レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダーエグゼイド』43話「白衣のlicense」感想+考察

▼最初からやれオンパレード
f:id:kro12218116h:20170814132854j:image

 リプログラミング、やっぱり使えるんじゃねーか!!

 42話感想に「ムテキ登場以降、リプログラミングは使っていない(使えない?)」的な話をしたのだが…普通に使えたね…!天下無敵のリプログラミングを何故今まで妥協した!?"最初からやれ"!最近の『エグゼイド』は「『出来る』事を『やらない』」のが問題点の一つだったのだけれど、今回はそれがいつもより目立ってた印象。

▼神の才能は遅れてやってくる。

大我 「クロノスの目的は何なんだ!?何であいつが連れていかれた!?」

黎斗 「忘れたのか、『仮面ライダークロニクル』のルールを。全てのガシャットロフィーを集めたライドプレイヤーは、ラスボスへの挑戦権を得る。」

(中略)

永夢 「檀正宗の狙いは…」

黎斗 「西馬ニコの抹殺。」

パラド「クリア間近のプレイヤーをゲームオーバーにして、『ライダークロニクル』を振り出しに戻す気か。」

大我 「どうすればそのゲームエリアに行ける?」

黎斗 「君達には無理だ。君達は伝説の戦士、クロノスに変身出来る資格を手にしていない。」

(中略)

大我「『クロニクル』のガシャットは何処だ。」

永夢「えっ…?」

大我「患者から回収したガシャットがあるだろ!」

永夢「ちょっ…」

(仮面ライダークロニクルガシャットを取り出す大我)

永夢「大我さん…。」

大我「5年前、俺がバグスターを食い止めていれば…こんな事にはならなかったんだ…。」

飛彩「何をする気だ!」

大我「ぶっ潰してやる。檀正宗はこの俺が…!」

永夢「ちょっと大我さん!」

(クロニクルガシャットを起動させる大我)

永夢「待ってください!」

(大我、ゲームエリアへ飛ぶ。)

(中略)

永夢「ニコちゃんも大我さんも、これ以上誰の命も失わせない。」

飛彩「だがどうする?俺達はゲームエリアに行く事すら出来ないんだぞ!」

黎斗「諸君、私の神の才能なら、ゲームエリアにアクセスするチートコードを開発するのに5分もかからない。取引だ。衛生省の許可を取って私を解放しろ。花家先生と西馬ニコを見殺しにしたくなければな。」

(中略)

大我「まだ、終わってねぇぞ…!絶対に死なせない!こいつは、俺の患者だ。(中略)俺はお前の命を守る。例え免許が無くたって俺は、ドクターでありたいんだ。」

飛彩「ならば自分の命を粗末にするな。やっと本音が聞けたな。」

大我「お前ら…!」

正宗「君達、どうやってここに…!」

永夢「ちょっとした神業で。」

黎斗「不可能を可能にする。それこそが神の才能だぁ~~~!!!ヴェハハハハハハ!!!!!」

▲『エグゼイド』43話「白衣のlicense」より

f:id:kro12218116h:20170816211203j:image

永夢「ラスボスのゲームエリアに行きたい!」

黎斗「クロノスじゃない君らには無理やで。」
f:id:kro12218116h:20170816210030j:image

大我「だったらワイがクロノスになったるで!」

永夢「大我さん、苦しんでまで…!」

f:id:kro12218116h:20170816205917j:image

永夢「ワイらは何も出来ないんか…!」

黎斗「ワイの神の才能なら可能やで。」

f:id:kro12218116h:20170816211914j:image

 何を勿体振ってたんだよ…!

 「君達には無理だ(私の神の才能を使えば可能だが)」って事!?それじゃあ、あれだけ苦しんでゲームエリアにいってクロノスに変身した大我の頑張りが無駄になっちゃうじゃん…!クロノスもとい檀正宗は黎斗神自身も排除したい存在の筈なのに、随分呑気だな…!大我がクロニクルガシャットを取り出す前からチートコードの事を明かしても良かった訳で、そこを引っ張っても黎斗神には何のメリットも無かった訳ですよ。要するにこれって、製作陣が大我をクロノスに変身させたかったってだけだよね。百歩譲ってそれは許すにしても、こんな簡単に二人が来ちゃうんじゃ、大我が報われないだろ~!!チートコードでゲームエリアに行けるなら"最初からやれ"。

f:id:kro12218116h:20170816212435j:image

大我「え、ワイあんなに苦しんでここ来たのに、なんであんたら普通にいるん…?」

▼いつからそんな事を言えるようになった!?

  それと、この後の永夢の台詞も気になった。

f:id:kro12218116h:20170816213334j:image

永夢「医者の不養生は良くありませんよ。ドクターは大勢の患者の命を預かる身なんですから。忘れちゃいけないんです。患者の命を救うためにも僕達ドクターこそ生き抜く責任がある事を。」

▲『エグゼイド』43話「白衣のlicense」より

f:id:kro12218116h:20170816213609j:image

 や、あんた3話で強行突破に出てたやん…!

 この回(3話)で「仕切り直す判断(変身解除)」をした飛彩が「お前の犠牲等、ノーサンキューだ。」と大我に言ってあげるのはとても「らしい」のだけれど、それと全く逆の行動を取っていた永夢がそれを言うのはとても「らしくない」…!好意的に捉えてこの台詞を「永夢のドクターとしての成長の証」としてみよう。キャリアも腕もある天才外科医の飛彩との付き合いや指導の中で3話での飛彩の行動がようやっと理解出来た、と仮定する。しかしそれでもこの台詞は余りにも唐突過ぎる!積み重ねも何も無いじゃん!永夢がこう言う事を言えるようになったその過程が!葛藤が!成長が!何も無いじゃん!それでこんな事を言われても「永夢…良い事言うなぁ…!(泣)」とはなれません…!もしも元から「ドクターは死んではならない」と言う考えを持っていたのなら、序盤から自分が死なない努力を"最初からやれ"。

▼白衣のlicense?

f:id:kro12218116h:20170816215952j:image

話は遡って42話。実は、この話では大我は白衣を纏っていませんでした。不思議に思った方もいたのではないでしょうか。実は、これにはちゃんとした演出の意味があって、免許を持った医者としての過去を捨てたという大我のセリフに説得力を持たせるために山口監督がこの話では大我は白衣を着ないほうがいいと撮影現場で判断され、このような画となったわけです。
もちろん、これも台本には書かれていません。そして、その画の意味を汲み取った中澤監督が、医者としてのアイデンティティーを取り戻すアイコンとして白衣を永夢に持たせたのです。こうして、その白衣に袖をを通す大我の決意が印象的に映し出されたのです。台本に書かれたことが全てではない、まさに「演出」というものの奥深さを感じずにはいられませんでした。

▲『エグゼイド』東映公式ホームページ「PRODUCTION NOTE!」より

f:id:kro12218116h:20170816220245j:image

 元から白衣を着てたキャラにその「演出」は苦し過ぎる…!

 それじゃあ今までの大我は「白衣を纏う事で医師の"つもり"になっていた」って事になっちゃわない?や、無免許だからその通りなんだけど…。で、42話(前回)でようやっと「白衣を捨てて医師だった過去を捨てた」、で、次回になって「やっぱり俺はドクターやってたいんや…!」って気持ちに戻ったって事?心中がコロコロ変わり過ぎだろ…!「白衣を着せない」と言う「演出」が山口監督の域な計らいなのは分かるけど、医師としての過去を捨てているキャラクターなら、「大我は白衣を着ない」と言う「演出」を"最初からやれ"。

▼作品の「妥協」

 『エグゼイド』の問題点、「最初からやれ」は回が進む毎にどんどん加速していく…!変な所での妥協が多いんだよな。これは『仮面ライダー』に限らず、作品(お話)と言うのは、それが続いていく中で何かしらの都合の悪い事が起こった時、過去のそれをねじ曲げて都合の良い方向へ持っていこうとする事がざらにある。それは即ち、過去に積み上げた設定や世界観、人物像を崩す事であり、作品の完成度(と、製作陣の作品への拘り)が薄れる発端となる。自分はこれを「妥協」と呼び、そしてその「妥協」には「意図的な妥協」「無意識な妥協」の2つがある。「意図的な妥協」とは、製作陣が意識的に過去をねじ曲げる事である。「無意識な妥協」とは、製作陣が過去を忘れてしまう事で起こるものである。

 『エグゼイド』はその2つの「妥協」が混同しているように見える。分かっていながら行う「妥協」と自分達が築き上げたこれまでの設定(これまでの『仮面ライダーエグゼイド』)が頭に入りきっていない事で起こっている「妥協」。かなりこねくり回して書いたが、つまり何が言いたいかと言うと、
f:id:kro12218116h:20170816221228j:image

「最近の『エグゼイド』はスタッフ陣のモチベーションが低い!」と言う事です。

 

ではこれにて。