レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダービルド』36~41話 感想+考察

 …うし、書くか…!と言う訳で、今回は6話一気にレビューですよ~!豪華ですね!(サボってただけ)

▼何故『ビルド』は語れる事が無いのか?

 それはきっと、
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 地球を滅ぼす程のエネルギーが眠るパンドラボックスが遂に開かれた!その力を操る地球外生命体エボルトの前に、仮面ライダーが立ちはだかる!

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 マジでこれだけで『ビルド』の全てを説明できてしまうからだろう。

 「全て」は流石に言い過ぎたかな…?…まぁ、それぐらい語れる事、或いは、考える要素が少ないと言う事です。でも、これは時に長所にもなる。

白倉 言ってしまえば実は正義とはなにかを考える必要もなければ、"正義"のヒーローである必要はなく、お客さんが楽しみにしているのは仮面ライダー的なものが怪人的なものをやっつけるというところなんですね。それが必ずしも正義と悪に色付けされている必要はない。ただ、二〇〇一年のように世間的にも正義とはなにかという議論の出ている時代背景において番組も槍玉に上がれば、話題にもなりやすいので、そういう問いかけを多少は扱わなければいけない、あるいは考えている振りをしなければいけなかった。いまは世情も変わったので、正直に言えばお客さんに考えさせるのでも、製作者が考えるのでもなく、正義といえば正義だし、そうじゃないと言われればそうかもしれないというくらいの感覚が強くなっているし、それで受け入れられている。國分さんが『暇と退屈の倫理学』でも引いていらしたドゥールズの「ひとはなるべく考えたくない」という方向に向かっているのがテレビ番組なので(笑)、なるべく考えずに作られ、考えずに見られるほうが理想的なんですよ。

▲『ユリイカ2012年9月臨時増刊号 総特集=平成仮面ライダー』より、白倉伸一郎のインタビュー

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 とは言え、『ビルド』はあんまり怪人を倒さない(抑、あんまり出てこない)し、

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 最近登場したロストスマッシュも「やっつける」と言うのも違うから(爆破とかもしないし)爽快感に欠けるのよな…!

 要するに、白倉伸一郎の言う「お客さんが楽しみにしているの」を『ビルド』は意図的に廃止しているのよね。だから観てても「楽しめない」。そう言えば、話は変わるけど、
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 37話の視聴率、「2.3%」だったの!?!?

 薄々危惧してはいたが、まさか本当に29話「開幕のベルがなる」の「2.4%」を下回る回が出てしまうとは…!まぁ、41話で新章突入(29話)以降最高視聴率(3.4%)を記録したけど(それまでは31話「ほとばしれマグマ!」(クローズマグマ登場回)が最高視聴率(3.3%)だった)。これは憶測だが、『ビルド』の両端に位置する『HUGっと!プリキュア』と『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』が視聴率を上げているのに対し(まさか『ルパパト』が『ビルド』の視聴率を上回るとは…!)、『ビルド』だけがガンガンそれを下げているのは、これまで「『プリキュア』→『ライダー』→『戦隊』」と言う順番で視聴していたニチアサ民が「『プリキュア』→『鬼太郎』→『戦隊』」と言う風に観るようになってしまった事が原因だろう。『ビルド』は『鬼太郎』たけでなく『ルパパト』にすら「あんたの視聴者、頂くぜ!」されちゃった訳ですね。平成ライダー20作品目で巻き返しなるか!?(←まるで『ビルド』ではもう巻き返せないと言うような言い草)(因みに、レイジング野郎も『ゲゲゲの鬼太郎』は観ています。幽霊電車の回がお気に入り。)…さて、『ビルド』感想といきますか。

▼36話「エボルトは星を狩る」

 37話「究極のフェーズ」

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 それだよ!そう言うバトルをもっと見せてくれよ!!

 ボトル使わなスギィ!!この回以降、またあまりボトルは使われなくなります(悲)。42話以降に期待かな?もう一人のビルドが出てくるみたいだし。余談だけど、夏映画限定フォームたる「クローズビルドフォーム」が発表されたけど、アレのマスク、トラユーフォーフォームの改造みたいですね。ろくに使わないなら作らなくても良かったんじゃないの?なーーーーーにが「そこはなるべく多く登場させるように頑張るつもりでいますので!」だよ!!

(中略)この回(注:37話)は戦兎がエボルトに乗っ取られていたので実質上「主人公不在」の回だったんですよ。それでもビルドとしてきちんと成立している手応えを感じられて。自分でもビルドが出ないことが気にならなかったし、見せ場も自分なりに作れたかな、と。自分が目指していたドラマとアクションシーンの融合が、第37話でようやく形となり自信にも繋がりました。

▲『宇宙船 vol.161』より、武藤将吾のインタビュー

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 武藤将吾の言う「見せ場」の一つがグレートクローズの登場なんだろうけど、グレートクローズって何なんだ…?なんでスーツリペイントしたの?強化フォームかと思ったら結局クローズマグマになるし…。いや、あの、ほんと、何なんだ…?マジでプレバンで新商品を出したいが為だけに出したようなフォームだな…!『ビルド』放送終了後に「グレートクローズって結局何だったんだろうな」と言う感想が出ない事を祈ります…!

▼38話「マッドな世界」

 39話「ジーニアスは止まらない」

 38、39話は戦兎が葛城巧の人格で動いていたので、これも実質「主人公不在」の回。事実上、戦兎の復活には二話を費やした訳ですね。戦兎と葛城の違いは「仲間を信じる気持ち」であり、それがジーニアスフルボトルを起動させる切っ掛けになった訳だ。「少年漫画じゃあるまいし」なんて台詞を葛城に言わせる武藤将吾の潔さよ(笑)。「少年漫画っぽい」作風の『ビルド』だが、そう言うのが白倉Pの言う「考えずに見られる」作風なのかも知れない。アツい展開やアツい台詞で無条件にアツくなれる。…『エグゼイド』みを感じるぞこれ…!間違ったやり方だとは思わないけどね。
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 「あなたに忠誠を誓おう!」は「宝生永夢ゥ!」程は流行らなそうですね…!

▼40話「終末のレボリューション」

 41話「ベストマッチの真実」

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 清水(ストロングスマッシュ)は別に「"最初に"スマッシュにされた男」じゃあないよね。

 その前からビルドは数々のスマッシュを倒してはボトルの成分を採取していってた訳でしょ?て事はこの台詞は「(テレビ的に)最初にスマッシュにされた男」って事だよね。「流石主役!」なんて台詞よりもよっぽどメタ発言ですよ…!
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 因みに、テレビ的に最初にスマッシュにされた男はニードルスマッシュにされた男です。

 と言う事で、「これまでスマッシュにされた人物は戦兎達と何かしらの接点があった」と言う事実が判明したが(じゃあニードルスマッシュの男はどうなんだ?)、今回はもう一つ、「ベストマッチの真実」が明かされたね。

戦兎「さっき、ベストマッチについて分かったって言ったろ?あれは、石動さんの記憶と深く関わってたんだ。」

美空「え?」

戦兎「兎と戦車、鷹とガトリング、愛と破壊。ベストマッチはお前との思い出だったんだよ。」

美空「どう言う事?」

戦兎「パンドラボックスにある60本のボトルは、その惑星のエレメントが必要になる。」

エボルト「だから俺は、石動の脳に問いかけたんだ。お前の好きなものを30挙げろってね。そしたら石動は自分の記憶を辿って、娘が好きなものを挙げていった。兎、パンダ、針鼠。次にその命を奪うものを挙げさせた。最初は戦車とかガトリングとか、威勢の良いものが出てきたけど、その内、消しゴムとか漫画とか、関係無いものばかり挙げ始めた。恐らく、娘が大切にしていたものを汚されたくなかったんだろう。結局、締め上げても変な答えしか出なかった。俺はその時初めて人間の感情ってやつに触れたんだ。人間はなんて不思議で、愚かな生き物なんだろう、ってね。」

戦兎「きっと、美空の好きなものをどうしても守りたかったんだろうな。」

美空「馬鹿だよ。そんな事の為に?なのに、私はお父さんだって見抜けなかった。御免ね、お父さん…。」

▲『仮面ライダービルド』41話「ベストマッチの真実」より

 上記の「ベストマッチの真実」は後付けである。証拠は大森敬仁のこの証言。

──ちなみに、なんでウサギと戦車なんでしょう?

大森 タイミング的には『エグゼイド』がしっちゃかめっちゃかな中、確かに「ベストマッチをこれにしよう」というのを話し合ってちゃんと決めたんですけど、今となっては決めた記憶がほとんどないので「これがベストマッチってどういうことですか!?」って自分で驚きます(笑)。ただ、変なもの組み合わせようというのは考えていましたね。要は「混ぜるな危険」的な発想があって。普通に考えると、どうしてもみんな、強いものと強いもの組み合わせに発想が行きがちなので。

▲『東映ヒーローMAX VOLUME56』より、大森敬仁のインタビュー

 これ、『ビルド』放送前のインタビューなんですよ。この時点でもう覚えてなかったのか…!(しっちゃかめっちゃかだったのは分かるけど)つまり、26話の戦兎の「兎と戦車とか、ゴリラとダイヤモンドとか、なんでこれが相性良いのか未だに解明出来てないんだから。」と言う台詞は厳密には「解明出来ていない」のではなく、「製作陣が覚えていない」のが正しいのである。まぁでも、自分は設定に拘るタイプではないが、本編内のギミックに理屈を付けようとする姿勢自体は嫌いではない。こじつけが過ぎるけどな!それはそうと、
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 ベストマッチ」がコンセプトなのに最終フォームは「全部乗せ」なのね…!
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 にも関わらず、ジーニアスフォームは「全部乗せ」感が全くありませんね…!
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 て言うかジーニアスフォーム、弱スギィ!!!

 42話でもマッドローグに怯まされてたし…!(おっと、これは41話までの感想記事だった!)42話以降の感想記事もお楽しみに。…いつになるかは分からない(笑)。あ、それと、ジーニアスフォームの能力は完全にアレでしたね。リプログラミング…!

 

ではこれにて。