レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『アナザー・エンディング 仮面ライダーパラドクスwithポッピー』感想+考察

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 『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーパラドクスwithポッピー』の感想です。当記事は前作『ブレイブ&スナイプ』を鑑賞済、『ゲンムVSレーザー』を未鑑賞という体(てい)で書いています。また、ここでは『仮面ライダーエグゼイド ファイナルステージ』にも触れていますので、これから観る方は逃げてください。それではどうぞ。

▼俺らが組まなきゃ誰と組む

↓ブレイブ&スナイプ

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瀬戸●僕たちは既に自分達が主役のスピンオフがあったので、やるべきことはやりきった感がありました。そしたら、まさかの三部作で、しかも第1弾は二人が主役と聞いて驚きました。

松本●それを知った時から撮影が楽しみだったんですよ。テレビシリーズでも飛彩との関係は特に気合いを入れて演じていたので。

瀬戸●僕も嬉しかったです。「新作を作るならこの組み合わせしかないでしょう!」と期待していました。

▲『宇宙船 vol.159』より、瀬戸利樹、松本享恭の対談。

↓ゲンム&レーザー

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小野塚 今回、全員での出演が実現して、しかも3作品で劇場公開されるのもすごいですよね。さらに僕と岩永くんがそのトリを務めるのも光栄なことだと思っています。『エグゼイド』には大勢のキャストがいて、いろんな組み合わせが可能だったと思うけど、黎斗と貴利矢といえば因縁の間柄ですからね。それだけに『ゲンムVSレーザー』と聞いたときは、めちゃくちゃ嬉しかったです。

岩永 僕も勇人くんとの共演でよかったなって。特に、貴利矢は僕とは真逆の存在だから、お互いがお互いを引き立て合い、とてもいい作品になったと思います。

▲『東映ヒーローMAX VOLUME57』より、岩永徹也小野塚勇人の対談。

 ブレイブ&スナイプは分かる。ゲンム&レーザーも分かる。
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 でもこの二人は如何にも「余り物コンビ」だね…!

甲斐 パラドとポッピーでどんな話になるのか、全然想像つかなかったですね。2人で何ができるんだろうって?

松田 ほかの2組(『仮面ライダーブレイブ&スナイプ』、『仮面ライダーゲンムVSレーザー』)がなんとなく想像つきすぎて、その間のエピソードってギャグ回にするか、息抜き回にしないとしんどい3部作になっちゃうんじゃないかって。

▲『ハイパーホビー vol.7』より、甲斐翔真、松田るかの対談。

 演者の二人にもこう言われちゃってるしw

 でもこの後に甲斐君が「でもバグスターならではの面白い話になったね。」と言ってたね。さぁ、そんな「余り物コンビ」(しつこい!)が主役を張った『パラドクスwithポッピー』はどんなバグスターらしい話になったのだろうか?

▼バグスターと人間
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ポッピー  「永夢は、本気であなたと決着をつけることで、命を奪われる側の気持ちを知ってほしかったんだと思う。パラドなら、きっと分かってくれるって。だって…。」

パラド(『仮面ライダークロニクル』の主人公は俺なんだ…。)

ポッピー  「本当は、永夢に影響されて、永夢に憧れて、永夢と同じような存在になりたいって、思ってたんじゃない?」

グラファイト「パラドが?あり得ない。」

ポッピー  「じゃあなんで、パラドは、ずっと心に拘ってたの?」

パラド(「こんな広いフィールドでゲームが出来ると思うと、心が踊るな。」)(「俺の心を滾らせた!」)

ポッピー  「プログラムされたゲームキャラじゃなくて、心を持つ存在でいたかったからじゃない?ゲーマドライバーで変身出来るようになったのも、永夢と同じ人間でありたかった…。」

グラファイト「いい加減にしろ!俺達バグスターは人間と相容れない。人類は倒すべき敵だ!」

ポッピー  「倒した先に何があるの?人類がいなくなったら、誰が私たちとゲームで遊んでくれるの?プレイヤーの人達とずっと一緒に、仲良く楽しくゲームをして過ごす。そういうバグスターの生き方だってあるって、私はそう信じてる!

▲『仮面ライダーエグゼイド』40話「運命のreboot」より。

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 ポッピーの発言はあまりにもズレている。確かにポッピーの言い分は分かる。だが、これは音ゲーキャラクター(味方側)」目線であり、他のバグスターは皆「敵キャラ」だからである。

大我 「こんなふざけたゲームに、何の意味があるんだ?

パラド「全部お前達人間が望んだ事だろ。娯楽の為にゲームが生まれて、人間のストレス発散のために、敵キャラという存在が生まれた。つまり、バグスターが人間の命を脅かすのも、お前達、人間が、そうさせたからさ。でも俺達は、人間共の駒なんかじゃない。バグスターだってこの世界に生まれた命だ。これはお互いの生存をかけたゲームなんだよ。」

仮面ライダーエグゼイド』26話「生存を懸けたplayer」より。

 バグスター達が人類に牙を向いた理由は「人間に殺されないようにする」為であり、音ゲー出身のポッピーの言動は筋違いよね。
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 しかし、何とこの件に関しては『ファイナルステージ(「約束のDOREMIFA BEAT」)』(脚本:高橋悠也)にてフォローが入る。

ソルティ 「私がエグゼイドに負けたのは、これで何度目だろう?」

リボル  「自分達が仮面ライダーに勝てる日は来るのだろうか…。」

アランブラ「二人とも、精進が足りないようだな。」

ソルティ 「!図に乗るな!アランブラ!」

リボル  「貴様だって時間の問題だぞ!」

(ケンカを始める三人)

バガモン 「ケンカは良くないガ!」

ソルティ 「なんだ?何やらしょっぱい匂いがするな?」

バガモン 「ケンカは残酷なケチャップ…いや、残酷な血が流れるガ。」

リボル  「貴様は誰だ!」

バガモン 「『ジュージューバーガー』の敵キャラ、ダブルチーズバガモン!作のお蔭でパワーアップしたんだガ。」

ソルティ 「作とは?」

バガモン 「このゲームを開発した幻夢の社長。作からの置きピクルスを読むガ。」

リボル  「ん?なになに?プレイヤーとバグスターが楽しく遊べるように。」

バガモン 「だから、仲良く仲良く。」

ソルティ 「実は、ここだけの話、私は仮面ライダーとまた戦えた事が楽しかった。

リボル  「奇遇だな。実は、自分も。

アランブラ今この時こそが、我々のあるべき姿なのかも知れないな。

▲『仮面ライダーエグゼイド ファイナルステージ』より。

 まぁ、「それでいいのか?」とは思うけどな…!

 と言う事は…
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 『ブレイブ&スナイプ』で倒されたラヴリカも、内心喜んでたって事!?

 いきなり突っ込みから入ってしまった…!「良い!」と思った点も上げなければ…!

▼日常─nichijou─

 『パラドクスwithポッピー』で好きだったシーンは(ブラック)パラドと永夢が様々なゲームで対決していたところ。『ブレイブ&スナイプ』の飛彩と小姫の食堂でのシーンもそうだけど、やっぱり日常描写は良いね。キャラクターの魅力をよく感じられる。

──『エグゼイド』はストーリー的に完成度が高いと思いますが、何かやり残したことはありますか。

高橋 やり残したのは、キャラクターの日常ですね。家族の話とか、食べ物は何が好きとか。

大森 今回は放送がひと月短くなったんですが、9月ももしあったら、日常篇をやりましょうと話してましたね。

▲『仮面ライダーエグゼイド 超全集』より、高橋悠也、大森敬仁のインタビュー。

井上 俺はヒーローとしてのキャラ付けよりも、個人としてのキャラ付けのほうが大切だと思ってるよ。戦ってるときじゃなくて、むしろ日常がどんなやつなのかってこと。ヒーローとしてのキャラ付けを今の時代にやっても意味がないよ。

虚淵 日常ですか。

井上 よく日常を描かないヒーロー物もあるんだけど、つまんないよね。要は世界に入っていくととっかかりになるのが日常じゃない。ものを食べるシーンとかね。今は食いもんでキャラを売ることはやりつくしてる感があるけど、昔からよくあったでしょ。戦隊ものにおいて「カレーが好き」とかさ(笑)
▲『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より、井上敏樹虚淵玄の対談。

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 『エグゼイド』ってキャラクター重視っぽい作風の割にはあまり「日常」が描かれなかったんよな。まぁ、病院職ものだからなのかも知れないけど。パラドと永夢のゲーム対決は、バグスター育成シミュレーションゲーム『バグスターをつくるぜ!』の一環なので、厳密には「日常」ではないのだが、「二人がゲームで遊ぶ」と言う描写は予告で見た時よりも新鮮に感じて良かったです。でもこのシーンのパラドはブラックパラドなので、モノホンのパラドと永夢がゲームで遊んでいる様子を見たい人は『てれびくん超バトルDVD 仮面ライダーエグゼイド【裏技】仮面ライダーパラドクス』を観よう!(というか、黎斗の罠だったとは言え、『アナザー・エンディング』の事件の発端は永夢&パラド(の煽り耐性の低さ)のせいなんだよなぁ…!)

▼と言う訳で
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 『アナザー・エンディング』の新キャラ、八乙女紗衣子がパラド達に放った言葉(お前らは人間様の奴隷なんだよ!!)はある意味、一般人の本来の考えそのものだったのかも知れない。永夢は「ゲーム病も僕って言う人間の個性」と言っていたけれど、まぁそりゃあ人間にとっては「ウイルス」なんて存在はあってほしくないものだし、ましてや紗衣子先生はドクターである(また、父親である財前美知彦がバグスターの犠牲になっている)為、そんなものは撲滅したいに決まってるのよね。…と言うか、財前が死んだのは確かにバグスターウイルスに感染したせいだけど、財前を利用したのは檀黎斗なんだし、そっちも恨むべくなんじゃない!?(それともその事は知らなかった?)

 人間がウイルスを受け入れる、また、ウイルスが人間を受け入れる、と言う展開は冷静に考えると結構可笑しい。「病気」と言うものを好意的に捉える人間はいないだろうし。だが、そんな水と油な双方を繋げたのは、「心」と言う存在なのだな、と思うと、『パラドクスwithポッピー』は『エグゼイド』が描いてきた事の総括だったのかな、とも感じました。『パラドクスwithポッピー』、楽しめました。次回は遂に最終回『ゲンムVSレーザー』。楽しみに待つとします。

▼パラドは死ぬ予定だった

 パラドは当初、本編内で退場する予定だったのをご存知だろうか?

HH 当初はパラドは途中退場させる予定だったのですか?

大森 悪者であっても仮面ライダーなので、信念で行動してきたものがあって、それを突き返されて理解したときに反省しながら倒されるというのが当初の予定ですね。パラドがいなくなって永夢が奮起するみたいなイメージでしたが、それが変わって今のような形になっています。

▲『ハイパーホビー vol.4』より、大森敬仁のインタビュー。

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 パラド(と、ポッピー)が最終回で復活した事については賛否両論あるが、個人的には「まぁ、良いんじゃない?」と、最近思うようになった(自分は最初は「否」の立ち位置だった)。その理由は…次回作『ゲンムVSレーザー』の感想記事にて書こうと思います。

甲斐 どうしてパラドは生き残ることができたんですか?

大森 先に映画を作っちゃったから。

飯島 そんな(笑)。

甲斐 でも個人的には散ったほうが格好いいなって思ってたから。

大森 みんな散りたがるよねー。

▲『ハイパーホビー vol.4』より、大森敬仁、飯島寛騎、甲斐翔真の対談。

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 まぁ、パラドが生き残れたのはこんな理由なんだけどな…!

▼2018.02.18 追記

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 グラファイト(町井祥真)の出番、あれだけかよ!?!?

 

ではこれにて。