レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

人間の可能性は無限大。『映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』感想

▼先ず最初に

 やっぱり後ろの席は最高だぜ!!!

 『プリキュア』の映画を観に行くのも3回目になる自分だが、やはり何度見ても素晴らしいよ…!一生懸命ライトを振る子供達!!!正直、自分はそれを眺める為に態々映画館まで足を運んでいると言っても過言では無いんですよ。…おっと、また子供達だけの話で記事が終わってしまうところだった…。今回はちゃんと本編の感想も書こうと思います。と言う訳で、以下はネタバレ注意。

↓過去に一度だけ書いた『プリキュア』記事です。

↓ついでに此方も宜しければ(このレシピを使ってくれた方は果たしてこの世にいるのだろうか…!)

▼弟子は仲間と共に、師匠は一人で我が道を

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 自分、シエルが一番好きなんですよ。『プリアラ』のキャラクターの中で。初登場回からずっと(脚本の香村純子、スイーツに造詣が深いのかしら…?)。そんなシエルが主役の映画がなんて観ない理由が無い訳で。

 結論から言うと今回の映画、目茶苦茶面白かったです。シエルの成長の集大成って感じでした。シエルの師匠、ジャン=ピエール・ジルベルスタインはとんだサイコパスだったね…!スイーツに取り憑かれていて、ゾクッとするシーンも多かった。

──「ジャン=ピエール」に関しては、今回シエルの師匠ということで、物語の根幹部分を担う人物でもありますよね。

今回の映画を作っていくなかで元々、「イケメンも出したいね」という話をしていて、紆余曲折あって誕生したのがジャン=ピエールです。シエルは元々パリで修行していた頃はジャン=ピエールと同じような価値観でスイーツに向き合っていたと思うんですよ。でもいちかたちと出会い、仲間やチームワークの大切さを知った彼女はいい意味でその価値観が変化していっている。(中略)そういった変化を明確にするための対立軸として、ジャン=ピエールというキャラクターを用意しています。

ただ、対立はしていても、ジャン=ピエールの価値観が間違っているわけではなく彼を単純に倒してしまうと、話のテーマから少しズレてしまいます。だからクックを登場させたんですよね。

【インタビュー】『プリアラ』映画のテーマは「6人の成長」 – 内藤圭祐プロデューサーが語るTVシリーズと映画連動の裏側 | 超!アニメディアより。

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 6人の関係性が確立されたのが24話「転校生は妖精キラリン!?」だね。今までは何もかも全てを一人でどうにかしてきたシエル(キラリン)と、プリキュアの5人が正式に「仲間」になる回である(まぁ、実はこの回は個人的にはあまり好きじゃないんだけど…(「仲間」ってワードがクド過ぎる…!))。シエル(キラリン)の「今までずっと一人で何とかしてきたキラ!」というのは彼女の師匠、ジャン=ピエールのスタンスだったって訳ね。その考えはいちか達5人と、関わっていく中で変わっていき、映画ではジャン=ピエールと意見が食い違う事となる。なんだけど…
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映画『プリアラ』は唯一気になった部分があって。それは、「究極のスイーツ」が完成間近になった所でクックがジャン=ピエールに、もう一つ新たな材料を加える事を提案する(そうするよう唆す)シーン。今まで誰の力も借りず一人で頑張って作ってきたスイーツだったのに、最後の最後でジャン=ピエールはクックのその発案に興味を示してしまうんですよ。初めて他人を頼った結果があのザマと言うのは皮肉であると同時に「なんでこんな展開にしてしまったんだ…!」となってしまったのです。折角、シエルが仲間と一緒にスイーツを作る素晴らしさを訴えていたのに、自分がそれをしてしまった結果、パリ中をスイーツに変えてしまう化物への変転と言うのは、遠回しに「シエルの成長の否定」に繋がりかねないのである。

 まぁ、ジャン=ピエール的には満更でも無さそうな感じではあったので、彼視点で見るならばそれは好事だったのかも知れないし、それでもパリがスイーツになっちゃうのはジャン=ピエールは臨んでなかったかも知れないし、それとも寧ろそんな驚愕な出来事は大歓迎たったかも知れないし、…ジャン=ピエールって何だったのか、よく分かんなかったね(俺の理解力が低いだけ…?)(まぁ、その分からなさこそ彼の魅力の1つなのかも知れないが)。何にせよ、ちょっと引っ掛かってしまったのです。

 それはそれとして、「仲間」の大切さをジャン=ピエールに教えようとするシエル。思い返すとシエルのメイン回って「皆で一緒に」って感じのが多い気がする。そういや、キュアパルフェもシエル一人だけでなく、他の5人やジュリオの助けがあったからこそ出来上がった存在だね。
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ビブリー「放しなさいよ!」

パルフェ「ノン!絶対放さない!」

ビブリー「キャー!!」

パルフェ「ビブリー!」

ビブリー「あんたどうして!?」

パルフェ「だって、皆で作ったかき氷、一緒に食べたいの。

ビブリー「…!あたしはあんたの敵…!」

パルフェ「独りぼっちじゃないよ…。」

ビブリー「…!」

パルフェ「諦めないで、ビブリーも。ウィー…。」

▲『キラキラ☆プリキュアアラモード』26話「夏だ!海だ!キラパティ漂流記!」より

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キラリン「ボンジュール♪どうぞ、ボナペティ♪猫の皆さんでも食べられる体に優しいスイーツキラ。無添加で安全な材料しか使ってないキラ!」

ペコリン「皆で一生懸命作ったペコ!」

キラリン「ズバリ、「同じ皿のスイーツ」を食べれば、分かり会えるって!

猫ゆかり「それを言うなら「同じ釜の飯」ね。」

キラリン「?」

▲『キラキラ☆プリキュアアラモード』34話「小さな大決闘!ねこゆかりVS妖精キラリン!」より

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シエル 「ハッピーハロウィーン!」

ソレーヌ「どう言う事?これは?」

シエル 「ハムスターパンプキンプリン。私が作ったの。」

ソレーヌ「貴女が此を?」

シエル 「トッピングのハムスタースイートパンプキンはいちか達のアイディア。

いちか 「いやぁ~、小さいけど皆優しいこの街をイメージしてみました。」

シエル 「さぁ、ボナペティ♪」

▲『キラキラ☆プリキュアアラモード』37話「サリュー!シエル、フランスへ去るぅー!?」より

 映画でもキュアパルフェへの変身の時に皆でライトを振ってたね。プリキュアの5人も、パリの皆も、まほプリの3人(と、モフルン)も、映画を観ている子供達も、皆が彼女を支えた事で、シエルはキュアパルフェに変身を遂げる事に成功した、と言う展開はアツい。師匠とは道こそ違えたけど、シエルはシエルなりのパティシエを目指していく。どんな結末を迎えるか、楽しみだね(もうあと1クールなのか…!)。まぁでも、この中にビブリーもいてほしかったな、と言う気はしなくもない(一緒に連れてって貰えなかったんだね…!)

▼その他の感想としては
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 単純に楽しかった!今回は今までよりも館内に笑い声が多く響いていた気がする。何時もよりもギャグ多めだったかもね。しかもそのギャグが後々の振りになってたりもしてて面白かった。シリアスになり過ぎず、「お祭り感」が強くてかなり気に入っているのです。
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 あと良かった点はあれかな。ちゃんとプリキュアの6人全員が空気じゃなかったところ。テレビ本編の不満点の一つに「個々のメイン回以外はいちか(と、シエル)以外の4人が空気」と言うのがあったんですよ。今作もシエルがメインと言う事で、若干懸念を抱いていたのだけれど、要らん心配だったさね。ナマケモノあおいの顔は最高(シエル登場前はあおい推しだったのです)。
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 なんて訳で、映画『プリアラ』、非常に楽しめました。テレビ本編は日常とシリアスの触れ幅が激しかったりもするのだけれど、映画は丁度良い塩梅で纏められてて好印象でした。『プリアラ』も残り1クール。本編の感想や総括を書くかどうかは未明ですが、取り敢えず「映画はとても良かった!」と言う感想を残して本稿は幕閉じとさせて戴きます。

▼余談

 水瀬:(キラ星シエル/キュアパルフェ役に)決まったことを最初に報告したのは、昨年度放送された【魔法つかいプリキュア!】の朝日奈みらい/キュアミラクル役の高橋李依ちゃんです。友だちだからということもありますが、プリキュアは代々つないでいく作品なので、前に演じていた李依ちゃんからアドバイスをもらったり、相談ができたのはすごくよかったです。劇場版とかで共演できたらうれしいねという話で盛り上がりました。

新プリキュア役に決まった水瀬いのりさんから、メッセージ到着 | アニメイトタイムズより。

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 こんなに早く共演出来て良かったね水瀬さん!(画像はイメージ)

 

ではこれにて。

『仮面ライダービルド』7話「悪魔のサイエンティスト」感想+考察

▼ネタキャラは皆大好き

 先日、友人が『エグゼイド』の檀黎斗についてこんな事を言っていた。

「神のネタキャラ化って『ドライブ』のブレンみてぇだよなwww」

 確かにこの二人は話が進むに連れてどんどん「ネタキャラ化」が増していったように思われる。

 例えば『ドライブ』のブレンなら、

↓序盤
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「ハート、貴方は本当に自由で無警戒で目立ちたがり屋だ。」

↓中盤
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 「メディックめぇーーーーーーーーーー!!!!!」

↓終盤
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「その顔が見たかった…私に嫉妬するその顔が…ウェッヘッヘッヘ!!!」

 例えば『エグゼイド』の檀黎斗なら、

↓序盤
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「花家先生も奇特な方だ…。」

↓中盤
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「(ピロロロロロ…アイガッタビリィー)

宝生永夢ゥ! 何故君が適合手術を受けずにエグゼイドに変身できたのか
何故ガシャットを生み出せたのか(アロワナノー)
何故変身後に頭が痛むのくわァ! (それ以上言うな!)
ワイワイワーイ その答えはただ一つ… (やめろー!)
アハァー…♡
宝生永夢ゥ!君が世界で初めて…バグスターウイルスに感染した男だからだぁぁぁぁ!!
(ターニッォン)アーハハハハハハハハハアーハハハハ(ソウトウエキサーイエキサーイ)ハハハハハ!!!!」

↓終盤
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「"新"檀黎斗と言う名はもう捨てた。今の私は………檀黎斗"神"だ!」

 まぁ、中には製作陣が意識した訳でもないのにギャグのように視聴者に取られてしまったシーンもあるが。で、この二作はどちらも大森P作品であると同時に、両者も視聴者からは絶大な人気を得ている。因みに、『エグゼイド』の檀黎斗の復活はどうやら既定路線だったらしく(貴利矢の復活は後付け)

──真の敵ボスが黎斗ではないというのは当初から決まっていたのでしょうか?

高橋 はい。黎斗が2クール目で退場することは当初から決まっていましたし、その後に復活するときは永夢たちの協力者になることも考えていました。(中略)黎斗は「笑える悪役」としての側面もあったので、正宗が刑務所にいる時点では貴水さんに本当に怖い冷徹なキャラクターをイメージして脚本を書きました。ところが第32話で釈放されてからは黎斗に近い悪役になったので、台本上でも叫ぶ台詞を増やしたりして「笑いの要素もある愛すべき悪役」として正宗のキャラクター造形を設定し直したんです。

『宇宙船 vol.158』より、高橋悠也の談。

 「この親にしてこの子あり」とは正にこの事と言わんばかりに、檀正宗も笑いをとるキャラクターになったね…!

↓before
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↓after
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 この理論で行くと、
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 もし、氷室幻徳のこんな一面が今後本編に定着すれば、彼が人気キャラクターになる可能性は高い。

▼貴方がマスターか

 と言う訳で、今週はナイトローグ=氷室幻徳と言う事が明らかに。気になるのはファウストのもう一人の幹部、ブラッドスタークの正体だが、大衆の考察通り、やはり喫茶nascitaのマスターこと、石動惣一説が濃厚ね。只、そうであった場合、スタークは決して許されない(許されてはならない)所業を犯してしまったね…。
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 子供のスマッシュ化か~!またとんでもない事やらかしたなぁ~!これで仮にマスターが「影からお前達(戦兎&万丈)をバックアップしてやってたんだよ!」とか言い出しても、この汚点は絶対に残るし、最悪の場合、お咎め無しになる可能性も微レ存…まぁ、まだマスターと決まった訳じゃないが、ここまで来てしまうと「正体はマスター」オチは来ないでほしいなぁ…!(実は殺された筈の葛城だった…とかないかな?)

 

ではこれにて。

『仮面ライダービルド』6話「怒りのムーンサルト」感想+考察

▼ゾクゾクビルドアップキャンペーン

 今回のテーマは、「ベストマッチ」だ。…もう一度言おう。「ベストマッチ」だ。
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  仮面ライダービルドと言えば「ビルドアップ」。2つのボトルを組み合わせる事で多彩なフォームチェンジを可能とするビルドには、愛称の良いボトル同士が組み合わせる事で実現する「ベストマッチフォーム」とそうでないボトル同士で変身する「トライアルフォーム」と、二種類の形態が存在する。何気に、ベストマッチのフォーム名(ラビットタンクを除く)は造語になっているのに皆さんはお気付きだろうか?

・ゴリラ+ダイヤモンド=ゴリラダイヤモンドフォーム←🙅 ゴリラモンドフォーム←🙆

・タカ+ガトリング=タカガトリングフォーム←🙅 ホークガトリングフォーム←🙆

・ニンジャ+コミック=ニンジャコミックフォーム←🙅 ニンニンコミックフォーム←🙆

・パンダ+ロケット=パンダロケットフォーム←🙅 ロケットパンダフォーム←🙆
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 次回も新たなるベストマッチフォームが登場するね。ビルドアップのルールと言うか、組み合わせのポイントは有機物+無機物で組み合わせる事。忍者を「有機物」と言う括りにするのは如何な物かとは思うがね…!(前回でも「海賊(カイゾク)」なるボトルが出てきてたし……)そう、「動物」でも「乗り物」でもなく、「有機物」「無機物」と言う括りはフォームチェンジの可能性に幅を広げる事が出来る(自由度が増す)のだ。

大森 (中略)そもそも僕が最初に関わり始めた『響鬼』や『電王』『キバ』あたりは、そういう作り方(ドラマをベースにした作り方)ができてた時代なので、今関わってるスタッフの中にその時代を知ってる人はそんなにいないから、そういう作り方を目指そうかなということで今回は臨んだつもりです。で、最初にまずデザインから進めないといけないので、今回のライダーのモチーフはなんだという話になり、「今回のモチーフは"仮面ライダー"です」とずっと言い続けて(笑)。

──つまり「ゲーム」とか「医者」みたいなモチーフは、今回はないと。

大森 とにかく「モチーフはないんです」という言い方をした結果、今のような形になりました。具体的にはフルボトルというアイテムを組み合わせて変身するわけですが、要は何かと何かの掛け合わせ……そこは無機物×有機物というざっくりした立て方はあるんですが、そんなにモチーフに限定したつもりはないので、ドラマ的にはどう転がろうがアクションの部分においてちゃんと機能するギミックというか、逆に言うとドラマには余ります影響を及ぼさないようなギミックに留めたつもりです。なので、最初に脚本家さんと話したときも、そこまでギミック的なことは気にせずスタートしたというやり方ですね、今回は。

▲『東映ヒーローMAX volume56 2017 AUTUMN』より、大森敬仁のインタビュー。

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 只、問題なのは、あまりにも括りが自由過ぎる事で、「ベストマッチ」と言う概念にあまり必然(必要)性を感じない事である。
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 「鋼のムーンサルト」、「輝きのデストロイヤー」、「天空の暴れん坊」、「忍びのエンターティナー」、視聴者が「何これ!?」となる有り得ない組み合わせをビルドアップ(ベストマッチ)のウリにしているのだが、「ベストマッチだとトライアルフォームとどう違うの?」と言う疑問を持つ視聴者は一定数いると思われる。抑、劇中でもベストマッチについてはこれしか説明されてないしね。

惣一「ボトルには相性があるんだ。例えば、ラビットとタンク。この二本を入れると、相性の良い組み合わせが見つかれば、こうして光る。全組ベストマッチになったらとんでもない事が起こるらしい。けど、これが中々揃わない。」

▲『ビルド』3話「正義のボーダーライン」より。

  「とんでもない事」とは何なのか、と言う話は置いといて、要は何が言いたいかと言うと、ベストマッチはあまり凄いモノに感じないのだ。

▼二本のメモリでベストマッチ!

──『W』の魅力のひとつとして、3×3+αの各種フォームの厳密な使い分けがあったと思います。

三条 Wの場合、色が違うだけで形は同じじゃないですか。ちゃんと戦法とか能力の描き分けをしないと、6つのメモリの特性がよくわからないし、よくわからないイコール子供が欲しくならないということなんです。で、わりと僕はそういうことを描き分けるのが好きなんですよ。そこは漫画原作者出身ですから。だって「週刊少年ジャンプ」のマンガなんてそこ以上におもしろいところなんてないじゃないですか!(笑)もちろん、それ以外の物語にも魅力はあるけど、敵とのバトル編になったら、この技をこう防いだみたいなことを描けてないと生き残れない。塚田さんからの要請もありましたし、『W』のシナリオではそういう部分もかなり細く書きました。(中略)後々になって宮崎(剛)さんから「今だから言えるけど、あそこで普段やらないことにトライしたから、『W』はヒットしたんだね」とおっしゃってもらえたんですよ。"いろいろ考えて作ってそうだなムード"って実際に試行錯誤したかどうかが直結している気がしますね。

▲『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より、三条陸の談。

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 『W』が大衆受けした理由の1つに「綿密なギミック設定」がある。例えばサイクロンメモリの場合、「メタルメモリと組み合わせると、防御力は増すが、サイクロン側の特徴たるスピードを殺してしまう!」「トリガーメモリと組み合わせると、連射が可能になるが、弾の威力は弱くなる!」と、メモリの組み合わせによって長所と短所が同時に生まれてしまうフォームも存在するが、ジョーカーメモリと組み合わせれば、バランスもとれて、スピードにも特化するぞ!」と言うような相性の良い組み合わせのフォームも存在する。宛ら、サイクロンジョーカーは『ビルド』で言う、ベストマッチフォームのそれである。只、だからと言ってサイクロンメタルやサイクロントリガーに出番が無かったかと言われればそんな事も無く、Wは戦況によって9つのフォームを使い分けるのだ。だからこそ、ハーフチェンジにも必然性が生まれるし、理屈好きの視聴者にも刺さるのだ。

▼三枚のメダルでベストマッチ!

武部 平成ライダーは「いかに去年と違う作品に仕上げるか」というのが基本ではあるのですが、やはり『W』のガイアメモリやフォームチェンジはとても好評だったので、「そこは引き継がなきゃいけないんじゃない?」と考えました。でも、フォームチェンジの違いをうまく見せることって、すごく難しいんですよね。例えばフォームごとに違う武器を使っても、やっぱり戦い方のバリエーションには限界があるので。(中略)たしかにフォームチェンジって、どうしても強さがインフレ化していきますよね。だから制限をつけたりなどの工夫は考えました。そういうことでいえば、変身アイテムであるメダルを管理する、いわば銀行みたいな存在としてアンクが生まれたんです。オーズになる(火野)映司自身が選ぶんじゃなくて、アンクが考えて投げたメダルを使ってフォームチェンジして戦うという、そういう面でも制限を付けたかったんですね。

▲『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より、武部直美のインタビュー。

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 オーズは三枚のコアメダルの力を駆使して戦う戦士である。メダルには様々な動物の能力が秘められているのだが、昆虫、猫科、鳥類といったような、ある特定の分類の三枚のメダルを組み合わせると、バラバラな組み合わせによって成り立つ「亜種」よりも協力なパワーを持つ「コンボ」が完成する。これも『ビルド』で言う「ベストマッチ」である。しかし、その強大さ故に、使用すると映司自身の体力が大きく失われ、気絶をしてしまう事も屡々。…まあそれは段々死に設定と化していくんだけど…!
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 つまり、『ビルド』のベストマッチには『W』のハーフチェンジや『OOO』のコンボのような弱点や戦略性が薄い(又は皆無)事で、必要性を感じ辛いのだ。実際、3話のナイトローグ戦でもベストマッチじゃあないハリネズミタンクフォームなんか使い出すし、4話のフライングスマッシュ戦ではこれまたベストマッチではないゴリラ掃除機フォームで普通に善戦したりする(後からゴリラモンドにビルドアップするけど)。加えて、前述の通り、「有機物」と「無機物」と言うジャンルは極めてアバウトである。三条陸が言っていた、「いろいろ考えて作ってそうだなムード」はぶっちゃけあまり感じない。2009年にハーフチェンジをやれば宮崎剛の言う「普段やらないこと」なのかも知れないのだが、2017年にビルドアップをやってももうそれは「普段やらないこと」ではないのである。
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 これらの事から、ビルドアップ(と、ベストマッチ)に意外性や凄みを全く感じる事が出来ないのはとても痛い点である。

 や、『ビルド』に「変わった要素」なんて抑余り無いんだけどさ。


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 やっぱさぁ…話は面白いんだけどさぁ…(展開早いけど!)、『ビルド』からはどうしても「作品に対する心意気」が感じられんのよなぁ…!(少なくとも大森Pからは)『エグゼイド』で自分の全てを出したならそれはそれで良いけど、だからって後続を疎かにするなよ…!(スタッフやキャストや視聴者に失礼だぞ!)今後の情報誌で彼の印象が変わらん事を祈って、今回は幕閉じとさせていただきます。

▼余談(スーツについて)
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 ビルドは、ラビットタンク以外のフォームは共用のベーススーツにそのフォームに対応した胸や腕等のパーツを着込む事でビルドアップを成し得ているらしく。色々言ったものの、『ビルド』は例年よりフォームチェンジ多いからそこは素直に楽しい。まだまだ沢山のベストマッチフォームが出てくるだろうし、多彩な亜種(?)も期待しましょうか。

 

ではこれにて。

『仮面ライダービルド』5話「危ういアイデンティティー」感想+考察

▼意図的な妥協

 詳細については上の記事を参照されたし。何故、この記事を引き合いに出したかと言うと、『ビルド』にはこの「無意識な妥協」「意図的な妥協」の内、後者がとても目立つ(ように見える)から。これまでの『ビルド』突っ込みに関しては以下の記事を参照されたし。

 例えば、4話感想では、鍋島の記憶(何故、都合良くボトルの事だけ覚えてる!?)について書いたのだが、
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 「スマッシュに改造された人間は人体実験時の記憶を失う」筈だったのが、今回のゲスト(今後も登場する?)、立弥は全部覚えてましたね…!まあ、改造される人間や成分の投与回数によって症状が異なる事は確かに言及はされている(万丈の恋人、香澄は病気を患っていた為、死亡。鍋島は二回の成分投与により、全て(笑)の記憶を失う。etc…)のだが、…何と言うかさ、便利設定だな、これ。そんな立弥は万丈の手により、再スマッシュ化。成分の逆流(放出)も可能だったのね、あのボトル。どうなる、第6話!?

 と言う訳で、今日はこの辺で。短くてすんません…!本日はちょっと予定があるのです…!

 

ではこれにて。

『仮面ライダービルド』4話「証言はゼロになる」感想+考察

▼今更だが

 『ビルド』のサブタイトルのルールは「文中に片仮名を使う」ってのだったんだね。『エグゼイド』の英語よりもイーズィー(easy)になりましたね…!

1話、「ベストマッチな奴ら」

2話、「無実のランナウェイ

3話、「正義のボーダーライン

4話、「証言はゼロになる」

5話、「危ういアイデンティティ

▼無意味パネルの意味
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 成程、あの御払い箱パネルの正体はパンドラボックスの一部分だったのか。「二重構造」とは割とブッ飛んだ設定だが、序盤なら違和感は薄い。それはそうと、パネルの正体が分かったのは良いが、結局、「ビルドドライバーにベストマッチ探査機を付けた理由」及び「態々パネルでベストマッチを探していた理由」は良く分かりませんでしたね…!「何処でも実験が出来るようにビルドドライバーにも探査機能を付けたんじゃないの?」と突っ込まれそうだが、ビルドがスマッシュの成分を回収し、それをフルボトルに整形するには美空の能力が必要。即ち、戦兎は一旦家(うち)に帰らなければいけないのである。ボトルが出来上がったら直ぐ様「実験実験♪」となっても良い筈なのに、2話でゴリラとダイヤモンドのベストマッチが現場で見つかって「キタ━━━(゚∀゚)━━━!」となってたのはとても不自然である。パネルの機能はもうちょっと別の設定を作っても良かったのでは?と、思わなくはないのであります。

▼さながら『ときめきクライシス』
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 4話でもう一つ、気になったのは鍋島の記憶。万丈や妻子、自分の名前すらも忘れていながら、よくもまあ都合良くボトルの事だけ覚えてましたね…!リセットで正宗(クロノス)の手に戻らなかった『ときめきクライシス』のガシャットロフィーじゃあないんだから…!
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 因みに、『エグゼイド』後夜祭にて高橋悠也がガシャットロフィーについて説明していたっけ。曰く、「ガシャットロフィーの譲渡は『仮面ライダークロニクル』外の出来事なので、リセットの影響は受けなかった」と言う。ゲーマドライバーやプロトガシャットの奪取や新黎斗のライフは『仮面ライダークロニクル』内の出来事だったのか…?ゲーム内外の出来事の線引きがよく分からないので、この説明には今一納得いきませんでした。

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 そう言えば、『ビルド』の脚本を担当している武藤将吾がこんな事を自身のTwitterで書いていた。

仮面ライダービルド』第4話をご覧いただき、ありがとうございました。

「展開が早い」とよく耳にしますが、それは今に始まったことではなく……。
怪盗 山猫』『家族ゲーム』『ジョーカー〜許されざる捜査官〜』etc……どれも同じようなことを言われ、どれも心配されたなぁ……(笑)。

Twitterより、武藤将吾のツイート。

 こと『仮面ライダー』の場合、「展開の早さ」は最近ではよくツッコまれる事なので、それに関してはあまり気になってはいなかったのだけれど、このツイートの気になる部分は「どれも心配されたなぁ……(笑)」と言う文。ライダーファンはせっかちが多いので大丈夫な気もします(笑)上のツイートだと『家族ゲーム』だけ視聴していたのだけれど(原作は本間祥平)そんなに早いようには見えなかったけどなぁ…?(最も、四年前に観たきりなので、よくは覚えてないが。)それとも「毎話、怒濤の展開!」と言うのが「早い展開」なの?うーん…?良ければ誰か教えてくださいな。
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 や、でも、『ビルド』って何と言うか、「続きが観たくなる」よね。引きが上手いのかな?4話のそれは「マスター‼オンドゥルルラギッタンディスカー!!(ファウスト視点)」と言うもの。冒頭でいつの間に戦兎の毒が治っていて、しかもどうやって治したかとかそう言う説明が一切無くてびっくりしてたんだけど(まあタブレットを孫の手に変えた時点で只者ではないのは周知の事実ではあったが)、そう言うオチだったのか。

──振り返ってみると『オーズ/OOO』という作品は全体のお話が見えやすかったですよね。
武部 そうですね。伏線や縦糸もあまり入れませんでしたから。そうしたのは今が「継続視聴がない時代」と言われているからなんです。みんな観たいときにパッと観て、毎週毎週必ず観るという習慣がない。だから出来るだけわかりやすいストーリー、親しみやすいキャラクターというのを心掛けたんです。でも、ある程度人気が定着したので、大体30話くらいからちょっとお話を捻るようになりましたけど。

▲『DETAIL OF HEROES 仮面ライダーオーズOOO 特写写真集「OOO(オーズ)」』より、武部直美のインタビュー。

 そんな時代故に『鎧武』や『エグゼイド』は視聴率に苦しめられたが、それでもなお大森Pはそれをやると言うのか…!『エグゼイド』は「一話完結」の側面が強かったが、『ビルド』は何かしらの「引き」を作る事で出来るだけお客さんを逃がさないようにしている、みたいな感じなのかな?続きモノの弱点は「一話見逃したらもう着いていけなくなる」と言うものなのだが、果して成功はするのだろうか…(しなさそうな気もするけど…!)。

 

ではこれにて。

『仮面ライダービルド』3話「正義のボーダーライン」感想+考察

▼一番難しいのは3・4話

田崎 (中略)そこで僕はもう一つ、長石多可男監督にすごく感謝していて。本当は1~4話ってワンセットなんだけど、僕は1・2話までしか出来ないじゃないですか。これは前々から何回も言ってることだけど、1年でシリーズ50本あるうちのどこが難しいかって、3・4話が一番難しいんです。なんでかと言うと、1・2話が完成しないうちに撮り始めなきゃいけないから。つまり1話でどんなキャラクターになってるかを見ないで、言わば目隠しで作らなきゃいけない。でも1・2話とまるっきり違ってしまうと駄目だし。かと言って1・2話のままいけるわけでもなくて、すごく難しい。だけど、長石さんはやっぱりそこがすごく上手かった。そこはさすがというか、3・4話はすごい名作だと思います。

▲『仮面ライダー電王公式読本』より、田崎竜太のインタビュー。

田崎 『鎧武/ガイム』のときで言うと、ヘルヘイムの森の見え方などはこちらで決めていったところですね。なんにせよ、そういった世界観を1から形にしていく作業はすごく楽しいですよ。僕からすれば、むしろ3・4話のほうが大変だなって思うんですけど。

──それ、いつもおっしゃられてますよね。

田崎 僕のウィキペディアの項にも書かれていますからね(笑)。3・4話の何が大変かって、1・2話の完成した映像を見ることができない状態で、その続きを作らなければならないんです。それゆえに非常に職人的なスキルを要求されるわけで、長石(多可男)さんや坂本太郎さんといった「3・4話の名手」として名の挙がる監督はみなさん経験豊富で力のある方ばかりですよね。僕もついに『仮面ライダーアマゾンズ』で3・4話を担当することになったんですけど、どうもどこかで割り切っちゃうというか、「(1・2話と)違ったら違ったでいいや」みたいに思っちゃって(笑)。

▲『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より、田崎竜太のインタビュー。

 と言う訳で、『平成ライダー新世紀!』で取材を担当した大黒秀一に「それ、いつもおっしゃられてますよね。」と言われるくらいには彼が何度も鬼門と評するのが、セカンドパイロット版(3、4話)。曰く、「パイロット版(1・2話)が完成しないうちに撮り始めなければならない為、構成が非常に難しい」のだと言う。平成一期ではキャリアのある監督陣がそれに挑んできた。

クウガ』:渡辺勝也(EPISODE 3「東京」、EPISODE 4「疾走」)

『アギト』:長石多可男(3話「俺の変身!」、4話「パズル解読」)

龍騎』:石田秀範(3話「学校の怪談」、4話「学校の怪談2」)

『555』:長石多可男(3話「王の眠り」、4話「おれの名前」)

『剣』:鈴村展弘(3話「彼らの秘密…」、4話「永遠の命の謎」)

響鬼』:諸田敏(三之巻「落ちる声」、四之巻「駆ける勢地郎」)

『カブト』:田村直己(3話「俺が正義‼」、4話「愛を説く‼」)

『電王』:長石多可男(3話「アウトロー・モモタロー」、4話「鬼は外!僕はマジ」)

『キバ』:石田秀範(3話「英雄・パーフェクトハンター」、4話「夢想・ワイルドブルー」)

『ディケイド』:金田治(4話「第二楽章♪キバの王子」、5話「かみつき王の資格」)※

※『ディケイド』は1話~3話(クウガの世界編)を田崎竜太が担当。

 長石多可男ばっかりやね(笑)(もう一人の「3・4話の名手」こと坂本太郎がいないだと…!)しかし、平成二期ではそんなセカンドパイロット版を比較的若い(又は「平成ライダー」の監督歴が浅い)監督が手掛ける事も多い。最も、長石多可男は2013年にこの世を去り、坂本太郎は『ゴーカイジャー』を最後に監督業を引退したのだが。

『W』:諸田敏(3話「Mに手を出すな/天国への行き方」、4話「Mに手を出すな/ジョーカーで勝負」)

OOO』:柴崎貴行(3話「ネコと進化と食いしん坊」、4話「疑いと写メと救いの手」)

『フォーゼ』:坂本浩一(3話「女・王・選・挙」、4話「変・幻・暗・躍」)※1

『ウィザード』:諸田敏(4話「人形とピアニスト」、5話「決戦のコンクール」)※2

『鎧武』:柴崎貴行(3話「衝撃!ライバルがバナナ変身!?」、4話「誕生!3人目のぶどうライダー!」)

『ドライブ』:柴崎貴行(3話「だれが彼女の笑顔を奪ったのか」、4話「誇り高き追跡者はなにを思うのか」)

『ゴースト』:山口恭平(3話「必中!正義の弓矢!」、4話「驚愕!空の城!」)

『エグゼイド』:坂本浩一(3話「BANしたあいつがやってくる!」、4話「オペレーションの名はDash!」)※3

※1…『フォーゼ』は坂本浩一が1話~4話までを担当。

※2…『ウィザード』は1話~3話までを中澤祥次郎が担当。

※3…『エグゼイド』の坂本浩一担当回は3・4話のみ。

 柴崎貴行ばっかりやね(笑)(因みに、柴崎監督の初ライダー作品は『剣』の超バトルビデオ。何気に『剣』から『ディケイド』まで、6年連続でてれびくん超バトルビデオ(DVD)を撮っているのだ。)(テレビ本編の初担当は『カブト』の43・44話。)
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 そして『ビルド』3話。担当するのは何と、上堀内佳寿也!『ゴースト』の山口恭平のセカンドパイロット版担当も驚いたが、彼の初ライダー作品は『W』超バトルDVD(何気に『W』から『鎧武』まで、5年連続で超バトルDVDを撮っているのだ。)である。カミホリさんの初担当は『ゴースト』の先行PVなので、平成ライダー監督史上最速でセカンドパイロット版を担当した事になる。

 

 ──今回は、田崎さん曰く「一番難しい」第3・4話が上堀内(佳寿也)監督なんですね。『エグゼイド』でローテーション入りされたばかりですから、この布陣は抜擢といえば抜擢な気もするんですが。

大森 そこはもう「できるでしょ!」と。『エグゼイド』をでやってみて、芝居というか感情線を大事に撮る印象が強かったので、そこは『ビルド』向きな気がしたんです。説明が多くなりがちな3・4話ですけど、そこで感情が跳ねないとどうしようもないので。

▲『東映ヒーローMAX 2017 AUTUMN』より、大森敬仁のインタビュー。

 そんなカミホリさんは今回の『ビルド』3話をどう撮ったのか!?
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 なんてーか、派手さが増したねw(まあ田崎監督が地味なんだけど…!)『エグゼイド』40話感想で、カミホリさんは「演出がオーバー」「ハッタリを効かせてる」と書いたけど、『ビルド』でもそれは健在だったね。
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↑このシーンとか「カミホリさんっぽいなぁ~!」とか思ってしまったw

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↑何故か思い出したシーン。実は結構好き。

 まだ序盤と言う事で、沢山のフォームが出てきてない故に、その辺りの見せ方はまだ限られてるけど、今回のゴリラ掃除機フォームのように、「ビルドアップ」と言うアイデアはこれからもどんどん使っていってほしいね(どうやってスーツ着替えてるんだ…?)『エグゼイド』はフォームチェンジが「レベルアップ」だったので、セカンドパイロット版は折角坂本(浩一の方ね)監督が撮ってたのにフォームチェンジラッシュが観れなくて若干残念だったのですよ。自分。まあ要するに、「多彩なフォームチェンジは大好き!」と言う事です(笑)次回も頑張れ。カミホリさん。

 ▼それは必要なのか

 今回も本編内で気になったところが。それは…

万丈「なあ、前から気になってたんだけど、それなんだよ?」

惣一「そいつはな、ベストマッチだ。もう一度言おう。ベストマッチだ。」

万丈「いや、何回言われても分かんねぇし。」

惣一「ボトルには相性があるんだ。例えば、ラビットとタンク。この二本を入れると、相性の良い組み合わせが見つかれば、こうして光る。全組ベストマッチになったらとんでもない事が起こるらしい。けど、これが中々揃わない。」

戦兎「だから、こいつ(ビルドドライバー)が必要なんだよ。これは元々ビルドの変身機能しか無かったのを、俺がベストマッチを探せる検査機にもなるよう改良したんだ。どうよ、俺の発明品。」

▲『ビルド』3話「正義のボーダーライン」より。

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 ならもうそのパネルは必要無いのでは…?

 何で態々、そのパネルを使って実験してたんだ…?ビルドドライバーがあるならそれを使えば良いのに。て言うか「(パネルでベストマッチを探せるが)これが中々揃わない。」→「だから、(ベストマッチ検査機能が付いてる)こいつが必要なんだよ。」って明らかに流れ可笑しくないですかぁ~!?もうそのパネルは御払い箱で良いですやん…!何?それだとパネルが可哀想だから?いやいやいやいや…!…と、ここまで書いてきたが、皆さんお気づきだろうか?ビルドドライバーがある今、パネルは必要無い。これはつまり、

 その設定、必要無いのでは…?

となってしまうのである。ベストマッチの説明をしたかったのなら「このビルドドライバーがあれば、ベストマッチを見つけ出す事が出来るのさ!」で済むんよな…!今後、話に絡んでくるような設定にも見えないし…何だったんだろう?これ。

武藤将吾の「正義」


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 成程、武藤将吾の思う「正義」とは「人を助ける事に見返りを求めない」と言うものなんだな。これについて誰がどう思うのかは知らない。「これぞヒーローの鑑!泣けるわぁ…!」と感動するか、「正義って言葉を軽く使うんじゃねぇ!」と憤怒する者もいるかもしれない。取り敢えず自分が思う事は「ブレずに突っ走って欲しい」と言う事なので、作中ではある程度完成されてる人間(に見える)な戦兎なのでそこは大丈夫そうな気もするけど。

 

ではこれにて。

『仮面ライダービルド』2話「無実のランナウェイ」感想+考察

※以下は、アガサ・クリスティの推理小節『アクロイド殺し』の深刻なネタバレが書かれてるので、「いやだあああああ!!!知りたくない!!!!」と言う人はこのページを閉じてください。…まあ大分有名だけど…!

▼俺は誰も殺してねぇ?

 ミステリー小節の叙述トリックの1つに「実は語り手(又は主人公)が犯人でしたぁ!」と言うのがある。有名なのがアガサ・クリスティ(『オリエント急行殺人事件』『ABC殺人事件』等)の推理小節アクロイド殺し(1926)』。語り手は医師、ジェームズ・シェパードだ。

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↑これはシェパードン。アクロイド殺し』のあらすじは「アクロイドが殺された!」→「犯人を探せ!」と、至ってシンプル。名探偵、エルキュール・ポワロは、語り手のシェパード医師と捜査行動を共にする。様々な容疑者が登場するのだが、捜査の末、ポワロは遂に真犯人に辿り着く。ポワロが「アクロイドと言う男を殺したのは貴様か!!」と指を指したその人物はなんと、語り手であるシェパード医師本人だったのだ。「語り手が真犯人」と言うタブーな種明かしに対し、読者達はフェア派とアンフェア派の二つに分かれ、争ったと言う。
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 なんでこんな話をしたかと言うと、パンドラボックスを起動させたのは主人公たる戦兎ではないか?」と言う予想が多かったから。『アクロイド殺し』のシェパード医師は記憶喪失では無かったが、「ほんとは主人公が犯人だけど、その主人公の記憶はありませんでしたぁ!」なんて展開も今となってはありがちよね。『デスノート』で主人公がノートの所有権を棄てる事でノートを関する記憶を失い、再度ノートに触れるとその記憶が甦って「計画通り(ニタァ)」てなるような感じですよ(?)戦兎はスマッシュの人体実験の「モルモットだァッ!」だった事で過去の記憶が無い(「二十何年間の記憶」って事は戦兎は生い立ちからの記憶が無い?今までスマッシュにされてきた人間達もそうなのかな?もしかして万丈が「全てを話せ」と言われて生い立ちから話始める事が出来たのは何かの伏線?)まぁ、上記の通り、「実は主人公が犯人」と言うのは割とベタな流れだが、果たしてどうなるか?
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 「人体実験を施されると当人の記憶は失われる」と言う設定から「実は万丈も記憶が無いだけでほんとは殺人を犯してる?」なんて予想もしたのだが、二話でその説は没に。本当に仕組まれた事案だったのね。二話にして早くも万丈の恋人、香澄の存在が判明したと思ったら即座に死亡とは…!「セカイデイチバンノカクトウカニナッテ…セカイデイチバンノカクトウカニナッテ…」(デジャビュ)次回からは一話にも登場したスキンヘッドの監守、ナベシマと言う男がキーパーソンになりそうね。

▼二話の感想

 「全部のテンポが速い!」と言うのが二話の第一印象且つ悪印象。や、幾らなんでも要所要所を端折り過ぎじゃあないか…?井上ワープじゃあないんだからw だって…
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戦兎「ゴリラモンドでガーディアン撃破!やったぜ!」
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戦兎「で、さっき言ってた女って何なん?」

だもんなぁ…!展開が速いのは良いが、二話は幾らなんでも詰め込み過ぎでは無かっただろうか…?『ゴースト』や『エグゼイド』でも突っ込んだ「描写不足」を、果たして『ビルド』は克服出来るのか…!それと、『ビルド』が始まる前からずっと言ってるけど、良い加減、東映は各作品の本編の円盤に「未放映カット集」もしくは「ディレクターズカット版」を収録してください。

 あと、描写不足と言えば、今回、結構不可解なシーンが多かった気がする。例えば、
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このシーン。美空の能力はスマッシュから採取した成分が入ったボトルを浄化してビルドのパワーアップアイテムに変化させる、と言ったものの筈だけど、万丈に煽られてレンジ(?)に入れたボトルは(恐らく)只のブランクボトルだったんよな(「エンプティボトル」って言うのね)。只、向になって適当に取り出したボトルでやったとか?んん~…?
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 あと、戦兎がナイトローグに立ち向かう時、なんでベストマッチじゃないハリネズミタンクフォームで挑んだんだろう?確実に倒したいんだったら先ほど判明したパワーバカのゴリラモンドを使っても良かった訳で。ナイトローグにも「闇雲に選んだボトルで私に勝てると思うな。」なんて言われてたし。情報を聞き出したかったから敢えてベストマッチじゃない組み合わせで戦ったとか?んん~…?

 ん~…なんか二話にして一気に不安要素が増した気がする…!ノリで押し切るのも良いけど、矛盾やハテナが少ないのは間違いなく作品の長所に成り得るので、なるだけそこはしっかりして戴きたいところであります。

▼製作発表から何となくそんな気はしてたけど、
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 この人、全く話に絡んできませんねぇ…!

 (「東都政府首相補佐官兼東都先端物質学研究所所長」って、漢字多スギィ!!)

 

ではこれにて。