レイジング野郎

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『仮面ライダージオウ』1話「キングダム2068」感想+考察

 『仮面ライダージオウ』1話の感想です。それではどうぞ。

▼この男、2000年生まれの18歳!

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【悲報】今年のライダー主人公、ワイより年下

 ウッソだろおい…!18歳って…!いや、18歳のライダーなんて別に珍しくも何ともないけど、いや、年下ってお前…!これは…結構ショックだな…!そういや、『ルパパト』のルパンレッド/夜野魁利演じる伊藤あさひ君も18歳らしいね。いや、お前…!いや、いつかはそんな日が来るとは思ってたけど…。いざ来るとやっぱ心が息苦しくなる…!…こんな事を書きたいんじゃなかったんだった。本題に入ろう…。

▼何故、平成最後にオールスター作品を企画したのか?

白倉(中略)『ビルド』は関連商品の売上だとか、あるいは映画の前売りの出足といったマーチャンダイジング的には絶好調と言って差し支えのない作品ではあるんですが、一方で視聴率的には苦戦している点もありまして。これはストーリーの構造的な点や周辺環境の影響が多少はあるにせよ、本作に始まった話ではなく、もう長らく続いてることなんです。その最大の原因は「少子化」と言えますが。そんな状況でも、売上の成績が好調であればシリーズをなんとか継続させていくことは可能かもしれない。ただ、だからといって、視聴率と売上は関係ないと放置できるかといえば、当然そんなことはない。単純に観てくれるお客さんが少なくなれば、それだけ市場はシュリンクしていくわけですから、やがてボディーブローのように効いてくることは明白なわけで、今のうちに対策しないと大変なことになってしまうんです。もっとも、そんな危機感を全面に出しても何もいいことはないので、20作品記念だ、平成ラストだとお祭り騒ぎの体(てい)で盛り上げていこうということですね。以前、『ディケイド』でそれをやったときに、視聴率的なことでは明確に成功体験がありまして。その前と比べると一気に4割ほどポーンと跳ね上がったんです。

──えっ、そんなに?

白倉 やはりそういうときに"レジェンド"の要素は強みがあって、かつてのお客さんを含めた幅広い層の方々に見ていただけますからね。そして、一度そうやって視聴率が上がれば、平成2期がしばらくは安泰な状態が続いたように、安定した環境で作品と向き合うことができるわけです。

▲『東映ヒーローMAX VOLUME58』より、白倉伸一郎のインタビュー

 やっぱり視聴率が最大の原因でした(笑)。

 と言うかこのインタビュー、さらっと『ビルド』のストーリーの構造について批判しているな…!まぁ気持ちは分かるが。と言う事で、白倉伸一郎「(『ディケイド』の)その前と比べると(視聴率が)一気に4割ほどポーンと跳ね上がったんです。」と言っていた通り、前作の『キバ』の平均視聴率が「6.16%」(切り上げ「6.2%」)、最高視聴率が8話「ソウル・ドラゴン城、怒る」の「7.7%」だったのが、『ディケイド』では平均視聴率が「7.95%」(切り上げ「8%」)、最高視聴率が12話「再会 プロジェクト・アギト」の「9.3%」に上がっているんですよ。分かってはいたが、『ジオウ』の最大のミッションは「視聴率の回復」である。

 と言う訳で、『仮面ライダージオウ』遂にスタート!「平成最後のライダー」…、「平成が終わる」…!恐らく次のライダーからは「新元号ライダー」が新しいスタートを切る事になるだろうが、…まだ早いよ!!と言うのも、「平成が終わる」と言うのは、只のその一言だけでは終わらせてはいけない「ある問題」があるからだ。それは、

平成ライダーの「二世代化」が図れなくなる

 と言う事。どう言う事かと言うと、

 このまま、平成ライダーシリーズがあと5年くらい人気を保っていけたら、かつて『クウガ』、『アギト』を観ていた世代が人の親になり、平成シリーズだけで「2世代化」となるチャンスが来るんです。平成ライダー世代が子供を連れて一緒に観る。これが理想ですね。

▲『語れ!平成仮面ライダー』より、白倉伸一郎のインタビュー

 このインタビューが掲載されている『語れ!平成仮面ライダー』が出版されたのが『鎧武』放送当時(即ち、平成ライダー15周年を迎えた時期)である。つまり、ここから5年くらいたった時期と言うのが現在(『ジオウ』)である。例えば、2000年に『クウガ』を観ていた子供が5歳と仮定した時、その子供は現在24~25歳。この年ならその人に子供が出来ていてもおかしくはないが、何とも微妙なラインである。と言うのも、女性の第一子初産年齢の平均は2014年時点で「30.6歳」、メインターゲットとなる男性となると「32.6歳」にまで及ぶのだ(内閣府 平成26年少子化社会対策白書調べ)。視聴率低下の最大の原因は「少子化」と白倉伸一郎も言っていたが、年々、第一子初産年齢が上がり、高齢出産の増加が問題視されている昨今、この時期に平成ライダーが終わってしまうと、「2世代化」は中途半端に終わってしまうのではないか?こう言うと、「だったら新元号ライダーを子供と一緒に観れば良いのでは?」ともなりそうだが、もう一つ問題なのは、シリーズものには「派閥」が発生する、と言う点である。

▼「お前のようなひよっこを、ライダーと認める訳にはいかん!」

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 「昭和派」と「平成派」、「平成一期派」と「平成二期派」…、シリーズものには「派閥」が生まれるのが世の中の常である。「比べたりしないで、ちゃんとその作品(の良さ)を観て!」と言う人も少なくはない(何なら自分もそっちタイプではある)が、大半の人間は作品を比べる事が多い。「『◯◯』に比べて『××』は!!」といった風だ。人間とは、「比べたがる」生き物なのである。「そ~れな~のに~ぼ~く~ら人間は~、ど~うしてこう~も~比~べた~がる~♪」(作詞・作曲:槇原敬之)なので、平成ライダーを観ていた親が新元号ライダーを観た時、「こんなの仮面ライダーじゃない!」と言って、子供にライダーを観せない可能性がある。『ディケイド』→『W』の流れの時は一応「平成ライダー」の括り内での話だった為、成功したかも知れないが、「新元号」となると分からない。頑張れ!白倉伸一郎(←)と言う訳で、1話の感想といきますか。

▼王様=仮面ライダー

──主人公の望みが「王様になりたい」と言うのは、かなり突拍子も無い設定のように思いますが。

白倉●仮面ライダーって随分軽くなったよな、と思うんです。作り手側の意識が、ではなく。『クウガ』の五代雄介が「だって俺、クウガだもん」って言うんですけど、そのセリフには説得力があった。『ビルド』の桐生戦兎も「だって俺、ビルドだもん」というようなセリフを言うんですよ。同じ言葉ではあるんですけど、戦兎のほうは軽く感じてしまう。クウガを演じるオダギリジョーさんとビルド役の犬飼貴丈さんの演技の違い、ということではなく、『クウガ』の頃は仮面ライダーというものが珍しいものだった。ところが、『ビルド』の頃になると仮面ライダーはたくさんいて、もはや珍しくもなんともない。世間は「仮面ライダー」に慣れっこになっている。「ヒーロー」と言い換えてもいいんですけど、主人公のヒロイズムってなんだろう? ということを描くのがすごく難しくなっている。またご時世的に、キャラクターに欠点がない。いい子になってきているというか、聖人君子というか、非の打ち所がない、というものが求められてしまう。

──炎上しないキャラクター?(笑)

白倉●そういうことかもしれません。口を開ければ綺麗事ばかりが出てくるとか。ただ、それではキャラクターとして面白くないし、ヒーローじゃないよねと。お人好しではあるかもしれないけど、本当に善人かいそれは? と。ヒーローというものが使い古されている。仮面ライダーもヒーローも悪くはない。ただ、手垢がついちゃってる。なので、「王様」というのは言い換えの一つなんです。インパクトがあるじゃないですか。生まれた時から仮面ライダーになりたかった人が仮面ライダーになるお話なんです。そこで王様。それが「ジオウ」=時の王あるいは次の王というネーミングにも繋がるわけですけど。

▲『フィギュア王 No.247』より、白倉伸一郎のインタビュー

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 でもやっぱ高校3年生で「夢が王様」は浮っき浮きだね…!

 けど、このインタビューを読んだら少~しだけ違和感は薄れたかな。要するに「その辺の少年がヒーローになるお話」って訳ね。「ヒーロー(仮面ライダー)になる!」「魔王(オーマジオウ)にはならない!」に言い換えてるだけで。でも初戦闘シーンのBGMは禍々しくて魔王っぽさ全開だったね…!(格好良かったけど!)で、1話の感想としては…、展開が速すぎてなんかよく分かんなかった…!面白い面白くない以前の話だな…!「きっと目茶苦茶カットしたんだろうなぁ…!」なんて思いながら観てた(笑)。下山健人の作品は『ニンニンジャー』と『ゴライダー』しか知らないけれど、『ニンニンジャー』の1話も言われてみれば結構展開速かったし、情報量も多かったな…。なんたって、

1、天晴、数年ぶりに道場へ帰還。

2、道場が爆発。

3、牙鬼軍団が襲ってくる。

4、天晴、アカニンジャーに変身して立ち向かう。

を開始1分で終わらせたからな…!兎に角、常磐ソウゴ宜しく、「今度は何!?」の連続で付いていくのが大変だった…!そういや全然話変わるけど、常磐ソウゴと言えば、名前の由来がトキワ荘だと皆思ってるみたいだし、自分もそう思っていたんだけど、白倉伸一郎曰く、全くの偶然みたいですね(笑)。

──今回の主人公は「王様になりたい」という途方もない夢を持っているキャラクターですが……因みに常磐(ときわ)ソウゴという主人公の名前は『まんが道』でおなじみ「トキワ荘」とかけてあったりするんですか?

白倉 まったく考えてなかったです。でも、いいかもしれないですね。今後、公式設定にしちゃいましょうか?(一同笑)

▲『東映ヒーローMAX VOLUME58』より、白倉伸一郎のインタビュー

 取り敢えず観て思ったのは、思ったよりレジェンドライダー要素が無かったな、と言う事。同じアニバーサリー作品の『ディケイド』と比べても、本編にもop映像にも、歴代ライダーがそれほど目立って無かった印象。1話の歴代要素なんてビルドとクローズが登場したのと、ゲイツがゴーストアーマーを披露したくらいだし。『ディケイド』はライダー大戦に渡登場に歴代怪人総登場にカメンライド三連発に…等々と大盤振る舞いだったからな…!(そういや、冒頭のオーマジオウの無双シーンはライダー大戦オマージュかしら?)3、4話は「エグゼイド編」みたいだけど、序盤の歴代要素を直近のライダーで固めたのは良かったと思った(一応、ファイズフォンXも登場したけど)。その方がちびっ子も取っ付き易いだろうしね。歴代要素が少なかった事も、「ちゃんとレジェンドに頼らない『ジオウ』そのものの面白さを確り魅せてくれるのかな?」と思わせてくれて良き。『ビルド』の二人に関しては思う所があったけど、それは2話を観ても変わらなかったらその時の感想に書く事にします。スカイウォールがあった事等に関しても、取り敢えず2話を観てから語るかな。じゃないとまだ何とも言えないし。

 あ、あと、東映特撮ファンクラブで仮面ライダージオウ 補完計画』を観たんですけど、そう言うのだったのね…!や、こう…あれですよ。もっとこう…本編の補完とか、設定の説明とか、そう言うのだと思ってたんですよ…。只のゆるゆるおふざけ劇場でしたね…!まぁ、楽しかったけど。何だかんだ言ってもちゃんと次回も観ますよ。

▼俺達は忘れてはならない

 テレビの最終回が当時波紋を呼んだ件ですか?あれは意識的にやったことなんです。当初から、『ディケイド』はテレビでは完結させられないと思っていました。『ディケイド』自体が次の『仮面ライダーW』に興味をつないでもらうために作った番組ですから、『ディケイド』で視聴を完結させて、次の『W』を観てもらえなくなるのが一番困る。「完結編」をやるのはいいんだけど、テレビではスッキリ終わることが許されない、それがディケイドの「宿命」だったんです。

▲『語れ!平成仮面ライダー』より、白倉伸一郎のインタビュー

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  『ジオウ』がもしもテレビ本編で完結を迎えた時、それは「平成仮面ライダー」は愚か、「仮面ライダー」そのものが終了してしまう、と言う事を、俺達は忘れてはならない。

 

ではこれにて。