レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『アナザー・エンディング 仮面ライダーブレイブ&スナイプ』感想+考察

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 Vシネマ仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーブレイブ&スナイプ』の感想です。公開初日までには書き終えられた…!それではどうぞ。

▼フォーゼに涙ラインは"ある"
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 フォーゼは「涙ラインが"ない"」とよく言われる。これは『フォーゼ』でチーフデザイナーを担当した田嶋秀樹のこの発言が原因である。

――フォーゼのデザインでは、仮面ライダーに共通していたトレードマークの一つがなくなったと聞きました。

ライダーが泣いているようにみえる「涙ライン」といわれる線です。これまでのライダーのマスクには、ほぼすべてにこのラインがありました。仮面ライダーは同族(怪人)と戦わなければならない運命を背負ったヒーローですから、その悲しみをデザインに投影して、仮面に涙が描かれているんですね。いままで伝統的につけてきた記号なので、つけるか否か最後まで迷ったんですが、フォーゼではあえてこれをなくしました。

企画自体が飛びっきり明るい学園宇宙もの!というものですし、ちょうど僕の誕生日の3月11日にあんなに大きな震災があって、みんな笑顔をなくしている時期に正義の味方が泣いてちゃダメだろうと。こんな時代だからこそ、仮面ライダーは元気や笑顔を届けなきゃいけない。そんな理由があって、伝統の涙ラインは今回なくしました。フォーゼに関しては泣かせたくなかったんです。

朝日新聞GLOBE|ヒーローは地球を救うより

 しかし、『フォーゼ』チーフPたる塚田英明的にはフォーゼのマスクにはちゃんと涙ラインが"ある"のだと言う。でも確かに、フォーゼは別に涙を流さないライダーじゃあないよね。

塚田 難しい質問ですね。……まず基本として決まっているフォーマットがありますよね。

 ベルトで変身する、仮面を被って、バイクに乗って、単体で戦うヒーロー。必殺技はキック。さらに根っこが悪と同根で、悪から派生した正義である、ということや、異形の悲しみを表現した「涙ライン」がマスクに刻まれているとか。

「フォーゼ」にはないと言われていますが、黒い顔面と白いヘッドの境目が涙ラインだと僕は解釈していて、泣きながら戦う悲劇性のあるヒーローである……とたくさんあるんですが、それらすべてを内包したヒーロー像が「仮面ライダー」だと認識しています。

▲『仮面ライダーフォーゼの教科書』より、塚田英明のインタビュー

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 ここ(赤い線)の事!?それはちょっと無理が無いかぁ~!?そんな訳で、『エグゼイド』のあのマスクを見た時、塚田英明は大森敬仁を怒ったらしいw

――響鬼やフォーゼのデザインにも驚かなかった濃いファンも今回ばかりは驚いたと聞いています(笑)。
 本当ですか?やったぜー!(笑)でも『W(ダブル)』や『フォーゼ』のプロデューサーである塚田(英明)さんからは怒られてしまったんですよ。わざわざ僕のデスクまで来て「レベル1はまあいいけど、レベル2のあの目は許せん!」とだけ言って去って行きました。塚田さんもWやフォーゼで斬新なデザインに挑戦していますけど、仮面ライダーらしい複眼にはこだわっていましたからね。それについてはもう「すみません」と(笑)。

▲『宇宙船 vol.154』より、大森敬仁のインタビュー

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 『エグゼイド』ライダーズのマスクに涙ラインが無いのは意図的なものなのか単純に考えてなかったのか、将又、塚田英明と同じく大森敬仁的には『エグゼイド』ライダーズにも涙ラインがあるつもりなのか、それは定かではないが、仮に「ない」とするならば、『エグゼイド』最終回の飛彩のこの台詞は生まれるべくして生まれた言葉なのかも知れない。
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飛彩「もう、涙はノーサンキューだ。」

▲『仮面ライダーエグゼイド』45話「終わりなきGAME」より

 飛彩の彼女、小姫が彼を好きになった理由は「直向きにドクターを目指す飛彩を尊敬していた」からだったのか。飛彩は父親(鏡灰馬)の背中を見てドクターを志したので、そんな飛彩が今度は憧れられる側になった(なっていた)んだな、と思うとクるものがある。今作品で小姫の復活の可能性が示唆されたのは個人的には良かったです。まぁ、『エグゼイド』の後夜祭で「クロノスのリセットの影響で消滅した小姫のデータは戻っているかも?」とは高橋悠也が暈しながら言ってたけど。何と無く、『エグゼイド』にはバッドエンドは似合わない感じしない?と言うより、今までがハッピーエンドだったから、今回もそうで良かったな、と思います。『エグゼイド』チーフP大森敬仁も「バッドエンドを期待している人が多すぎて(笑)、「やめて!」と思うわけで……」なんて言ってたしw 

▼大我は一生変わらない

 『エグゼイド』43話「白衣のlicense」の永夢の台詞を覚えているだろうか?
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永夢「医者の不養生は良くありませんよ。ドクターは大勢の患者の命を預かる身なんですから。忘れちゃいけないんです。患者の命を救うためにも僕達ドクターこそ生き抜く責任がある事を。」

▲『エグゼイド』43話「白衣のlicense」より

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 永夢の言葉は1ミリも大我には響かなかったようですね…!

 ニコちゃんが大我に「あんたって一生変わんないの!?」みたいな事を言ってたけど、その通りだな…!『アナザー・エンディング』を撮った鈴村展弘はこう言っていたけど、

A4 (中略)もともと仮面ライダーのテーマのひとつである、人間の自由のために自らを犠牲にして戦う悲しみのヒーロー、それがエグゼイドにおける仮面ライダースナイプだと考えました。なので、この作品(注:『仮面ライダーエグゼイド【裏技】仮面ライダースナイプ エピソードZERO』)を観て大我の見方が変わってくれれば私的には成功だと思っています。(中略)大我が血を吐きながらも戦うと言うのは私が血が好きなわけではなく(笑)、それだけ体に負担がかかりながらも他人のために戦い続ける悲しきヒーローを描きたかったんです。

▲『仮面ライダーエグゼイド公式完全読本』より、鈴村展弘のQ&A

確かにそうなんだけど…これだと何と言うか…43話のあのシーン(永夢の言葉)が「良い台詞だ、感動的だな、だが無意味だ。」になっちゃうのよね。「ドクターでありたいんだ…!」と言う割には大我はあまりにもドクター然としていないのよな。これは上記の台詞を放った永夢にも言える事なんだけど。「お前が言うな!」とは以下の記事に書いている。

  でも鈴村展弘の言う通り、それが"花家大我"と言うキャラクターなので、ある意味「ブレが無い」とも言える。大我は終始「一貫」したキャラクターだったよね。だから大我の事も大好きです(そういう話だったの?)。

▼そんな訳で
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 『ブレイブ&スナイプ』、悪くは無かったんじゃあないでしょうか。『エグゼイド』は「希望を諦めない(運命は変えられる)」作品だと思うので、今作のオチは割と好きでした。演出面に関しては…、
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 なんでこのテロップ使ってくれなかったの!?(泣)

 好きなのに!好きなのに!!(知らん)そんな訳で、『仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』第一部たる『ブレイブ&スナイプ』、楽しませて戴きました。ありがとうございました。次回、『パラドクスwithポッピー』も楽しみにしています。宜しくお願いします。

▼本編でやれ!!

 鏡飛彩役の瀬戸利樹、花家大我役の松本享恭は『エグゼイド』本編についてこんな事を言っていた。

松本 (中略)飛彩のほうは小姫と出会うシーンが描かれていたよね。

瀬戸 ようやくちゃんとね。

松本 それまでホントに……。

瀬戸 ね。何も描かれてなかったから。

松本 ……ただのヒドい男でね。

瀬戸 (笑)。

松本 いや、ホントにそうじゃない?なんでこんな人と付き合ってんだろうという見え方だったと思うんだよね。

瀬戸 まぁ、本当にそうなんだけどね。だからこそ、これを観ていただくことで、飛彩と小姫の関係が完結するのかなと。

▲『東映ヒーローMAX VOLUME57 2018 WINTER』より、瀬戸利樹、松本享恭の対談

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 「本編でやれ!!」とはVシネマ作品を観賞した人間の常套句である。恐らく今作も御多分に漏れずそう言われる事となるだろう。でもきっと、このVシネマの為にわざとストーリーを残しておいたんだろうなぁ~!

──来年春に発売するVシネマ仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング』についてもお聞かせください。

高橋 Vシネマ用にストーリーを残しておくようなことは考えずにテレビ本編をかき切ってしまったので、Vシネマの脚本を考える段階になって「しまった!やることがない!」と慌ててしまいました(笑)。

▲『宇宙船 vol.158』より、高橋悠也のインタビュー

 全部後付けかい!!!

 しかし、世の中には「あえて」それ(描写)を"やらない"と言うやり方もある、と言う事も皆様に知って戴きたい。その作品と言うのは…まだ感想記事を執筆中なので今暫くお待ち下さい。…大分前から投稿予告をしているアレですw(早く書けぇ~!!!)

▼2017.03.01. 追記

Q5 担当回の演出的なポイントやこだわり。

●第13話「豪快!自由な男!」

●第14話「絶景!地球の夜明け!」

 (中略)眼魂が憑依した人間はカラーコンタクトで目の色を変えました。これは眼魂が目玉モチーフということと、憑依したというわかりやすい変化。そして、憑依前の長正という人物に眼鏡をかけさせたので、憑依して龍馬になった際は眼鏡を上にあげて印象を変えました。

▲『仮面ライダーゴースト公式完全読本』より、鈴村展弘のQ&A

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 長正さんのキャスティングは素晴らしかったね。正直、ここまで見た目を変えなくても十分に二役に違いを見せれていたと思う。成程、鈴村展弘は「わかりやすい」を重視する監督なんだな。でも…、その「わかりやすい」が少し極端な事も屡々あるのよな…(笑)。

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 きっちり布団を畳んで病院から消えるチェイスを演出したのは鈴村展弘です(笑)。

Q6 担当された第23・24話の演出的なポイントやこだわりをうかがえますか?

A6 (中略)チェイスのいなくなった病室でチェイスらしさをなんとか表現したかったので、お世話になった霧子への気持ちを畳んだ布団で表現しました。

▲『仮面ライダードライブ公式完全読本』より、鈴村展弘のQ&A

 え?『アナザー・エンディング』の感想なんだから『エグゼイド』の事を書けって?
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 『【裏技】ブレイブ』で瓦礫に潰されて動けなくなっている二人(みずき、さつき)を助ける時、最初に額の傷の手当てをした飛彩はかっこよかったですね!

 「治療」と言う描写を「わかりやすく」しようとした結果がこれなの!?や、やりたい事は分かるんだが…そいつぁちょいとズレちゃあいないかぁ~!?もっと他にあったんじゃあないか…!?

 え?『ブレイブ&スナイプ』の感想なんだから『ブレイブ&スナイプ』の事を書けって?
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 こりゃあ幾ら何でもあからさま過ぎるでしょ~!!w

 

ではこれにて。