レイジング野郎

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『仮面ライダービルド』2話「無実のランナウェイ」感想+考察

※以下は、アガサ・クリスティの推理小節『アクロイド殺し』の深刻なネタバレが書かれてるので、「いやだあああああ!!!知りたくない!!!!」と言う人はこのページを閉じてください。…まあ大分有名だけど…!

▼俺は誰も殺してねぇ?

 ミステリー小節の叙述トリックの1つに「実は語り手(又は主人公)が犯人でしたぁ!」と言うのがある。有名なのがアガサ・クリスティ(『オリエント急行殺人事件』『ABC殺人事件』等)の推理小節アクロイド殺し(1926)』。語り手は医師、ジェームズ・シェパードだ。

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↑これはシェパードン。アクロイド殺し』のあらすじは「アクロイドが殺された!」→「犯人を探せ!」と、至ってシンプル。名探偵、エルキュール・ポワロは、語り手のシェパード医師と捜査行動を共にする。様々な容疑者が登場するのだが、捜査の末、ポワロは遂に真犯人に辿り着く。ポワロが「アクロイドと言う男を殺したのは貴様か!!」と指を指したその人物はなんと、語り手であるシェパード医師本人だったのだ。「語り手が真犯人」と言うタブーな種明かしに対し、読者達はフェア派とアンフェア派の二つに分かれ、争ったと言う。
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 なんでこんな話をしたかと言うと、パンドラボックスを起動させたのは主人公たる戦兎ではないか?」と言う予想が多かったから。『アクロイド殺し』のシェパード医師は記憶喪失では無かったが、「ほんとは主人公が犯人だけど、その主人公の記憶はありませんでしたぁ!」なんて展開も今となってはありがちよね。『デスノート』で主人公がノートの所有権を棄てる事でノートを関する記憶を失い、再度ノートに触れるとその記憶が甦って「計画通り(ニタァ)」てなるような感じですよ(?)戦兎はスマッシュの人体実験の「モルモットだァッ!」だった事で過去の記憶が無い(「二十何年間の記憶」って事は戦兎は生い立ちからの記憶が無い?今までスマッシュにされてきた人間達もそうなのかな?もしかして万丈が「全てを話せ」と言われて生い立ちから話始める事が出来たのは何かの伏線?)まぁ、上記の通り、「実は主人公が犯人」と言うのは割とベタな流れだが、果たしてどうなるか?
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 「人体実験を施されると当人の記憶は失われる」と言う設定から「実は万丈も記憶が無いだけでほんとは殺人を犯してる?」なんて予想もしたのだが、二話でその説は没に。本当に仕組まれた事案だったのね。二話にして早くも万丈の恋人、香澄の存在が判明したと思ったら即座に死亡とは…!「セカイデイチバンノカクトウカニナッテ…セカイデイチバンノカクトウカニナッテ…」(デジャビュ)次回からは一話にも登場したスキンヘッドの監守、ナベシマと言う男がキーパーソンになりそうね。

▼二話の感想

 「全部のテンポが速い!」と言うのが二話の第一印象且つ悪印象。や、幾らなんでも要所要所を端折り過ぎじゃあないか…?井上ワープじゃあないんだからw だって…
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戦兎「ゴリラモンドでガーディアン撃破!やったぜ!」
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戦兎「で、さっき言ってた女って何なん?」

だもんなぁ…!展開が速いのは良いが、二話は幾らなんでも詰め込み過ぎでは無かっただろうか…?『ゴースト』や『エグゼイド』でも突っ込んだ「描写不足」を、果たして『ビルド』は克服出来るのか…!それと、『ビルド』が始まる前からずっと言ってるけど、良い加減、東映は各作品の本編の円盤に「未放映カット集」もしくは「ディレクターズカット版」を収録してください。

 あと、描写不足と言えば、今回、結構不可解なシーンが多かった気がする。例えば、
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このシーン。美空の能力はスマッシュから採取した成分が入ったボトルを浄化してビルドのパワーアップアイテムに変化させる、と言ったものの筈だけど、万丈に煽られてレンジ(?)に入れたボトルは(恐らく)只のブランクボトルだったんよな(「エンプティボトル」って言うのね)。只、向になって適当に取り出したボトルでやったとか?んん~…?
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 あと、戦兎がナイトローグに立ち向かう時、なんでベストマッチじゃないハリネズミタンクフォームで挑んだんだろう?確実に倒したいんだったら先ほど判明したパワーバカのゴリラモンドを使っても良かった訳で。ナイトローグにも「闇雲に選んだボトルで私に勝てると思うな。」なんて言われてたし。情報を聞き出したかったから敢えてベストマッチじゃない組み合わせで戦ったとか?んん~…?

 ん~…なんか二話にして一気に不安要素が増した気がする…!ノリで押し切るのも良いけど、矛盾やハテナが少ないのは間違いなく作品の長所に成り得るので、なるだけそこはしっかりして戴きたいところであります。

▼製作発表から何となくそんな気はしてたけど、
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 この人、全く話に絡んできませんねぇ…!

 (「東都政府首相補佐官兼東都先端物質学研究所所長」って、漢字多スギィ!!)

 

ではこれにて。