルが彼女の命を優先したことにより、序盤での復活を果たしたが、次にグレートアイを起動させようとした25話ではタケルはグレイトフル魂の力を手にしてしまった事で、ガンマイザーが本格的に活動を開始してしまい、眼魂が集まっても、グレートアイへの介入を邪魔され、願いの成就を拒まれてしまう。だからタケルが完全に復活したのは全てが終わった後である本編最終回(49話)なのである。命とは、簡単に蘇ってはならないものなのだ。
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今回の『エグゼイド』では檀黎斗/仮面ライダーゲンムがまさかの返り咲き。「死んだ人間は生き返らない」のが『エグゼイド』の胆だったので、『てれびくん』を読んでこの情報を知った時はちょっと萎えてたのだけれど、社長は人間としてではなく、バグスターとして復活したのか。これでは話が変わってくる。
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 故人の復活の可能性が示唆された事で、次回の飛彩はゲーム病で亡くなった彼女の転生を思う。しかし、それが"人間"として復活するのと"バグスター"として復活するのでは全然意味が違ってくる。また飛彩の葛藤が描かれるのか。爆走バイクガシャット(ガシャットロフィー?)を持ってると言う事は貴利矢についても少しは触れられるのかな?
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 ゲンム レベル0は倒されてもコンティニューが利くらしく(まさにゾンビ!)、それ故に黎斗は命を軽視する事からエグゼイド/永夢と一悶着するのかな。「ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!」と言うエグゼイドの決め台詞は、一つしかない命をはって戦うエグゼイド(とドクターライダー達)の謂わば覚悟の言葉なのだけれど、ゲンムの場合は死を顧みずに戦う事が出来る。そこに永夢は憤怒する、と言う流れかね。「バグスターは何度倒されても蘇る」と言う設定だったけど、そうか、黎斗はそのバグスターと同じ思考を持つ事となったのか。黎斗と永夢が真に認め合い、共に戦う時は来るのだろうか…?そして…、
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 リプログラミングの効果により、パラドは人間の遺伝子が組み込まれたと同時に"命"と言う概念も手に入れたのか。パラドに"命"が備わった事で、永夢がパラドをどう扱うのか、ここも見所の一つ、かもね。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode5「RAMBLING ROSES」感想+考察

長回しは良いぞ

 (『ドライブ』)本編とは違う部分を引き出すために、長回しという手法をたくさん使っています。長回しをすると、役者に負担がかかるんですよ。言ってみれば、役者の力次第。役者たちも、頑張らざるを得なくなるので。やはり役者の魅力を見せてなんぼのVシネマですからね。

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 石田秀範監督の撮る作品の特徴の一つに"長尺"が挙げられる。上の引用は『仮面ライダーマッハ/仮面ライダーハート オフィシャルムック~AGAIN & END~』の巨匠のインタビューからだが、氏曰く、「役者の本気を撮る為に(役者に負担をかける為に)敢えて尺を長くする」らしく、その考えは『アマゾンズ』にも色濃く出ている。

『アマゾンズ season1』

Episode1「AMAZONS」 再生時間 46分26秒

Episode2「BEAST INSIDE」 再生時間 40分23秒

Last Episode「M」 再生時間 39分21秒

『アマゾンズ season2』

Episode1『NEO』再生時間 39分28秒

Episode2『ORPHANS』再生時間 33分50秒

 しかし、お気付きだろうか?長回しを一種の技として使っている巨匠だがどんどん進んでいくにつれて、再生時間が短くなっていってるのだ。今回の『season2』は『season1』では登板されていた金田監督が参加していない為、ローテーションで5、6話は巨匠が担当。『season2』は『season1』より話のテンポが良いね(脚本の関係もあれど)何と言うか、『season1』よりもサクサク観れる。これについてどう思うかは人其々だが(長尺の方がストーリーをより深く味わえて良い!or 短尺の方がかったるさが無くて観易くて良い!)巨匠の最近の尺を抑える撮り方は後者の意見を踏まえたやり方なのかも知れないね。

▼守りたいものは護る

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 仮面ライダーアマゾンオメガ/水澤遥はよく、「ブレブレ」と言う評価をされる。遥は「守りたいものは護る」と言うスタンスで対象を生かすか殺すかを決めるのだが、遥のその「守りたいもの」と言うのは人間もいればアマゾンもいる。仮面ライダーアマゾンアルファ/鷹山仁が「人間を護る」と言うスタンスを曲げずに持っていたが故に、遥のスタンスにブレがあるように見えてしまう、と言った感じなのかな。遥は良くも悪くも「自分の好きな人を護る」と言う考えで、だから新型アマゾンは狩るが、それの根源たるマモルは仲間だから護る、と言った結論に至る。矛盾しているように見えて、実はそうでない(と思い込んでるだけ?)要するに仁さんが「人間を護る」とそれを曲げないように、遥は「好きな奴を護る」と言う考え方を曲げない奴なのです。

  …そろそろ良いタイミングかな。『season2』2話感想で予告したある記事は今週中に投稿出来ればと思っておりますので楽しみに待っていて下さい。ヒントは「共存」です。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』29話「We're 俺!?」感想+考察

▼ここで一先ず

 永夢やパラド関連の設定について今週明かされた謎も含め、今一度整理(お浚い)してみよう。

16年前・・・永夢、交通事故に遭う。その後、日向恭太郎の手により一命を取り留める。この出来事から永夢はドクターを志す。

更にこの時、日向恭太郎からゲーム機を貰った事から、ゲームにも興味を持ち始める。そして、友達がいなかった永夢は一人でゲームのアイデアを考える事が日課となる。(永夢は「一緒にゲームで遊ぶ友達が欲しい」と願っていた)

 ある日、永夢は幻夢コーポレーション(檀黎斗)宛に自分のゲームアイデアを書いた手紙を送る。黎斗はその才能に嫉妬し、永夢にバグスターウイルスを組み込んだゲームソフトを送る。永夢はそれをプレイ。世界初のゲーム病感染者となる。(この時、永夢は仮面ライダー(ゲーマドライバー)の適合者となる)

その後も永夢の中のバグスターウイルスは成長を続け、次第に永夢(僕)の人格がパラド(ゲーマーM(俺))の人格へと移り変わっていく。

6年前・・・永夢、格闘ゲーム大会でニコを圧倒し、優勝。その頃、黎斗は永夢のバグスターウイルスの成長を確認。財前美智彦に永夢の手術(ウイルスの採取)を依頼。(永夢はこの手術を「夢」と認識していた)ここで永夢とパラド(バグスターウイルス)が分離。そのウイルスに感染した財前美智彦含む、ドクター達が感染し、消滅。その後、永夢は再度ドクターを目指す。

18話・・・黎斗に自身がゲーム病である事を暴露され、永夢は莫大なストレスを感じ、病気が悪化。本来なら死に至る筈だったが、分離しても尚、繋がっているパラドが永夢に乗り移った事により、永夢は生き長らえるも、その後の永夢はゲーマーM(パラド)単一の人格となってしまう。飛彩の助けで永夢が元の人格に戻るまで、パラドの姿が映らなかったのはその為。

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 今週は所謂、説明回。こうなると、「ゲーマーMの人格って何なの?パラドとゲーマーMは同時に存在していたよね?」と言う疑問が浮かぶ人もいるかも知れないが、恐らくこれこそが、「永夢のゲーム病が治っていない」と言う何よりの証拠なのだろう。永夢とパラドは分離されたとは言え、永夢の身体にはまだバグスターウイルス(パラドのウイルス)が蔓延っている。だから、ゲームをする時"だけ"一時的にそれが表に出て来たりするし、時折、ドクター人格とゲーマー人格が混合したりする、みたいな感じなのかもね。

▼最近、

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 山口監督のキメワザテロップの見せ方が特殊になってきたよね。良きかな良きかな…!でもそう言えば思い返すと…、
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今まではキメワザの帯は斜めに入れるのが普通だったんだけど、
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最近、それを縦めに入れる演出がちょこちょこ見られる。
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 実は、これを最初にやったのは17話(バガモン回)で、撮ったのは山口監督。山口さんもこうやって色々な見せ方をしてくれるならキメワザテロップ大好きの自分は大喜びですよ…!で、今回の変わったテロップの出し方は…、
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 「なんじゃこりゃあ!?」と声を出してしまいそうだった。また面白い画を魅せてくれたね。非常に楽しいですたい!これからも様々な魅せ方で僕らを楽しませてください山口さん。…でも折角久し振りにブレイブ ファンタジーゲーマーが出てきたんだから「タドルクリティカルスラッシュ」のテロップは見たかった…!まだ本編で一回しか使われてないじゃんアレ…!ライダーを魅せる為に他のライダーのテロップを削る手法は山口監督特有の一種の"技"になってきたね。

▼一方その頃

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 永夢の一通りの謎が解消された一方で、今度はポッピーに新たな謎が。ポッピーの感染者は黎斗の母親だったのか。父親、檀正宗が永夢との面会以降、全く顔を出していなかったので「それでいいのか…!?」と思っていたけれど、良かった、まだ彼についてもうちょっと何かがありそうね。そして、幼き黎斗の幻影(?)に導かれたポッピーが見つけたものは…、
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宝箱。その中に入っていたのは、ゲーマドライバーと色違いのプロトマイティアクションXガシャット。次回予告の映像からゲンムが消えてなかった事から何となく察してはいたけれど、ゲンムがまた登場するのね。彼の正体は一体…?…なんて言いつつ、自分はもう知っちゃってるんですよね。何でかって?
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 コイツを応募する為に『てれびくん』を買ったからですよ!!!!!!!!!!!

 

ではこれにて。

『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode4「QUO VADES?」感想+考察

▼QUO VADES?

 前回(3話)の「PERSONA NON GRATA(ペルソナノングラータ)」に続き、今回もラテン語のサブタイトル。「QUO VADES(クォ・ヴァディス)」とは「何処へ行くのか?」と言う意味。そんなサブタイなだけあって、今回は色んな方々がお出掛けしていたね。お出掛けってレベルじゃないのもあったけど。

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 千翼とイユが向かった場所は…
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遊園地。イユは千翼の真似をしながら二人でアトラクションで遊んだりクレープを食べたり、端から見れば普通のデートだが、結局、それは本当に只の真似っこでしかなくて、だから千翼がリバースしてしまった時もイユはそれと同じ行動をとろうとする。どうやってもイユは心の無い人形(『スペクター』並感)なのが悲しいね。それでもイユに手を握られたり「千翼、駆除しちゃいけない奴」とちょっと特別に見られたからと言ってドキドキしちゃう千翼は童貞猛々しいな…!まあ「気持ちは解らなくもない」なんて人もいるだろうけどね。
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 旧駆除班メンバー(と長瀬君)が向かった場所は…
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よく解らない何処か。そう言えば白倉Pが『アマゾンズ』公式サイトでこんな事を書いていた。

「クォ・ヴァディス?」

そう訊ねたのは、イエスの弟子。

イエスの行く先は、弟子のだれにもわかりませんでした。わからなかったがゆえに、弟子たちはその後の生涯を捧げざるをえなくなりました。

ましてや『アマゾンズ』では、「どこへ行く?」と訊ねるほうも、訊ねられるほうも、行く先がわかりません。

その「わからなさ」は、生涯を左右する罪として、のちのち、かれらの身に降りかかってくるのかもしれません。

 ウォーターサーバーの水源を探すべく、駆除班達は動き出す。そこは未知の領域である。ていうか、駆除班達の装備、強くなってたね。『season1』に登場したアマゾン達が総登場したが、それらに一歩も譲らない駆除班メンバー。もう5年前のアマゾンなんか敵じゃないのか…。時代は変わった…!そして、駆除班の前に立ちはだかるのはモグラアマゾンことマモル。結構格好良い服着てたけど何処で手に入れたのか…!(←そこかよ!?)強者感半端無かったけど、やっぱり人を食べて生きてきたのかしら?前回の感想記事にも書いたけど、モグラアマゾンがハンバーガーを持つシチュエーションは来るのだろうか…!何にせよ、駆除班の皆とは何かしらの何かしらでまた仲間同士に戻ってほしいね。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』28話「identityを超えて」感想+考察

 『ゲンム』の感想記事を追記しました▼

 今回の記事は追記した『ゲンム』の記事と関連してるかもしれないししてないかもしれません。それではどうぞ。

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▼クリア~!大成功だドン!

 以前(26話感想にて)、「『ドレミファビート』含め、各ガシャットのゲームがどういうゲームなのかが解らない(ポッピーの役割が解らない)」と言った趣旨の文を書いたのだが、今回(28話)で永夢の口から明かされたね。ポッピーピポパポがどんな奴なのか。

永夢「ポッピーはプレイヤーを傷付けるような奴じゃない。プレイヤーと一緒に音楽を楽しんで、いつも笑顔でいる、優しいキャラクターだ!」

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 ↑要するにコイツみたいな立ち位置か。太鼓を叩くプレイヤーと一緒に自分もダンスを踊り、クリアすれば一緒に喜んでくれる。ポッピーもそう言うキャラクターなんだなきっと。…と、最近『ゲンム』を観た自分はそう感じてしまいました(笑)だから「ポッピーを笑顔にすればゲームクリア」と言うのは確り理に敵っていて、飛彩が行おうとした「倒す(切除する)」と言う行為は寧ろ間違いだったのかもね。
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 飛彩はゲームに興味が無い(知らない)。どのくらい興味が無いかと言うと、CRに『ドレミファビート』の台が常時設備してあるにも関わらず、それが何のゲームなのかすら微塵も解っていなかったくらい。バガモンの一件に立ち会っていない飛彩は患者を治す=バグスターを倒す(ゲームクリア)と言うのが常識だった為、ポッピーを切除しようとするのだ。「ゲーム病患者の治療法がバグスターの切除」と言うのは「風邪が風邪薬を飲めば治る」と言う事ぐらい常識な事だと。
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 飛彩は良くも悪くも患者優先で永夢は良くも悪くも仲間優先な性格。…仲間優先ってのもちょっと違うかな。でも永夢は人に深入りする性格故、その人に何かが起こるとそれが感情や行動に出やすいのが"ドクター"としての難点。3話で勇樹を救う為に体を張るのも、貴利矢の死を根に持ち、外科研修に集中がいかないのも、今回、飛彩が「これは患者の為だ!」と言ったにも関わらず、「五月蝿い!」と言って払い除けるのも永夢がその人に深入りしてしまうから。今回の患者、鮫島拳も「俺は患者っすよ!?患者よりウイルスの方を庇うんすか!?」と苦言していたが、実際、それはド正論で、ドクターの私情等、患者は知ったこっちゃ無いんですよ。飛彩が「私情は捨てろ」と助言してるにも関わらず、永夢はそれが出来ない。19話感想にも書いたが、永夢はドクター向きの性格をしてないんだよな。まあ、それをサポートするのが飛彩な訳だが。

 しかし、これは言い方を変えれば、「自身を犠牲にしてでも全ての人を救いたい」って言う事なんだよね。その為なら、何か他の策がある訳では無くても、今、目の前の誰かが死に陥ろうとしているなら、その人がそうならないように尽くすのが永夢と言うキャラクター。ポッピーの事も救いたかったけど、別に鮫島さんを疎かにしていた訳じゃあなかっただろうしね。要するに『鎧武』の葛葉紘汰みたいな感じですよ。代替案がある訳ではないが、スカラーシステムと言う大量殺人兵器が人々を襲うなら、それは兎に角ぶっ壊す、みたいな。彼ら二人の共通点は「誰も死なせたくない(擬制にしたくない)」という点である。
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 で、結果的に成功したと。この展開は地味に御都合主義を感じてしまうけど、まあ個人的にはアリです。紘汰と永夢のもう一つの共通点は「個人的な感情論が結果、良い方向に転がる事が多い」所かな。まあこの二人に限ったことじゃないけど…!

 そういや、今回のブレイブはドラゴナイトハンターZガシャット(レベル5)を使わず、態々それよりも弱いドレミファビートガシャット(レベル3)を使っていたけれど、これは高橋氏か諸田さん辺りが意図的にやったものなのかな。今回は『ドレミファビート』のキャラクターであるポッピーを描いたお話だったから。
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 「『ドレミファビート』がしたいよ…」の台詞のシーンでポッピーと永夢の間に映るブレイブ ビートクエストゲーマーって画に天才さを感じてしまう…!

▼俺がお前でお前が俺で

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 成程、パラドが永夢に過剰に拘っていた理由は、パラドは自分と対等にやり合える存在を欲しがっていたが、自分(パラド/永夢)が天才ゲーマー故、その相手が永夢(パラド/自分)しかいなかったから、て感じなのか。…なんか色々ややこしいな…!ちょっと此処に関しては考え出すと頭がパンクするので次回を待つことにしますか。

 

ではこれにて。