レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダービルド』8、9、 10、11、12話感想+考察+『ビルド』現段階評

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 『仮面ライダービルド』、8~12話の総合感想と現段階評です。最近、感想記事の更新が途絶えていて本当に申し訳ございません…。理由は面倒臭かったからでも体調不良だったからでもなく…

書く事が思い付かなかったんですよね…!

 どれだけ観進めていっても全く同じ感想しか出てこなくて…!と言う事で、今回はその「感想」について書くつもりなのですが…、言ってしまうとこれまでにも似たような類いの事を何回か書いてるんですよね。なので、当ブログをいつも見てくださってる方は「またその話かよ…」と思ってしまうかも知れませんが、なるだけ退屈しないような文を心掛けますのでどうか一つ…!

↓似たような類いの記事です。

 あと、感想記事を書けなかったもう一つの理由は他に3つの記事の執筆を掛け持ちしていたからでして…!

 一つは書ききって、先日投稿しました(佐藤健ファンの凄さを思い知った記事だった…!この記事だけどんどん一人歩きしていくんだもん…!)。残るはあと二つ、一つは『小説 仮面ライダーゴーストの感想記事でして、それは近日中に書き上げたいと思ってます。もう一つは『風都探偵』の感想記事です。「tに気を付けろ」編の感想を書いているのですが、こっちは単行本が発売されるタイミングで投稿しようと思ってます。もし、いつになっても情報が来なかったら、現在連載中の「最悪のm」編が完結した時にに投稿しようと思っているので、宜しければ見て(読んで)やって下さいな。

 …前置きが長くなった。それではどうぞ。

8話「メモリーが語りはじめる」

9話「プロジェクトビルドの罠」

10話「滅亡のテクノロジー」

11話「燃えろドラゴン」

12話「陰謀のセオリー」

▼新しく、珍しく、面白いものがヒットする。

梶 それこそ若手時代に経験を通じて実感したことなんですが、TV番組というのはやっぱり、企画で成否の半分が決まるんですよ。さっき話した『ジェットマン』などは、まさにそうでした。井上さんや、監督の雨宮慶太さん、特撮監督の佛田洋さんといった新しい才能がアイデアをたくさん出して、スーパー戦隊の流れが変わっていったんです。それと同じことが『電王』にもいえるんじゃないでしょうか。また私はヒットの要因として「新しくて珍しくて面白い」ことが必要だと考えているんですが、それも『電王』の企画は満たしていたと思います。実際にはなかなかむずかしいことなんですよ。常にそんな条件をクリアするものが作れればいいんですが、そううまくはいきませんから(笑)。

『俺たちの仮面ライダーシリーズ 電王10TH ANNIVERSARY』より、梶敦のインタビュー。

  いきなりで申し訳無いが、はっきり言わせて貰う。

 ぶっちゃけ、『ビルド』は新しくも、珍しくも、面白くもないよね。

 …まぁ、「面白い」と言う事柄(感性)は抜きにしても(『ビルド』は大衆からは人気っぽいし)、少なくとも『ビルド』は前者二つは確実に満たせていない。「無個性」とも言えるか。個人的には「面白い」と言う評価も100%とは言い切れない。「(縦軸の)話は好き」とはこのブログでも言ってはいるのだけれど(今週は面白かったね。と言うより、面白くなってきた?次回は楽しみ)自分が『ビルド』にのめり込めていない理由は色々あるんだけれど、あんまり沢山書くのもアレだし、本題の前座として、今回は一つだけ書いていこうと思う。後はまた今度と言う事でw

▼玩具の出し方下手スギィ!!

 それが顕著だったのが9~12話。

・9話「プロジェクトビルドの罠」の場合

 9話はライオンクリーナーフォーム御披露目回。ライオンボトルと掃除機ボトルで変身するこのベストマッチ形態は1話の時点で既に変身可能であったのだが、今までそれが使用された事は無かったのだが、戦兎の「漸くこいつの出番か!」と言う台詞から察するに、「使い所が限られる為、中々変身する機会が無かった」のだと予想される。…のだが…、
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戦闘シーンを観るとそれと言って変わった戦い方はしてないんよな。この時、戦っていた相手(フライングスマッシュ)も3話ではベストマッチですらない「ゴリラ掃除機フォーム」で圧倒してたし、何の為に今まで温存していたのかがまっっったくわからないのだ。

・10話「滅亡のテクノロジー」の場合

 もっと酷かったのが次回の10話。この回の放送前日(11月11日)は「DXパンドラパネル」「DXビルドフォン」の発売日と言う事で、10話は必然的にその二つの玩具の販促回となる。…のだが…、
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 ライオンクリーナー、普通に使ってんじゃあねぇか!!

 「DXパンドラパネル」には「消防車フルボトル」、「DXビルドフォン」には「ライオンフルボトル」が付属するので、それらのベストマッチフォームであるファイヤーヘッジホッグフォームとライオンクリーナーフォームが登場するのは当然なのだが、「ライオンクリーナーの使い所が中々来なかった」と言う設定は1話で死に設定と化したね…!ほんとなんだったんだアレ。

 あと、パンドラパネルとビルドフォン(マシンビルダー)の魅せ方も唐突だったね。ナイトローグが突然パネルを取り出してはせっせと一本一本ボトルを刺すシーンはシュール過ぎるでしょ(笑)。このあと、マシンビルダーのバイクアクションがあるんだけど、スターク、なんで合体ガーディアンに乗っかって帰ってったんだ…?ガーディアンなんかよりも自分(スターク)の方が強いのは明々白々なのに、態々そんなのに乗っかってったせいで負けるとか、阿呆にも程があるよ…。
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 ボトル、全部刺せてないですよローグさん!!

・11話「燃えろドラゴン」の場合
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 遂に誕生、仮面ライダークローズ!と言う訳でこの回の前日(11月18日)はクローズ関連の玩具(「DXクローズドラゴン&ビートクローザー」)の発売日であると同時に、対象商品を購入すると先着で「ロックフルボトル」が貰えるキャンペーンも開催。「DXクローズドラゴン」に付属する「ドラゴンフルボトル」は「ロックフルボトル」とベストマッチになる組み合わせな為、ビルドは「キードラゴンフォーム」に変身する事も可能である。…のだが…、
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戦兎「今あるのはドラゴン、ロックボトルのみ。」

▲『仮面ライダービルド』11話「燃えろドラゴン」より。

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 なんと、ローグは都合良く、そして都合良く、更に都合良く、ロックフルボトル「だけ」奪い忘れていた!!!!

・12話「陰謀のセオリー」の場合

 そして今週。昨日(11月25日)は「DX海賊レッシャーフルボトルセット」(と、「DXカイゾクハッシャー」)が発売。と言う訳で、今回は「海賊レッシャーフォーム」の御披露目回だ。
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 なんで戦兎が奪われたボトルの中に知らないボトル(電車)が混じっていたんだ…?まあここは後々詳細が明かされる事を待つとして、気になったのは…
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 「中々揃わない」筈のベストマッチを「計算」で当てた!!「中々揃わない」のに!!ベストマッチ発見機、万丈龍我、御役御免!!!

 何故、自分が『ビルド』の玩具の見せ方を厳しく見ているのかと言うと、そこには『ビルド』チーフP、大森敬仁の「戦略」が込められているからである。

大森 『エグゼイド』は商品展開を考慮して年間計画を組んだ上で始めた結果、それで上手くいったと。なので、次はそうじゃない作り方というか、まずはドラマをベースにした作り方ができないかなと思ったんです。要は『エグゼイド』と違うアプローチということですよね。

▲『東映ヒーローMAX volume56 2017 AUTUMN』より、大森敬仁のインタビュー。

 フィギュア王だかハイパーホビーだかに書いてあったんだけど、大森P曰く、『エグゼイド』の時は玩具をベースに話を作る事にとても苦労したらしい。どう言う事かと言うと、『エグゼイド』の時はバンダイによって既に構築されている玩具販促スケジュールにストーリーを当て嵌めていくと言う作り方に限界を感じていたのだと言う。だから今回の『ビルド』では逆に、先にストーリーを構築し、そこに玩具を当て嵌めていくと言う作り方にシフトしたと言う。これにより、本編内での玩具販促の違和感は軽減されるかと思いきや…?
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 寧ろ『エグゼイド』よりも違和感増し増しになってません…?

 単純にやり方が間違っていたのか、『エグゼイド』メインライターの高橋悠也の手腕が見事だったのかは定かではないが、兎も角、『ビルド』は前作以上に「玩具販促に振り回されてる感」を感じてしまい、そこが自分が『ビルド』に乗り切れていない理由の一つです。

 さて、前座はここまで。ここからは先程自分が「満たせていない」と評した「新しさ」「珍しさ」について。

▼『ビルド』は「普通の仮面ライダー

 大森P曰く、『ビルド』は「普通の仮面ライダーなのだと言う。

『エグゼイド』って、やっぱり見かけがああですが(笑)、それでも一年間支持してもらえたところが大きい。あのビジュアルのお陰で成功できた部分も大いにあると思っています。一方で、「見かけがああだから……」って離れた人たちは多少いると。今回はその人たちに対して、「今度はちゃんと仮面ライダーですよ」とプラスアルファできている。まあいわゆる「仮面ライダー」だと思って安心して一年間見てねということに加えて、ちゃんと大人の方も子どもと一緒に楽しめますということが『ビルド』ではできているという気がしています。『エグゼイド』はやっぱり少し変化球だと思うんですけど、でも必要な変化球だったとは思っているので。本当に"二か年計画"だったのかなと今になってみると思いますね。

さあ、新しい「仮面ライダー」を始めようか - 東映・大森Pが語るエグゼイドとビルドの"二か年計画" (3) 仮面ライダーで前年の反省を生かすことは「できない」 | マイナビニュースより。

──スマホがバイクに変化するという今日的なギミックが盛り込まれつつ、ゆえにバイクが常用的なビークルとして頻繁に登場しそうなところも、今回は文字通りの仮面ライダーになるのかなと思いました。

大森 そうですね。ようやく僕が仮面ライダーをやる感じです(笑)。

──「車」「ゲーム」ときて、ついに仮面ライダーでバイクやりますと。

大森 普通の仮面ライダーやってもいいかなってターンになったんです。

▲『東映ヒーローMAX volume56 2017 AUTUMN』より、大森敬仁のインタビュー。

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 『エグゼイド』は異色だった。見た目も、モチーフも。「ゲームライダー」と言うのは大森Pが東映に入社した時からずっと温めていた案らしく、それが実現した『エグゼイド』は視聴者からのウケは良かった。何と言うか、『エグゼイド』からはスタッフ陣の作品への心意気が感じられたんよな。だから視聴率は兎も角、最後まで観続けた者からは人気が高かったのだろう。

 対して、『ビルド』からはあまりそれが感じられない。何故なら、大森Pは『ビルド』と言う企画にあまり乗り気では無かったからだ。

──そして、引き続き新番組の『仮面ライダービルド』を担当されているわけですが、近年では珍しく2作連続でのプロデュースということで、『エグゼイド』の畳みにかかってるタイミングで『ビルド』も進めなきゃいけなかったわけですよね?

大森 そうなんですけど、そもそも「来年もやれ」と言われたのは『エグゼイド』放送が始まる前なんですよね。で、『エグゼイド』は自分のやりたいことをやるというか、すべてを出し切って企画したので、そんなことを言われても完全に空っぽで「マジか……!」みたいな(笑)。

▲『東映ヒーローMAX volume56 2017 AUTUMN』より、大森敬仁のインタビュー。

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 結果として、『ビルド』は「普通の仮面ライダー」になった。即ち、大森Pは「考える」事を意図的に放棄したのだ。

 あと、「二か年計画」って言ってるけど、『ビルド』の初回(1話)の視聴率、『エグゼイド』のそれよりも低くなってるんだよなぁ…!(しかも『ビルド』のそれは歴代最低!)

『エグゼイド』1話『I,m a 仮面ライダー!』5.3%

『ビルド』1話『ベストマッチな奴ら』 4.7%

 んな、新しくも、珍しくも(、面白くも)ない『ビルド』がヒットする可能性は極めて低い。

▼一応12話の感想も軽く

 内海、死す!(?)「どこで道を間違えたんだろうな…」「俺は只、幸せになりたかっただけなのに…」(←それは佐野!)って、内海さん、そういうキャラクターだったの!?全然目立ってなかったしそんな事突然言われても全く付いていけないよ…!こんな展開にするならもうちょっと掘り下げがあっても良かったんじゃないかぁ~!?「のめり込めていない理由は色々ある」と上記したけど、「キャラが不安定」と言うのもその一つでして。まあこれについてはまたいつか。
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 このあと、「内海成彰ターボ」になって復活するんですね、わかります。

 ▼最後に

 『アギト』、『555』、『キバ』等を執筆したヤクz…脚本家、井上敏樹のある言葉を引用する。

井上 やっぱり「志」を高く持ってほしいよね。周りの状況もいろいろあるんだろうけど、もっとプロデューサーに頑張ってほしいね。結局、プロデューサーが言わなきゃダメなんだよね。みんな頑張ってはいるんだろうけど、まだちょっと頑張りが足りないんじゃないの?

 これはライダーに限らないけどさ、お仕事しちゃいけないんだよね。プロデューサーにしても、脚本家にしてもさ、お仕事にしちゃったら、楽しくないし、さびしいよね。

(中略)

 ライダーもさ、もう新しいものはないとか言ってるけど、そんなことないんだよ。頭を絞れば、なんとかなる。番組づくりって、マイナスをマイナスのままやるんじゃなくて、マイナスをプラスに持っていく発想とかさ、そういうのは絶対あるから。

▲『永遠の仮面ライダーシリーズ 語ろう!555・剣・響鬼』より、井上敏樹のインタビュー。

 この記事の最後の文は撤回しようと思っている。『エグゼイド』は作品の出来こそボドボドになってしまったものの、それでも大森Pにとってはこれが「すべて」だったみたいだし、「頑張ってはいた」んだろうとは思う。『ビルド』もまだ3クール残ってるので、もっと頑張って「新しく、珍しく、面白い」ものに変化させて言って欲しい、と、切実に願います。

 

ではこれにて。