レイジング野郎

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『仮面ライダーエグゼイド』36話「完全無敵のGAMER!」感想+考察+『エグゼイド』現段階評

▼『エグゼイド』は『ゴースト』の続編
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 と、自分は捉えて『エグゼイド』を観ています。最近、『エグゼイド』の感想記事を見返してて思ったけど、自分、結構『ゴースト』を引き合いに出してるね。まあ、その位には『エグゼイド』と『ゴースト』には繋がりがあると感じている、と言う事です。理由は幾つかあって、一つは単純にゴースト/天空寺タケルとエグゼイド/宝生永夢が公式で面識があるから(まあ、時系列を考えると矛盾はあるんだけどね)。もう一つは、この二作が「命」をテーマにしているから。…これに関しては「続編」と言う表現は違うかな?そうだなぁ…。じゃあ一先ず、『エグゼイド』と言う作品を"『ゴースト』の「応用編」"とでも書いておくか。

▼命は大切、これ常識
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 『ゴースト』は一年間かけて「命の大切さ」を描いてきた作品である。

高橋(一浩) 第1クールは眼魂を集めれば生き返られると信じてそれを集める。第2クール以降は、眼魔の成立ちを描いています。物語で一貫して描いているのは、命は大事、話せば思いは通じる、という普遍的な事です。

▲『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より、『ゴースト』チーフP、高橋一浩のインタビュー

 しかし、自分で「普遍的」と言っている通り、これは大友にとっては極々「当たり前」の事であり、『エグゼイド』でも高橋悠也が永夢にそれを代弁させているね。
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永夢「もう何を言っても無駄ですよ。病で苦しむお母さんを側で見てきた筈なのに、命が大切って言う当たり前の事もこの人(新檀黎斗)には理解出来ないんだ。」

▲『エグゼイド』31話「禁断のcontinue!」より

高橋(悠也) 医療とゲームがテーマになるって言うのを聞いて、で、前作が『ゴースト』で命がテーマだったんで、医療でまた命がテーマになるって言うので『ゴースト』と同じ事をやっても仕方無いし『エグゼイド』ならではでどうしたらいいかなってなった時に、ま、なんか「命は大切だ~」みたいな事って言うのはまあ言わなくても誰でも分かってる事なので、えー、その、「生」と「死」とって言うかそことどう向き合っていくのかって言うのを、ま、医療とゲーム、医療で言えばたった一つしかない命ですしゲームで言えば何度も甦る命ですし、っていうのを二つをテーマに描いていけたらいいな、っていうのはテーマとしてありましたね。

▲『第2回東映特撮ファンミーティング・「仮面ライダーエグゼイドBlu-ray発売記念でエグゼイドスタッフが集結」』より、『エグゼイド』メインライター、高橋悠也の談

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 つまり『ゴースト』では「命が大切」と言うテーマをド直球に押し出したのに対し、『エグゼイド』は「医療とゲーム」と言うベースを元に、少し捻った形で命を描いている。高橋一浩と高橋悠也、「命の大切さ」の伝え方は同じ高橋でも似て非なるものだった、と言うことさね。
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 で、『ゴースト』は大友からは批判の声が多く、『エグゼイド』には称賛の声が多いが、そもそもオタクと言うのは大なり小なり「設定に拘りがち」で、高橋悠也が以前、執筆した『エイトレンジャー』を観てても思ったのだが、高橋氏は「(人物描写よりかは)ギミックや説明に力を入れる」書き方をしている(ように見える)為、それと命を絡めて構成されている『エグゼイド』は『ゴースト』と比べて「前作より命について考えさせられる…」となってしまうのだろう(まあ、最近その「ギミック」って言うのは少しガバガバになってきてるんだけど…!)

 対して、『ゴースト』の「命は大切」と言うメッセージの直球さはメインターゲットたる子供達に配慮したものである。

高橋 (中略)タケルって、普通は恥ずかしくて言えないことも言えるじゃないですか。「人間の可能性は無限大だ!」とか「愛は命を生み出す奇跡の力だ!」とか。あれって抵抗を感じる人もいたと思うんですけど、まだ大人になっていない思春期の子供だから言えることというのを開き直ってやって見たんですよ。だからクドいくらいに同じことを言わせました。

──そもそも「命、燃やすぜ!」が決めゼリフの人ですしね。

高橋 そうそう。本気で命を燃やしてる人が「命、燃やすぜ!」なんて言うかって思いますよね(笑)。でも、最初は口だけで言ってた「命、燃やすぜ!」が最後のほうでハマってくるといいなと思っていたので。初期の平成ライダーって、大人の感情を大人が喋るもんだから、本当に思ってることを言わないというのが多かった気がするんですね。でも、今回は子供に向けて作ろうということだったので、タケルが思ってることを恥ずかしげもなく言うべきなんじゃないかと。そういうライダーもあってもいいんじゃないかと思ったんです。

▲『仮面ライダーゴースト 公式完全読本』より、高橋一浩のインタビュー

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 「命、燃やすぜ!」「魂は永遠に不滅だ!」「人間の可能性は無限大だ!」「俺の生き様、見せてやる!」「心の叫びを聞け!」うん、タケルに限らず『ゴースト』のライダーは皆、台詞がクドいね(笑)そんなクサい言葉をしつこ過ぎる程言わせ続け、大衆からはbotかよwww」なんて言われていたが、それは子供への「解り易さ」に繋がる。「命は大事、話せば思いは通じる」「人間は素晴らしい」と言うメッセージをより解り易く伝えると言う意向は成功したのか、お蔭で『ゴースト』は子供の人気を獲得出来たのだから凄いよね。因みに、ソースは何だったか忘れたけど、タケルが生き返った理由も「死んじゃうと子供達が悲しんじゃうから」みたいな事を高橋一浩が言ってたな。『ゴースト』は兎に角、子供目線が強い作品だったね。
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 『エグゼイド』を『ゴースト』の応用編(続編)と評する理由は、『ゴースト』で「命の大切さ」を学んだ子供達にそれをより深く教えられるのが『エグゼイド』、と言う風に考えているからです。要は足し算と引き算を覚えたから次は掛け算と割り算を学ぶ、みたいな感じですよ。…まあ『エグゼイド』の製作陣はそんな事微塵も気にしてないだろうけど…!「一つしかない(コンティニュー出来ない)命」VS「何度でも甦る(コンティニュー出来る)命」の戦いは仮面ライダークロノスの乱入により絶たれた。今後はバグスターも「命」と言う物にどう向き合うかも描かれるであろう『エグゼイド』の展開は、タケルが生き返る為に奮闘する『ゴースト』とはまた違う命の描き方である。『ゴースト』だとアランがフミバアやアドニスの死を見て命の儚さを知る、と言う展開があったけど、果たしてバグスター達は「命」と言うテーマにどのような結論を提示するか。これはバグスターに限らずドクター達もだね。何にせよ、『エグゼイド』も残り1クール。どのような結末を迎えるか、見ていくとしますか。因みに、自分はもう一つ、『エグゼイド』を『ゴースト』の応用編と捉える理由があるんだけど、これは今後の展開に寄って左右される可能性があるので…今はまだ書きません(笑)『エグゼイド』総括とかにもしかしたら書くかも知れないので楽しみに(?)待っててください。

▼完全無敵は人の繋がり

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 仮面ライダーゴースト ムゲン魂はアカリや御成、マコトやアラン、仲間達の想いの力でタケルが復活し、手に入れた力。人の想いは、未来へと繋がっていく。無限に。ムゲン魂とは、仲間(人間)の想いの結晶である。
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 何気に仮面ライダーエグゼイド ムテキゲーマーも仲間の力で完成した形態だね。ムテキゲーマーはマキシマムマイティXガシャットとハイパームテキガシャット、二つのガシャットを合体させて変身する。マキシマムマイティXガシャットは九条貴利矢の残したリプログラミングのデータを元に、小星作、鏡飛彩、花家大我が協力して生み出す事が出来たガシャット。即ち、このガシャットには檀黎斗が全く製作に関与していなかったガシャットだったけど…
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 今回、遂に(新)檀黎斗はエグゼイドのパワーアップフォームに関わり、更には、ムテキゲーマーへの変身の為に永夢はパラドをも利用する。実はムテキゲーマーとは『エグゼイド』に登場する全ての主要ライダー(ブレイブ、スナイプ、レーザー、ゲンム、パラドクス)の力で成り立っている最強形態なのだ。『トゥルー・エンディング』の予告では六人同時変身のシーンがあったけど、本編でもそれはあるのかな?
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 だからムテキゲーマーの誕生を皆で喜ぶシーンはちょっと感動した。貴利矢はやっぱり芝居で悪役に回ってたんだねw(ニコとは初対面の筈なのにこの仲良しっぷり…!)何はともあれ、今後のムテキゲーマーの活躍に期待!
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 その力はまさに無敵!ムゲンみたいに負けが少ない最強形態になる事を祈って…

▼と こ ろ で
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 『ゴーストRE:BIRTH』第2弾は出ないんですか…!?

 『鎧武外伝 デューク/ナックル』の発表が5月上旬のイベント、『ドライブサーガ マッハ/ハート』が『チェイサー』発売前だったけれど、こんな時期に発表が無いんじゃもう望み薄かしら?『スペクター』の売上、良くなかったのかなぁ…?

高橋 確かに今回は子供に向けて作ろうという意識がこれまでより強くて、実際にファイナルステージの客層を見ても家族連れがほとんどでした。だから正しく子供にウケてたということなんですが、逆に言えば大人のお客さんが少なかったんですよね。女性ファンも、磯村(勇斗)と山本(涼介)に少しいるのかなという印象で。眼魂の玩具はすごく売れたものの、大人の層が薄いのでイベントとかプレミアム商品は思ったようにはいきませんでした。だから、そこは良し悪しなんでしょうね。

▲『仮面ライダーゴースト 公式完全読本』より、高橋一浩のインタビュー

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 「友情バーストゴースト眼魂」が商品化されないのもこれが理由か。本編放送中は玩具売上が良かったらしく、そのお陰でリペイント(一部は新規造形だが)ではあるものの、「ディープスラッシャー」「ガンガンキャッチャー」を商品化出来たらしいけど、その後の玩具の売上は芳しくなかったんだろうね。まあ兎に角、今まで各作品に二作ずつVシネマが作られるのが定番だっただけに『ゴースト』だけ一作しか出ないと言うのは悲しい…!以前、『スペクター』を撮った上堀内監督「5月にも色々お知らせが…」みたいな事をツイートしてたからてっきりVシネマ第2弾の事だと思ってたんだけど、別にそんな事はなかった!(泣)
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 『ゴースト』のフィナーレは小説になりそうね。『鎧武』の時も思ったんだけど、最後の活躍が小説ってちょっと拍子抜けに感じない?やっぱり映像作品がフィナーレであってほしいって言うのはある。『ドライブ』みたく、「小説の内容がVシネマにも繋がる!」な感じだと思ってたのに…!まあ小説は本編で描ききれなかった設定を全部書いてくれるらしいから、非常に楽しみにしています。これの感想はどうしようかなぁ…?…まぁ、思うところがあれば書きます。

 

ではこれにて。