レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダービルド』1話「ベストマッチな奴ら」感想+考察

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▼まんま

――仮面ライダーファンの新シリーズに対する受け入れ方も、秋前の発表でちょっと戸惑って、放送がスタートすると受け入れられる――という流れかもしれません。

白倉:僕としては、なぜ放送が始まると簡単に受け入れられているのかがわからないです(笑)。わかりやすいっていうのは、あんまりよろしくないと思ってるんですよ。仮面ライダードライブ』『仮面ライダーゴースト』と続きましたけど、まんますぎるじゃないですか。だから2016年秋からの新シリーズは、名前からは絶対にビジュアルが想像できないようになっています。この先のシリーズでも、「なにそれ!?」というライダーが出てきて、だんだんそれがかっこよく見えるような瞬間が続けばいいですね。

▲animate Times『『仮面ライダーアマゾンズ』シーズン2はどうなる? 東映白倉伸一郎プロデューサーに聞く、これまでとこれからの「仮面ライダー」』より、白倉伸一郎のインタビュー。

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 『クウガ』、『アギト』、『龍騎』、『555』、『剣』、『響鬼』、『電王』、『キバ』、『ディケイド』、うん、確かに平成一期のライダー達は名前を見ただけでは今一ライダーのデザインやストーリーは想像しづらい。『カブト』は直球過ぎるけどw 対して、平成二期ライダーズは結構名前が「まんますぎる」事が多い。『OOO』と『フォーゼ』くらいかな?あまり想像が付かなそうなの。『OOO』はメダル(O)が三枚で「オーズ」、『フォーゼ』は「40(周年)」から「4(「フォー」)」+「0(「ゼ」ロ)」なので割かし簡単な由来ではあるんだけどね。まあそんなこと言ったら白倉作品たる『電王』や『ディケイド』も安直なんだけど…(笑)

『W』→2つ?今回のシリーズは二人で変身するライダー?

『ウィザード』→魔法使い?今回のシリーズは魔法使いライダー?

『鎧武』→鎧武者?今回のシリーズは鎧武者ライダー?

『ドライブ』→ドライブ?今回のシリーズは車に乗るライダー?

『ゴースト』→幽霊?今回のシリーズは幽霊ライダー?

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 そう考えると、『エグゼイド』は割りと捻ったネーミング(「究極の救済」を意味するEX(エクストリーム)-EID(エイド)の略)であるので、あまり内容を予想出来ない。「医者」と「ゲーマー」の組合せなら尚更だ。しかし、それの後続である『ビルド』はと言うと…

黎斗神「誰だお前は!」

ビルド「仮面ライダービルド「作る」、「形成する」って意味のビルドだ。以後、お見知り置きを。シーユー。」

▲『エグゼイド』44話「最後のsmile」より

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 まんまですね…!

 なんでこんな話をしたのかと言うと、『ビルド』はあまりこれまでの平成ライダー(特に二期)よりも「なにそれ!?」と感じれないから。要するに「普通」感がとても大きい。しかし、それ故にこれまで「冒険」を続けてきた平成ライダーに於いては「久しぶり」な事も多い。

▼1.パイロット監督は田崎竜太
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 実は『ドライブ』以来、2年ぶりである(『ゴースト』は諸田敏、『エグゼイド』では中澤祥次郎がパイロット監督)。まあ田崎監督は最近は『アマゾンズ』を撮ってたんだけど。なんと言うか、田崎監督、「無難」な人選よね。パイロット監督としてのキャリアも十分ある安心感のある監督よね。

田崎 とにかく、『フォーゼ』以降も各作品でなんとか1エピソードは撮らせていただけるようにお願いしてはいるんです。『カブト』のときもそうでしたが、他の人が作った庭で遊ばせてもらうような感覚も、それはそれで撮っていて楽しいですから。まだ未定ではありますが、新作の『エグゼイド』でも機械があればぜひ撮らせていただきたく思っております。

▲『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より、田崎竜太のインタビュー。

 結局、田崎監督は『エグゼイド』を撮ることは出来なかった。大森Pの以降なのか、氏が『アマゾンズ』や『科捜研の女』で忙しかったからなのかどうかは知らないが、仮に大森Pが敢えて田崎監督をメンバーに加えなかったのだとしたら、それもまた一種の彼の「挑戦」だったのかも知れないしそうじゃないのかも知れない(どっちだ)

▼主題歌は女性ボーカル

 実は『フォーゼ』の土屋アンナ(『switch on!』)以来、6年ぶりである。『ビルド』のop、『Be The One』を歌うのは「PANDORA feat. Beverly」と言うグループ。「珍しく有名所のアーティストが担当してないな…」と思ったら「PANDORA」と言うユニットはaccess浅倉大介TM network小室哲哉(TK)のコンビなのか。まさか二年連続「仮面ライダー」でaccessが関わるとは…!ボーカルの「Beverly(ビバリー)」も最近頑張っている歌手なんだとか。取り敢えず、『Mステ』に出演して歌ってくれれば何も文句は言いません(笑)

▼○○"フォーム"
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 実は『ディケイド』(コンプリート"フォーム")以来、9年ぶりである。『OOO』以降、「フォーム」と言う言葉が使われなくなっていたのだが(コンボ、ステイツ、スタイル、アームズ、タイプ、魂、ゲーマーetc…)ここに来てまさかの復活。只、フォーム名長いね…!(ラビットタンクフォーム、ハリネズミタンクフォーム、ゴリラモンドフォームetc…)

▼ファーストインプレッション
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 ビルドは「ダサい」と言う評価をあまり耳にしない…!「エグゼイドが異色過ぎた」と言う人もいるが、それにしてもビルドは「格好良い」と大衆からの評判が高いね。普段ライダー作品を観ない一般人でさえ評価してるくらいだからな…!(レイジング野郎の体験談)

▼最初から仮面ライダーなのさ

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 実は『ウィザード』以来、5年ぶりである。成程、今回は1話で変身能力を手に入れるのではなく、最初から変身能力を手にしている状態からのスタートなのか。皆さんはどっちが好みですか?

 と、ここまで書いてきたが、要は何を言いたいかと言うと、『ビルド』にはこれと言った「異端さ」が無い、と言う事。上記の事柄は「久しぶり」ではあっても「初めて」ではない。決して悪い事ではないが、心配なのは大森Pの『ビルド』に対するモチベーションである。

▼「ゲーム」が無くなった今
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 大森敬仁はずっと「ゲーム」をモチーフにしたライダー作品を夢見ていたらしく、しかしそれが『エグゼイド』で果たされてしまった今、彼に「やりたいこと」と言うのは無くなってしまったと言う事になる。氏の「引き出しの少なさ」は自身のTwitterで呟いていたが、これは憶測だが、『エグゼイド』を世に出し、その後『ビルド』と言う企画を担当する事が決まった彼には「視聴者に観て貰う(=売り上げを上げる)」と言う考え(目標)しか残っていないように思われる。

 大森P(というより大森P作品)は、何かと「人を惹き付ける(又は盛り上げる)」のが上手い。『ビルド』でも、「フォーム」と言うワードや田崎竜太パイロット担当は、古参のファンを刺激し、そんな中に新しくライダーに関わる武藤将吾と言う脚本家の参戦は、「新しさ」を求めるファンも惹き付け(因みに、『エグゼイド』での「通り魔事件」は、高橋悠也曰く、「僕あれ書いてないですから!自分以外のライダーの印象下げたくてやったんじゃないですから!」との事)更には特撮ファンなら馴染みの深い赤楚衛二(万丈龍我役)や滝裕可里(滝川紗羽役)の出演はファンとしては見逃せない部分の一つともなっている(チヒルルォ!!ニゲルルォ!!)ビルドのデザインも誰もが受け入れられる「格好良い」やつなので、これは普段観ない一般人のお客さんも狙えそう。只、これ等の事で視聴者を増やす事は出来ても、そこからの一年の中で、作品が破綻してはいけないので、大森Pには頑張って欲しいところ。でも…

大森 来週から新ライダーが始まりますが、『エグゼイド』で「やりきったー!」と思ったところに『ビルド』が来ちゃったんであれなんですけれども…そっちの方もよろしくお願いします。

▲『仮面ライダーエグゼイド 最終回・後夜祭』より、大森敬仁の談(原文ママ)

 大丈夫なのかこれ…!

▼と言う訳で1話の感想
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 「会話のテンポが良い!」と言うのが第一印象且つ好印象。結構難しめの会話が目立つが、それを飽きさせない作りなのは良いね。今後もそれを維持して戴きたい。戦兎くんの言葉の達者っぷりはあまり記憶喪失感を感じさせないね…!ライダー初参加の武藤将吾はライダーオタクみたいね。

きっかけは、息子でした。偶然一緒に観たニチアサに衝撃を受けると同時に、これまで「平成ライダー」に触れてこなかった己を猛烈に悔やみました。
それからというもの、クールかつハードな第一期に酔いしれ、娯楽性を追求した第二期に興奮し、気づけば「平成ライダー」を熱く語るオッサンになっていました。
第19作。「仮面ライダー」の歴史の重みを真摯に受け止め、最大級の敬意を表すとともに、これまで培ってきたノウハウを活かして、子供も大人も燃える作品を志していきます。
一年間、どうぞ宜しくお願いします。

マイナビニュース「仮面ライダー最新作は『仮面ライダービルド』! 天才物理学者が2つのボトルで変身 - 基本フォームと専用マシンを大公開」より、武藤将吾のコメント。

 以下は、最近だと『アマゾンズ』を執筆した小林靖子(と、小林雄次)の(対)談。

雄次 靖子さんは「特撮に詳しくないから」という理由で下山健人さんや毛利亘宏さんを東映に紹介されたんですよね。それ、大事だなって思いました。「特撮、大好きです」って言う人が脚本を書きたがることも多いけど、それはただのマニアである場合が多くて。

靖子 そういう人って、えてして設定ばかりにこだわりすぎますよね。東映にもよくライター志望者が書いたものが送られてくるらしいんですけど、送られてくるのはシナリオじゃなくて設定が多いんですって。個人的には、内容が設定よりも面白ければいいと思いますが。(中略)やっぱり基本は小さい子が見るものじゃないですか、特撮って。あとは、あんまり設定に凝りすぎると「そこ説明してもつまんないでしょ」って思います。確かにライダーは戦隊との棲み分け上、少しドラマが複雑だし、主人公たちも大人っぽいですけど、それでも「この設定は大人が突っ込みそうだから」みたいな意識では書いていないです。むしろライダーもどんどん魔法チックになってきているので、戦隊との差は少なくなってきてるかも。

▲『ヒーロー、ヒロインはこうして生まれる アニメ・特撮脚本術』より、小林靖子小林雄次の対談。

  自分には小学校低学年の弟がいる。自分がリアタイで「仮面ライダー」を観る時は、早起きが得意なその弟と一緒に観るのだが、『ビルド』1話が終った後、「この話の意味分かった?」と試しに聞いたら「分かんない」と答えられちゃいました(笑)そう言う意味も込めて、常に「面白く」会話が進んでいく作り方を徹底して欲しい、と言うのが自分の願望。小林靖子の『電王』みたいにね(あれはちょっと違うけど…!)。

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 何はともあれ、これから一年間、頑張れ!仮面ライダービルド

 (唐突にまとめに入ったな…!)

 

ではこれにて。