レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダーエグゼイド』27話「勝者に捧ぐlove&peace!」感想+考察

▼本音で語ろうや

 『ときめきクライシス』登場以降、恋愛ゲーム要素強めの『エグゼイド』。今回は大我とニコのコンビに焦点が当てられた。なんか飛彩は少女漫画に於ける恋に悩める主人公のサポートポジって感じね(笑)自分の推しが飛彩なのも多少はあるだろうけど、今回は大我先生夢女子が言われたい台詞も勿論だけどそれよりも飛彩と大我の掛け合いの方にグッと来た。
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飛彩「彼女のゲーム病は此方で治療する。」

大我「無駄だ!治したって、アイツがまた『仮面ライダークロニクル』をプレイすれば、再発するだけだ。」

飛彩「何故彼女をちゃんと見てなかった?

大我「お前には関係無ぇだろ…。」

飛彩「愛想を尽かされて当然だな。彼女の意思を蔑ろにして、本音で向き合おうとしない。そんな態度では…。

大我「五月蝿ぇ…。」

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 飛彩は過去に自身の彼女・早姫にしてやれなかった事と今回の大我とを照らし合わせて、彼を叱責する。この台詞は飛彩が言うと少しクるものがあるね。こう言う設定って話が進んでいくにつれて視聴者が段々と忘れていきそうなやつなんだけど、飛彩の過去の場合、ちょこちょこその話を本編に確り入れ込んでくるから「そんな設定もあったな。」なんて言う人少ないんじゃない?グラファイトも復活したし、今後もまたこの過去に関わる何かが起きそうね。どうでもいいけど飛彩関連の何かがある時に流れる「テレレレレレン♪テテテテンテン♪」ってBGMが凄い好きです。良い…良くない?
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 このシーンのブレイブの情けない声から如何に彼が女性に慣れていないか(早姫との付き合いが薄かったか)が見えてきて心が痛い。

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 ていうか上の「彼氏がゲームオーバーになって~」の件(くだり)もそうだけど、今回、飛彩のトラウマをかなり抉ってきてたな!?何と言うか、今週は飛彩に対して鬼畜な回だったね。

そして…

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大我「別に好かれたくて戦ってる訳じゃない。人には其々未来がある。だから、失うものがない俺だけが戦えば良い、どんなに苦しくても、誰に恨まれようとも、俺だけなら、って。けどお前は、免許の無いこんな俺を主治医だと言ってくれた。嬉しかった。ゲームが出来なきゃストレスだってならもう止めはしねぇよ。但し、俺の傍から離れるな。(中略)お前は俺の患者だ。何度ゲーム病になろうが、この俺が直してやる。」

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 テレビの前には貴方を主治医と言う女子が相当数おりますぞ!

 遂に本音をニコにぶつけた大我。今まで一人きりだった大我には、ニコと言う存在は掛け替えのない(失いたくない)大切な存在。26話で大我が「『仮面ライダークロニクル』は俺が攻略する。」と言っていたのに対し、今回は「『仮面ライダークロニクル』は俺"達"が攻略する。」と言ったのが感涙ポイントだね。最近、俺"達"と言う言葉をよく使うようになって、大我にも仲間意識が戻ってきたのかな、と思うと感慨深いものがある。キメワザ、バンバンクリティカルファイヤーの時のカットでスナイプとニコを映していたのも良かったね。どうでもいいけど大我の格好いい台詞の時に流れたBGM、通称(?)「貴利矢が死ぬときのBGM」も好きです。
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 うぅ…、『裏技 仮面ライダースナイプ エピソードZERO』が観たいぃ…!『アラン英雄伝』も大概だったけど、今年のも凄ェ観た過ぎて泣いてる。そういや、遂にTTFC(東映特撮ファンクラブ)に加入したので、暇が出来たら『仮面ライダーブレイブ』の感想も書きたいと思っています。『仮面ライダーゲンム』は近々観るので、観たら『ゲンム』感想記事に追記しておきます。

 

ではこれにて。
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『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode2「ORPHANS」感想+考察

▼ORPHANS=AMAZONS

 「ORPHAN」「孤児」を意味する単語である。『season2』の新メインキャラクターたる千翼とイユはどちらも親がおらず、二人共4Cの施設で育ったのか。…育ったという表現は千翼は兎も角、イユは間違いか。イユは要するに『season1』でいうアマゾンシグマのそれと同じ技術で復活したのね。そしてその後、4Cの戦力となったと。前原君に駆除班にいた頃の記憶が残っていたように、イユも一応、生前の記憶は残っている模様。千翼を切っ掛けに記憶を交えながら徐々に様々な感情を取り戻していく流れになるのかな。…まあその記憶は壮絶なものだったけど。

 チームXの一人がアマゾン化。てっきり長瀬君以外の二人は今回で死ぬと思っていただけに一人が生き残ったのが意外だった。次回で死にそうだけど。なんか愛嬌のあるチームだったよね。クソガキクソガキ言われるけどなんやかんや自分は好きでした。終盤まで残ってて欲しかったな。

 で、人をアマゾン化させる水、「アロマオゾン」はちょっと「アマゾン」と似てる。狙ったのか偶然なのか。何にせよ、『season1』では4000匹だったアマゾンが今は万単位と来たもんだ…!またトラロックのようなアマゾン大量駆除兵器とか出てきそうね。

 なんか『アマゾンズ』の感想だけ適当ですんません…!近々、『エグゼイド』や他の様々な作品も交えて記事を書くつもりなので、楽しみに御待ちして頂けると幸いです。今月中に書けるかどうかは微妙ですしそもそもあくまで"予定"なので書くかどうかすら微妙です(ヲイ)

 最後に2話のネタバレ画像貼っときます。
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ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』26話「生存を懸けたprayers」感想+考察

▼頑張って!仮面ライダー

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 こんな感じの展開…、あると思います!!

 ゼロデイや消滅についてが遂に本格的に世間に公表された。13話冒頭の日向審議官の会見でエグゼイドとブレイブの姿を一般人に見せ、仮面ライダーの存在を公表していたが、此処から市民達の仮面ライダーへの見方が変わってくるのかな(ていうかライドプレイヤーは仮面ライダーが何なのかを知っていて攻撃したのかよ…!)テンマを始め、最初は人々に信用されていなかった仮面ライダーが終盤では敵に苦戦してピンチな仮面ライダーを応援する市民達の声で復活&パワーアップ!みたいな展開ももしかすればあるのかも知れない。

▼私、『ドレミファビート』のバグスターなの!

 これに関して永夢達はポッピー誕生の経緯(『ドレミファビート』のゲーム病感染者)については何も考えなかったのかな?地味に此処は自分の中で引っ掛かってる部分の一つ。視聴者の大半は引っ掛かってただろうけど。彼女以外に(真に)善良なバグスターとして『ジュージューバーガー』のバガモンがいたが、結局、それも小星作に"感染"していたウイルスである。まあ『ジュージューバーガー』の場合、クリア条件が「バガモンを笑顔にする事」だったが故に作のゲーム病を治してもバガモンは消えなかったが(よくよく聞くとよう解らん理論だがな…!)『ドレミファビート』は音ゲー故、ポッピーが「敵キャラ」と言うのもちょっと可笑しな話にもなりそうだったから「別に感染者は消えてないのかな」みたいな感じでスルーされてたのかな?まあポッピーがバグスターと判明したのは12話(バガモン登場前)だが。
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 ライダーガシャットの少し戴けない点は其々のゲームがどういうゲームかが今一解らない所。何となくの説明は入るものの(『マイティアクションX』なら主人公のマイティはお菓子を食べるとパワーアップする等)それがあっさりとし過ぎて「それだけ?」となっちゃうのが若干嫌な感じ。『ドレミファビート』なんか「音楽に乗せてリズムを刻むゲーム」と言う音ゲーの当たり前のルールしか言われなかったからな…!いや、一々細かいゲームシステムとか説明してたら話が進まなくなるし、「音ゲー」と言う言葉をチビッ子達が知っているとは限らないからこう言う説明でも駄目ではないんだけれど、例えばフルコンボすれば敵キャラのポッピーピポパポを倒せてゲームクリア出来る」ぐらいの解説もあれば良かったのかな、と思わなくもない。ポッピーは敵キャラなのか単なるナビゲーターなのかゲーム内のアイドルなのか、『ドレミファビート』内での彼女の役割が解らないのが難点と思われる。ゲームに登場するキャラクターと言うのは、決して「主人公」と「敵キャラ」だけではないのだ。
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 そんなポッピーは今回、仮面ライダーポッピーへと変身。『仮面ライダークロニクル』のナビゲーターと共に審判も担当している模様。キュートな声や仕草でチェーンソーを振り回すポッピーは恐ろしいね。ポッピーは黎斗がCRに送り込んだ刺客だったのか。しかし、ポッピーはその記憶(セーブデータ)が無かったからCRではゲンム側のバグスターとは無縁の存在でいられたと。『エグゼイド評』にて「本当は悪者でした!」オチはやめてほしいと書いたけれど、成程、ポッピーにはその自覚が無かったのか。黎斗の策士なやり口に永夢達も視聴者も騙されていた訳だね。貴利矢よろしく、黎斗も死んでも尚、存在感を魅せてくるね…!

▼あんたらが作っておいてからに

大我 「こんなふざけたゲームに何の意味があるんだ。」

パラド「全部、お前達人間が望んだことだろ。娯楽の為にゲームが生まれて、人間のストレス発散の為に、敵キャラと言う存在が生まれた。つまり、バグスターが人間の命を脅かすのは、お前達、人間がそうさせたからだ。でも俺達は、人間共の駒なんかじゃない。バグスターだってこの世界に生まれた命だ。これは御互いの生存を懸けたゲームなんだよ。」

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 人間によって生まれ、人間に倒される事を定められたキャラクター達。それが敵キャラたるバグスターの悲しい運命(さだめ)。「人工生命体」と言う怪人の設定はありがちのようで実は初出は『ドライブ』のロイミュードからであり、割と最近考案されたもの。先日、season2が始まった『アマゾンズ』のアマゾンもまた人工生命体だが、例え人間がそれらを作ったとしても、それらが一度(ひとたび)人類に被害を及ぼせば人間達は何の躊躇も無く、地球上からそれらの除去を試みるのだ。仮面ライダー』では「親殺し」がよく描かれるが、『エグゼイド』『アマゾンズ』『ドライブ』はそれを怪人が行っているのだ。そりゃあ自分達を殺そうとする者が現れたらそれに対抗するのは当然だよね。果たして『エグゼイド』はそこにどんな答えを提示するかな。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode1「NEO」感想+考察

 『アマゾンズ』の感想もやろうかな。全話書くかどうかは分からない。「TV放送待ってるから!」って人は見ない方が良いかも知れないし別に見ても良いかも知れない。何にせよ、ネタバレは満載です。それではどうぞ。

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▼巨匠!生きとったんかワレェ!!

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 『クウガ』から必ず1話は平成ライダー作品に参加していた巨匠こと石田秀範監督だが、『ゴースト』以降、ニチアサにその姿を見せていなかった。

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 まあ『ゴースト』関連では巨匠はこんなのとかは撮ってるんだけどね。巨匠がニチアサ関連で一番最後に撮ったのは確か『マッハ/ハート』かな?兎に角、これらはあくまで円盤やネットムービーなので、日曜朝8時半に彼の撮る映像は暫く拝めていない。『エグゼイド』なんかまだ全く撮ってないしね。要するに、現在の巨匠はニチアサ以外での仕事が多いのだ。その一つが『アマゾンズ』である。『season1』に続き、『season2』もパイロットを勤めているけど、
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 出た~!巨匠特有の謎空間~!w 巨匠のWikipedia「非常にエキセントリックで独創的な演出(極端に画面の色を変えたり、それまで流れていたBGMやSEが突然消えたり、シリアスな話の最中に登場人物の頭上へ突如スポットライトが降りてきたり、等)を好んで行う事で知られる。」って書いてあって不覚にも笑ってしまった。巨匠の撮り方の不思議さは今も健在で謎の一安心。
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↑地味に好きな巨匠空間

 でもって、上の画像(『アマゾンズ』の方ね)についてだけど、後ろから千翼を抱き締めていた謎の女性、あの人だよなぁ…?既に色んな所で言われてるけど、千翼の両親はあの二人でほぼほぼ確定かな。仁さん、「『season2』は出ない」って言われてたのに結局出てきたね。白倉Pが予定をねじ曲げたのか、本当に靖子にゃんが酔った勢いで言っただけなのか、何れにせよ、仁さんが出なかったら『season2』はファンからボコボコに叩かれてただろうし、まだまだ本編で料理出来るキャラではあったから良かったのかもね。
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 チームX(キス)は思ったより結構良い人の集まりだったね。まあ次回で早くも崩壊しそうだけど。『season1』の2話でも駆除班から二人が退場している。一人(大滝)が実はアマゾンでもう一人(前原)を食らい、その後、アマゾンオメガに自身もやられる、と言う流れだったけど、チームXのそれも似た流れになりそうね(チームの一人が感染?)偶然なのか意図的なのか。以外と好感が持てた集団だっただけに早めの退場は若干残念。長瀬君は割と長く生き残りそうだけど。

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 取り敢えず、今回の1話は説明会か。次回から本番を出してくるのかな。まだ色々良く解らん、って感じだけどそう言う作り方に出来たのは『season1』が多くの視聴者から評価されてる上、更に配信番組だからこそなんだろうね。『season1』では幾つかの謎を残しつつ、確りと『season2』にも旧キャラを出演させる事を公表している(でもって次回予告には遥を出している)から、視聴者が1話で面白いと感じようが今一と感じようが、先ずは2話までは大半のファンが視聴するように制作側が仕込んでるのが悔しくも上手い所。

 まあ次回が楽しみになるような終わり方はしたんじゃないかな。約1年待った『アマゾンズ season2』白倉Pは「こんなに面白くなるとは思わなかった」なんて言ってたけど(ほんとこの人は自分からハードルを上げていくな…!)果たしてどのくらい面白くなっているのか、観ていくとしますか。

ちょっと短いけど今日はここまで。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』25話「New game起動!」感想+考察

▼"君も変身出来る!"系ライダー作品

▼例えば『ゴースト』

 「人間の可能性は無限大だ!」幾度その言葉を耳にしたことか。実はこの「人間の無限の可能性」というワードは序盤である2話から既に使われており、これほどか、と言うまでに『ゴースト』はこの教訓を推してきていた(ムゲン魂登場からそれが増えてきたが)そして、タケルは49話にて、それを体現する事となる。
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一同「タケル(君(殿))は、俺(僕(私(拙僧)))にとって、"英雄"だ(です(よ))!!」

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 タケルは自身が憧れた命を燃やし続けた偉人達のような"英雄"になった。と言うより「誰かにとっての"英雄"」かな。タケルにとっての"英雄"が父親である天空寺龍であるように、タケルはアカリや御成、マコトやアランといった仲間達にとっての"英雄"になったのだ。ここで『ゴースト』が視聴者(子供達)に伝えたメッセージは「誰もが"英雄"になれる」という事だ。タケルは所謂その辺の兄ちゃん系の主人公だが、そんなタケルが他人の為に戦い、仲間達に"英雄"と認められるシーンは「どんな人でも"英雄"になれる」と言うメッセージに説得力を乗せる事が出来る。「君も"英雄"に変身出来る!」そしてそんな『ゴースト』の最終回はまさかのまさかで第3の壁を通り越して視聴者(子供達)にメッセージを送るのだ。
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タケル「未来はどうなるか決まっていない。思いが未来を作る。だから、今度は君だ!君の思いを未来へ繋げ!

 タケルは自身が一年間(劇中では半年)でやり遂げた事を「今度は視聴者(子供達)の番だ。君たちにも出来る!」と伝え、幕を閉じる。つまり、「人間の無限の可能性を信じろ!」ってことさね。『ゴースト』は何と言うか視聴者向けの作品だったね。いや、視聴者に向けない番組って何?って感じだけどね。自分の語彙力を許してくれ…!

▼例えば、『響鬼

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 「そっちかよ!?」って思った?w『響鬼』は超(ハイパー)バトルDVD『明日夢変身!君も鬼になれる』で「鍛えれば(8つの鬼の心得を学べば)君も鬼になれる!」と言う話をやったことがある。それを習得した時、明日夢は鬼(響鬼)に変身するのだ。懐かしいね。こんなのもあったなぁ。

▼"お前は変身するな"系ライダー作品

▼例えば、『ウィザード』

 仮面ライダーウィザード/操真晴人は魔法使いである。『ウィザード』2、3話「魔法使いになりたい」「変身!生中継」のゲートはチンプイこと奈良瞬平。彼は小さい頃、魔法使いになる事が夢で、大人になり、それを諦めていた頃、自分を襲ってくるファントムから助けてくれる魔法使いが現れ、魔法使いは本当に存在すると確信し、瞬平は晴人に弟子入りを志願するも晴人はそれを断る。「魔法使いは俺一人で十分だ。」と。
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瞬平「僕、小さい時に、魔法使いになるのが夢だったんです。」

晴人「夢?」

瞬平「はい。大好きだった絵本に出てくる魔法使いが、「チチンプイプイ!」って唱えると、色んな魔法が使えちゃうんです。それ見て僕、ずーっと憧れていたんです。魔法で皆を助けられたら絶対に楽しいって。大きくなって、そんなの無理だって、魔法なんて無いんだって思って諦めてたんですけど、でも今日解ったんです!やっぱり魔法はあったんだ、魔法使いはいたんだって!だから!」

晴人「別に楽しいだけじゃないさ。魔法使いなんて俺一人で十分だ。

瞬平「え?」

晴人「話だけは聞いた。夢は夢のままにしときな。」

 一方その頃、大門凛子は晴人を尋ねるべく面影堂を訪れていた。しかしファントム退治に出掛けており、晴人はいなかった。この頃のコヨミはまだ凛子に心を開いていない為、警戒した様子である。凛子はふと、「魔法使いだったら良かったのに」と口にし、コヨミは怒りを見せる。
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凛子 「今日、彼は?」

コヨミ「いない。」

凛子 「またファントム退治?」

コヨミ「そうだけど。」

凛子 「そっかぁ…。何だか羨ましい。あ~あ、私も魔法使いだったら良かったのに。」

コヨミ「それ、晴人の前で言わないでね。

(中略)

コヨミ「私と晴人はゲートだったの。何者かに誘拐された私たちは半年前、あの日蝕の日、ファントムを生み出す為の儀式に使われたの。沢山の人々が強制的に絶望されられて、ファントムを生み出して死んだの。でも、晴人だけは自分のファントムを体の中に押さえ込むことが出来た。生き残ったのは、私と晴人だけ。私は記憶を失い、晴人は魔法使いになった。人々がファントムの犠牲になるのを二度と見たくないから、晴人は自分の命を懸けて戦う事を決めたの。だから、魔法使いだったら良かったなんて簡単に言わないで!

▼例えば、『龍騎

 秋山蓮/仮面ライダーナイトは自分が変身する所を子供に目撃されてしまい、子供(伊藤拓也)はそれに惚れ込み、「俺も仮面ライダー(ヒーロー)になりたい!」と、蓮に着いていく、と言う展開のお話がある。27話「13号ライダー」だね。
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拓也「ていうか、あんたほんとにライダー?」

信司「まあね。」

拓也「証拠は?」

信司「ん?証拠?ほれ。」

(カードデッキを見せる信司)

信司「ふふん。」

拓也「なんか弱そう。まあいいや、どうやってライダーになれるか、教えてよ。」

信司「子供には無理だよ。」

拓也「やってみなきゃ解んないじゃん!」

信司「なんでライダーになりたいんだよ?」

拓也「モンスターと戦うんだろ?格好いいじゃん!俺、アクションゲーム得意なんだ。」

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 蓮はそんな拓也の目の前(ミラーワールドだけど)で自分が怪人(ミラーモンスター)と戦う姿を見せる。しかし、ナイトはそのミラーモンスターに苦戦してしまう。…と言うのは演技で、実際はわざとやられることで、拓也に「別に仮面ライダーはかっこよくもなんともない」と言う事を見せていたのだ。「ほ~らよく見ろ、ライダーなんてちっともかっこよくなんかないだろ?」と信司に言われ、少し不満げな拓也。すると…
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 そこにゾルダや王蛇といった他の仮面ライダーも参戦し、戦いは次第にエスカレートしていく。そして、それを見ている拓也はその光景に怖れを示すのだ。仮面ライダーとは、戦いとは、決して格好いいだけの存在ではないのだ。
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拓也「なんだよこれ…。」

(逃げようとする拓也を止める信司)

信司「見ろ。これが、これがライダーの戦いなんだ。面白くなんかない。痛くて、苦しくて、それでもゲームみたいにスイッチを切れない。ずっと戦うしかないんだ。

吾郎「俺…、先生が戦ってるところ…、初めて見ました…。うぅ…。」

拓也「俺…。」

信司「デッキ、返してくれるかな。俺も行かなきゃ。」

(デッキを返す拓也)

信司「お前は、絶体誰とも戦ったりすんなよ。」

拓也「ごめんなさい!」

(走り去っていく拓也)

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 「悪いやつと戦い、皆を救う正義のヒーロー」、それに憧れる子供達の心を裏切ったのが『龍騎』27話である。仮面ライダー達は、仮面ライダーに変身する人間達は、自分の命を懸けて、同じ人間と戦っているのだ。そこに拓也は恐怖を示し、吾郎はそんな戦いに自身の慕う先生が参しているのを目の当たりにし、涙を流す。戦うと言う事は恐ろしい事なのだ。

 つまり、これらの作品は子供達の夢である「ヒーローになって戦いたい」と言う夢を否定したのだ。
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 そして『エグゼイド』もそんなライダー作品の一つである。16話「打倒Mのparadox」では天才ゲーマーたる永夢をぶっ倒し、黒歴史を塗り替える為に、ニコは大我のゲーマドライバーとガシャットを使って仮面ライダーに変身しようと目論む。しかし、それに憤怒する大我はニコを叱責する。「このゲームは遊びではない。」と。
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ニコ「ねぇ、どうやったらゲーマドライバーで変身出来るようになるの?」

大我「あ?」

ニコ「私、仮面ライダーになって、永夢をぶっ倒したい!

大我「変身だと?自分が何言ってるのか解ってんのか!」

(ニコからゲーマドライバーを取り返す大我)

大我「そんな馬鹿な事考えてるからゲーム病になったんだろうが!これは只のゲームじゃない。俺たちは遊びでやってるんじゃねぇんだよ!俺もアイツも、一つしかない命張って必至に戦ってんだ。変身したいなんて二度と口にするな。

 『エグゼイド』の大我は『龍騎』と『ウィザード』の境遇を足して2で割ったような感じのキャラクターだね。『龍騎』のような命懸けのゲームをするのは自分一人だけで良い。それで『ウィザード』のファントム生成のように他人が傷つくなら。
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 New game仮面ライダークロニクル』は一般人が仮面ライダーに変身し、現実の世界でモンスターと戦う命懸けのサバイバルゲーム。箱にはCERO A」と対象年齢が書いてあるのが地味に芸コマ(ゲームオーバーになれば死ぬゲームが全年齢対象ってお前…!)仮面ライダークロニクル』にはこれまでに登場した10種類のゲームの其々のボスキャラが参戦している。成程、任天堂のオールスター大戦ゲームが大乱闘スマッシュブラザーズなら仮面ライダークロニクル』は幻夢コーポレーションから発売されたゲームのオールスター大戦ゲームなのか。ライドプレイヤー(一般人)が『マイティアクションX』のボスキャラであるソルティを認知していたシーンは『エグゼイド』世界では幻夢コーポレーションのゲームが世の中に浸透していると言う設定を再提示している。要は『スーパーマリオブラザーズ』に於けるボスキャラのクッパを誰もが知っているのと同じである。

 そして、今回から新しくなったop映像からも確認出来るが、全ての人間が仮面ライダーに変身出来ると言う事は即ち、
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 そう、ニコも仮面ライダーに変身出来る(出来てしまう)と言う事だ。これは中々ショッキングな展開だね。視聴者にとっても、大我にとっても。常に大我は仮面ライダーは俺一人で十分だ。」と言ってきたのに、始動したゲームは全人類が仮面ライダーに変身してしまうゲームと言うのだからかなり辛い。大我はこのゲームに、そしてニコが変身する展開にどう向き合っていくか、ここが『エグゼイド』のキーになってくる気がする。

▼人間>バグスター or バグスター>人間

パラド「どうだ永夢、こんなエキサイティングなゲーム、他に無いだろ?」

永夢 「酷い…。なんでこんな事を…。」

パラド「許せないんだよ。この世界で一番偉いと思い込んでいる人間共がな。

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 成程、何処と無く『アマゾンズ』的サムシングを感じるね。現状、この世界で一番上のカーストに立っている生物は人間で、それらに反逆を起こそう、と言うのがパラドの思惑。バグスターとはゲームキャラで、パラド達は敵キャラとしてゲーム内の主人公に倒される為に作られた存在。故にそれが許せないパラドは自分達が攻略される側だったのに対し、今度はバグスターが人間を攻略する(し返す)べく、黎斗から『仮面ライダークロニクル』を奪った、と。『アマゾンズ』のアマゾン達は人間によって作られたが、その者共が人間を襲えば自分達を作った人間に駆除される、と言う境遇だけど、『エグゼイド』のバグスター達もそれと似た何かを感じる。要するにあれか。「なんでアマゾンは人間喰っちゃいけないの?」と言うようにバグスターとしては「なんで人間殺しちゃいけないの?」みたいな感じなのかな。何故なら、それまでの人間達は常に自分達よりもカーストが低い生き物達を殺してきたから。パラド的には子供が蟻を踏み潰して喜んでるのと同じ様な感覚なんだろうね。このシーンは地味に人間の残虐さも暗に見せていたのか。

 さて、第3章「仮面ライダークロニクル編」に突入し、益々ダークな雰囲気を魅せてきた『エグゼイド』。ゲームを使って人類を滅亡させるのがバグスター側の計画なら、例えばプレイヤー消滅の目撃情報を流通したり、最近のエグゼイドならリプログラミングと言うチートが使えるので割と色んな形で対処出来そう感じなんだけど、このゲームをどうやって食い止めるか、楽しみにするとしますか。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』24話「大志を抱いてgo together!」感想+考察(+『キュウレンジャー』7話 感想)

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▼今回の春休みコラボは!
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スペースイカデビルが襲ってきて、
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エグゼイドとシシレッドが協力プレイでスペースイカデビルを撃破し、
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その後、バランスの誕生日用の蝋燭を探しにラッキーが地球に行くと…
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よっしゃラッキー!

 うん、実に綺麗な流れだね。まあシシレッドが『エグゼイド』の世界に来ちゃう時点で『キュウレンジャー』の設定ブレイクにはなってしまうのだけれど、繋げ方としては良かったんじゃないかな。でも毛利大明神の手腕の賜物か、『エグゼイド』よりも『キュウレンジャー』の方がエグゼイドとのコラボのさせ方は一枚上手だったね。
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 「ショウ・ロンポーは何故、エグゼイドキュータマを持っていたのか」という謎こそあるが(←考えたら負けかな?それでもたまたまって…!)エグゼイドは『エグゼイド』本編のキャラクターを客演しつつも、立ち位置を召喚キャラにした事で設定の矛盾を無くしているのが上手い所。やっぱり毛利さんはコラボが上手だね。毛利さんはコラボ回書くとき、「コラボ対象への配慮を怠らない」のが拘りだそうで、今回もその拘りが全面に出ていた。『鎧武』から始まった春休みコラボだが、何気に毛利さんは『ニンニンVSドライブ』以外は全て、何かしらの形でそれに関わっている。
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 ここまで『キュウレンジャー』で上手くやってくれたんだから『エグゼイド』ももう少し頑張って欲しかった感はあるけどまあ難しいのは解る。いきなり「シシレッドガシャット」とか出されても困るし。取り敢えず自分は妥協と言うか目を瞑ろうと思います。
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 また新たなパワーワードが生まれてしまった…!

▼究(9)極の救(9)世主・レベル99
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 レベル99が登場したタイミングでシシレッドを出したのは9繋がりだからかな?まあ協力プレイしたのはレベルXX(X)だったけど。にしてもリプログラミングは相当なチート能力だな…!なんかもうレベル99(MAX)だから敵無しとかそう言う次元じゃあないよね。貴利矢もとんでもないモンを思い付いたもんだ…。

 マキシマムマイティXガシャットはそんな貴利矢の残したリプログラミングのデータが入っていると言う事で、このシーンは永夢(エグゼイド)と貴利矢(レーザー)が初めての共闘で倒したモータスバグスターをもう一度、間接的に共闘して圧倒している所が感涙ポイント。「なんでまたモータス?」と、最初は思ったけどそう言う事だったのか。まあそれなら「追いかけるときもレーザーに乗れよ」って思ったけどな!ほんと、なんで爆走バイク全然使ってくれないんだろう…。絶対、走ってきてヘトヘトな永夢の変身で笑いをとるよりも、レーザーに乗ってかっこよく現れた永夢がマックス大変身!の方が良かったと思うんだ…!
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 因みに撮っているのはどちらも山口監督です。

▼戦わなければ生き残れない!

 以前、自分は『エグゼイド評』の記事にこんな事を書いた。

http://kro12218116h.hatenablog.com/entry/2017/02/14/002827

 元社長が作っている究極のゲーム「仮面ライダークロニクル」は要するに大規模ライダーバトルか。「戦わなければ生き残れない!」って世界になっちゃうのね。これはガシャット寄越せおじさんが絶望しちゃいますわぁ…!

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 結局、戦っても生き残れねーんじゃねーか!!!!

 遂にnew game仮面ライダークロニクル』が始動する。東映公式によると、レアアイテムゲットの為に一般人が変身したライダー達(ライドプレイヤーと言うのかしら?)がエグゼイドに勝負を挑むとの事。またエグい展開を持ってきたな…!貴利矢(レーザー)、黎斗(ゲンム)と、二度も人(ライダー)の死(ゲームオーバー)を永夢の目の前で見せたと言うのにまだやるのか…!『エグゼイド』は主人公にとっても厳しい世界観よね。井上敏樹ライダーじゃあないんだから。

音ゲーは楽しいな!
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 ドレミファビート関連の何かが起こる時に発生する特有のステージ。何気にここが使われる回は全て山口監督が撮っている。もしかすると山口監督は音ゲーマーなのかも知れない(なんじゃそりゃ)

 ポッピーが歌っていた歌のタイトルは 「PEOPLE GAME」と言うらしく。ピーポー(people)はポッピーピポパポっぽい発音なのと同時にドクター要素として救急車のサイレン(ピーポーピーポー♪)と掛けているのが上手い。でもってこのタイトルを日本語に訳すと人々のゲームとなる。つまり、一般人が参加者として争う『仮面ライダークロニクル』を表していると言う事で、このネーミングは実に秀逸。『エグゼイド』のサブタイ宜しく、また凄いタイトルを作ったなぁ高橋さん…!(『PEOPLE GAME』の作詞者は『エグゼイド』メインライター・高橋悠也さん!)本編も全部書いてるのに作詩までこなす高橋氏は特撮回で稀に見るバケモンな脚本家だな…!その内、本編にも顔出しとかしそうだね。
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 一年間本編を書ききった脚本家は最終回に出演すると言うルールがあるからな!(ない)

 

ではこれにて。

 

『仮面ライダー×スーパー戦隊 超スーパーヒーロー大戦』感想+考察

白倉伸一郎の"ゴリ押し"

 以下、『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より、白倉伸一郎の談より抜粋。

――平成ライダーは毎年どんどん新しいことをやっていくのが特徴ですが、ここに来て過去コンテンツを有効活用できるようになったのは大発明でしたね。

白倉 たとえば、『龍騎』と『響鬼』と『電王』をひとつのテーブルに乗せて、「平成ライダーとは要するにこうだ!」みたいなくくり方は無理なんですよ(笑)。そうなると逆に「一つの世界観が違うのが平成ライダー」ということを見せるしかないわけで。その手段としては、ちょうどカードが適していたんです。カードって手元に並べられるじゃないですか。そして各々のキャラクターの違いは、「世界観が違うから」ということを一目でわかるようにする。そうやって平成ライダーの"カタログ化"を、カードゲーム(注:ガンバライド)が立ち上がってくるのを利用して番組化したのが『ディケイド』です。「なんでそんなことやったの?」と言われたら「10周年だからです!」って言い切っちゃおうと(笑)

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 先駆けに『龍騎』のハイパーバトルビデオや『電キバ』なんかもあったりするが、本格的に「仮面ライダーのクロスオーバー」を確立化させたのは仮面ライダーディケイドだ。チーフP・白倉伸一郎はそれまでの平成ライダー9作品を"カタログ化"させ、平成ライダーとはこう言うもんだ!」と言うことを伝える為に作ったのが『ディケイド』と言う(今回、スーパーヒーロー達をカードにしたのはそれが理由…なんて事はないか)…でもこれ、結構な力業よね(笑)まるで「異論は認めん!」と言っているような。となると、これをこれまでの春の大戦映画に当てると…

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ファン「何でこんな映画作ったの?

白倉P「仮面ライダー40周年、スーパー戦隊35周年記念だからです!異論は認めん!」
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ファン「何でこんな映画作ったの?」

白倉P「宇宙刑事も特撮ファンの語り種だからです!異論は認めん!」
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ファン「何でこんな映画作ったの?」

白倉P「平成ライダー昭和ライダーが15人ずつになったからです!異論は認めん!」
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ファン「何でこんな映画作ったの?」

白倉P「『仮面ライダー3号』というライダーが昭和の当時の原案にあったからです!異論は認めん!」

みたいな感じになってくる(ちょっと強引だけど…!)そして今回の『超スーパーヒーロー大戦(以下、『超大戦』)』は…
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ファン「何でこんな映画作ったの?」

白倉P「超スーパーヒーローイヤーだからです!異論は認めん!」

ってことになるのかな?(笑)『仮面ライダー』も『スーパー戦隊』も個性の塊である。それを如何に繋げられるかが勝負の一つなのだが、これを白倉伸一郎は圧倒的力業でゴリ押したのだ。それ故かは知らないが、これまでの大戦映画は軒並評判が悪い。にも関わらず大戦映画が続いてく理由はもしかすると仮面ライダースーパー戦隊を"スーパーヒーロー"という括りにカタログ化したくてやっているのかも知れない。…いや、只売れるからってだけかも知れないけどね?(笑)そんな大戦映画の最新作となる今作品、『超大戦』はどうだったか?
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 今作は『仮面ライダーゲンム』でも登場したゲーム『ゼビウス』に登場する敵機が地球を襲ってくるところから物語が始まる(ていうかソウルでゲームやってたアイツって…!)地球のピンチにキュウレンジャーが立ち向かう、と言う流れだが、お気づきだろうか?ここの時点で"『キュウレンジャー』世界では地球が既に侵略されている"と言う設定がガン無視されているのだ。こんな感じで世界観が滅茶苦茶なのが『超大戦』の批判点の一つに挙がるが、そこに関しては自分は余り気にせずに観ていた。何故なら『hyper hobby ハイパーホビー』で白倉伸一郎本人が「世界観をゴリ押している」と明言したからだ。

白倉 本来は設定上異世界を扱っていなくても、番組は番組ごとに独自の世界を持ってるじゃないですか。キャラクター作品に限らず、どんなジャンルでもドラマでもドラマである限り独特の世界観があります。(中略) もともと「この地球はエグゼイドとキュウレンジャー、どっちの世界の地球なのか」っていう設定のコンフリクトが発生するんですが、そこに『ジュウオウジャー』、今回はアムちゃんがメインですが、その世界観まで合わせていくと、ジュウオウジャー』は最終回で人間社会とジューランドが渾然一体となりました、っていう終わり方だったんですよね。じゃあこの超スーパーヒーロー大戦における地球はどの地球なのっていうのが問題として発生する。今回は結果的に一番現実に近い『エグゼイド』世界に引き寄せているんだけど、『キュウレンジャー』視点からすると、これはジャークマターに征服されていない地球、それは一体いつの地球なのっていう。『ジュウオウジャー』視点からすると、これはジューランドと融合する前なのかそれとも、また分離してしまったのかっていうような、いろいろなことが矛盾として生じるんです。それをさらに理屈で解決するのではなく、ノリだけでいいから同一平面上に置くことができるか、という試みなんです。一番食い合わせが悪そうなものをあえて盛ってみたっていう。

HH それぞれの世界観がしっかりしていればしているほど難しそうです。

白倉 そうですね。真剣に考えると出来なくなる。設定上、無理っていうことになる。

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 最初から、白倉伸一郎は『エグゼイド』のバグスターウイルスが蔓延している地球と、『キュウレンジャー』のジャークマターに侵略され済の地球と、『ジュウオウジャー』のジューランドと繋がった地球の設定を作品内でどうにかこうにかするつもりなど更々無かったのだ。…というより、どうにかこうにかしようと思っても無理だったかな。まあ「それでも何とかすんのがプロだろ!」と言う人もいるだろうし気持ちも解るけどね。これが今回、白倉伸一郎が行ったゴリ押しだね。

 と言う訳で、ここを鑑賞者が知っていたかどうかでこの映画の評価は大分変わってくると思う。…まあ世の中には"設定厨"と呼ばれる人間がいてそういう人は頑なに認めなさそうだけどね(笑)でも今作品は結構良くキャラクターを料理出来ていたから例年以上に評価する人は多そう。特に現行作品である『エグゼイド』と『キュウレンジャー』のキャラクターを。…チームエグゼイド勢とか貴利矢とかその他諸々のキャラの扱いに関しては俺も擁護せん!
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 今作品で重点的にドラマが描かれたのは『エグゼイド』より、仮面ライダーブレイブ/鏡飛彩。なんかもう『超スーパーヒーロー大戦』ってより『超スーパー飛彩大戦』って感じだった。次点で『キュウレンジャー』よりヘビツカイシルバー/ナーガ・レイ。その次点でエグゼイド/永夢かな。「これ本編でやるべきネタだろ…!」って話を映画がかっさらっていったな…!飛彩の初患者とかVシネマみたいなスピンオフのネタに持ってこいだし、ナーガの涙とかキュウレンオーの二体揃い(パーツ(ボイジャー)余り無し!)とか絶対本編でやるべきやつじゃん!

 …まあ今作品はパラレル確定みたいなところあるし、そこまで影響しないかな?…でも確実にパラレルな『MOVIE大戦core』のオーズ編とか『大戦ジェネシス』ですら正史扱いされるくらいだしな…!本編でナーガが涙を取り戻して「ん?これ映画でやったやん?」みたいにならない事を切に願います。
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 そんな訳で『超スーパーヒーロー大戦』は完成披露上映会を観に行った人達に言われてた程、「こりゃあ酷い!」って作品ではなかったんじゃあないかな。取り敢えず娯楽作品としては「成功していた」とまでは言わないものの、そこそこ良い作品にはなってたと思う。映画館で一緒に観てた子供達も「また観たい」って言ってたし、楽しい映画にはなってたんじゃない?あと金田監督(特に映画の)、よく批判されるけど自分は嫌いじゃあないですよ?これからも頑張ってください。

▼カタログ化は自分には向いてない

 以下、『語ろう!555・剣・響鬼』より白倉伸一郎の談。

白倉 (中略) 仮面ライダーも夢中になって見てたと思いますよ。『V3』ぐらいまで見てて、見なくなったわけじゃないんですけど、離れるというか。見放すって言うと言葉が悪いんですけど(笑)、ライダーマンが倒されたあたりで見なくなるんですよね。

――それは他に興味がほかに移って?

白倉 というか、番組が許せなくなって(笑)。V3さんがライダーマンに「お前は仮面ライダー4号だ」とかって言い出して、カタログ化が始まるわけですよ。そのカタログ化っていうのは、ウルトラマンがすでにやってることなんですよね。『ウルトラマン』があって『キャプテンウルトラ』があって『ウルトラセブン』があるのかな。で、『帰ってきたウルトラマン』が始まるわけですけど、あれは今で言うリブート作品で、要はウルトラマンの何代目じゃなくて「あのウルトラマンが帰ってきた」みたいな概念じゃないですか、コンセプトとしては。だけどあんまりうまくいかなくなると、……何て言い方が適切かどうかわかりませんけど、別人として前のウルトラマンが出てきちゃったり、ウルトラセブンが出てきちゃったりして、のちに言う、ウルトラ兄弟ですよ、ラインナップですよっていう護送船団方式で攻めてくるわけじゃないですか。これは好きな人には好きだと思うし、そういうカタログ化戦略っていうのは全然否定するものじゃないんだけど、自分向きではないなって。ああ、こういう商売なのね、そういう売り方なのってのが見えちゃって。

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 『ディケイド』は平成ライダーが10周年と言う事で、『キバ』の次作品が本当は『W』だった予定をわざわざ変えてまで放送された、と言う話は有名だが、白倉伸一郎が嫌っていたカタログ化を『ディケイド』でやってしまったと言うのは何ともだね。まあ、本当にカタログ化が嫌いだったのかどうかは知らない。適当に言っただけかも知れないしな!ほら、同じ本でも井上敏樹がこう言ってるし!

井上 あいつの言ってることはね、あとづけ、あとづけ、全部(笑)。(中略) 信用しないほうがいいよ、全部あとで考えてるんだから(笑)あいつはその場その場で、気に食うか気に食わないかで生きてるんだよ。絶対に間違いない。

 

ではこれにて。