レイジング野郎

特撮多めの不定期ブログ たま~に関係無いことも

『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode4「QUO VADES?」感想+考察

▼QUO VADES?

 前回(3話)の「PERSONA NON GRATA(ペルソナノングラータ)」に続き、今回もラテン語のサブタイトル。「QUO VADES(クォ・ヴァディス)」とは「何処へ行くのか?」と言う意味。そんなサブタイなだけあって、今回は色んな方々がお出掛けしていたね。お出掛けってレベルじゃないのもあったけど。

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 千翼とイユが向かった場所は…
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遊園地。イユは千翼の真似をしながら二人でアトラクションで遊んだりクレープを食べたり、端から見れば普通のデートだが、結局、それは本当に只の真似っこでしかなくて、だから千翼がリバースしてしまった時もイユはそれと同じ行動をとろうとする。どうやってもイユは心の無い人形(『スペクター』並感)なのが悲しいね。それでもイユに手を握られたり「千翼、駆除しちゃいけない奴」とちょっと特別に見られたからと言ってドキドキしちゃう千翼は童貞猛々しいな…!まあ「気持ちは解らなくもない」なんて人もいるだろうけどね。
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 旧駆除班メンバー(と長瀬君)が向かった場所は…
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よく解らない何処か。そう言えば白倉Pが『アマゾンズ』公式サイトでこんな事を書いていた。

「クォ・ヴァディス?」

そう訊ねたのは、イエスの弟子。

イエスの行く先は、弟子のだれにもわかりませんでした。わからなかったがゆえに、弟子たちはその後の生涯を捧げざるをえなくなりました。

ましてや『アマゾンズ』では、「どこへ行く?」と訊ねるほうも、訊ねられるほうも、行く先がわかりません。

その「わからなさ」は、生涯を左右する罪として、のちのち、かれらの身に降りかかってくるのかもしれません。

 ウォーターサーバーの水源を探すべく、駆除班達は動き出す。そこは未知の領域である。ていうか、駆除班達の装備、強くなってたね。『season1』に登場したアマゾン達が総登場したが、それらに一歩も譲らない駆除班メンバー。もう5年前のアマゾンなんか敵じゃないのか…。時代は変わった…!そして、駆除班の前に立ちはだかるのはモグラアマゾンことマモル。結構格好良い服着てたけど何処で手に入れたのか…!(←そこかよ!?)強者感半端無かったけど、やっぱり人を食べて生きてきたのかしら?前回の感想記事にも書いたけど、モグラアマゾンがハンバーガーを持つシチュエーションは来るのだろうか…!何にせよ、駆除班の皆とは何かしらの何かしらでまた仲間同士に戻ってほしいね。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』28話「identityを超えて」感想+考察

 『ゲンム』の感想記事を追記しました▼

 今回の記事は追記した『ゲンム』の記事と関連してるかもしれないししてないかもしれません。それではどうぞ。

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▼クリア~!大成功だドン!

 以前(26話感想にて)、「『ドレミファビート』含め、各ガシャットのゲームがどういうゲームなのかが解らない(ポッピーの役割が解らない)」と言った趣旨の文を書いたのだが、今回(28話)で永夢の口から明かされたね。ポッピーピポパポがどんな奴なのか。

永夢「ポッピーはプレイヤーを傷付けるような奴じゃない。プレイヤーと一緒に音楽を楽しんで、いつも笑顔でいる、優しいキャラクターだ!」

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 ↑要するにコイツみたいな立ち位置か。太鼓を叩くプレイヤーと一緒に自分もダンスを踊り、クリアすれば一緒に喜んでくれる。ポッピーもそう言うキャラクターなんだなきっと。…と、最近『ゲンム』を観た自分はそう感じてしまいました(笑)だから「ポッピーを笑顔にすればゲームクリア」と言うのは確り理に敵っていて、飛彩が行おうとした「倒す(切除する)」と言う行為は寧ろ間違いだったのかもね。
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 飛彩はゲームに興味が無い(知らない)。どのくらい興味が無いかと言うと、CRに『ドレミファビート』の台が常時設備してあるにも関わらず、それが何のゲームなのかすら微塵も解っていなかったくらい。バガモンの一件に立ち会っていない飛彩は患者を治す=バグスターを倒す(ゲームクリア)と言うのが常識だった為、ポッピーを切除しようとするのだ。「ゲーム病患者の治療法がバグスターの切除」と言うのは「風邪が風邪薬を飲めば治る」と言う事ぐらい常識な事だと。
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 飛彩は良くも悪くも患者優先で永夢は良くも悪くも仲間優先な性格。…仲間優先ってのもちょっと違うかな。でも永夢は人に深入りする性格故、その人に何かが起こるとそれが感情や行動に出やすいのが"ドクター"としての難点。3話で勇樹を救う為に体を張るのも、貴利矢の死を根に持ち、外科研修に集中がいかないのも、今回、飛彩が「これは患者の為だ!」と言ったにも関わらず、「五月蝿い!」と言って払い除けるのも永夢がその人に深入りしてしまうから。今回の患者、鮫島拳も「俺は患者っすよ!?患者よりウイルスの方を庇うんすか!?」と苦言していたが、実際、それはド正論で、ドクターの私情等、患者は知ったこっちゃ無いんですよ。飛彩が「私情は捨てろ」と助言してるにも関わらず、永夢はそれが出来ない。19話感想にも書いたが、永夢はドクター向きの性格をしてないんだよな。まあ、それをサポートするのが飛彩な訳だが。

 しかし、これは言い方を変えれば、「自身を犠牲にしてでも全ての人を救いたい」って言う事なんだよね。その為なら、何か他の策がある訳では無くても、今、目の前の誰かが死に陥ろうとしているなら、その人がそうならないように尽くすのが永夢と言うキャラクター。ポッピーの事も救いたかったけど、別に鮫島さんを疎かにしていた訳じゃあなかっただろうしね。要するに『鎧武』の葛葉紘汰みたいな感じですよ。代替案がある訳ではないが、スカラーシステムと言う大量殺人兵器が人々を襲うなら、それは兎に角ぶっ壊す、みたいな。彼ら二人の共通点は「誰も死なせたくない(擬制にしたくない)」という点である。
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 で、結果的に成功したと。この展開は地味に御都合主義を感じてしまうけど、まあ個人的にはアリです。紘汰と永夢のもう一つの共通点は「個人的な感情論が結果、良い方向に転がる事が多い」所かな。まあこの二人に限ったことじゃないけど…!

 そういや、今回のブレイブはドラゴナイトハンターZガシャット(レベル5)を使わず、態々それよりも弱いドレミファビートガシャット(レベル3)を使っていたけれど、これは高橋氏か諸田さん辺りが意図的にやったものなのかな。今回は『ドレミファビート』のキャラクターであるポッピーを描いたお話だったから。
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 「『ドレミファビート』がしたいよ…」の台詞のシーンでポッピーと永夢の間に映るブレイブ ビートクエストゲーマーって画に天才さを感じてしまう…!

▼俺がお前でお前が俺で

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 成程、パラドが永夢に過剰に拘っていた理由は、パラドは自分と対等にやり合える存在を欲しがっていたが、自分(パラド/永夢)が天才ゲーマー故、その相手が永夢(パラド/自分)しかいなかったから、て感じなのか。…なんか色々ややこしいな…!ちょっと此処に関しては考え出すと頭がパンクするので次回を待つことにしますか。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode3「PERSONA NON GRATA」感想+考察

▼PERSONA NON GRATA=AMAZON (NEO)?

 「PERSONA NON GRATA(ペルソナノングラータ)」とは外交用語であるのだが、その原義(ラテン語)は「厭わしき人物」。今回の『アマゾンズ』の最後のシーンを観るとアマゾンネオは脳味噌を吸われた女性に食欲を感じてしまった事からイユにターゲット(敵のアマゾン)と認識されたから攻撃されたのかな?イユはアマゾンの「人を食べたい」と言う欲望に反応して敵を沈黙させる存在なのか。戦闘シーンでもそうだったが(「邪魔。」「退け。」等)千翼がイユにどれだけ好意を抱こうと、イユは人としての感情を抹消された謂わば人形故、喜怒哀楽を感じず、剰え他人の事を好きになる、なんて事等有り得ない。イユが動く(生きる)理由はアマゾンを倒すと言う目的以外に何も無いのだ。果たして彼女に感情が戻る事はあるのだろうか。

 でもって人間にとっての「PERSONA NON GRATA」はアマゾンだね。千翼はアマゾンだがアマゾンを嫌い、「俺は人間だ!」と譲らない。人間とは自身らに被害を及ぼす存在を忌み嫌う生物で、それ故に人食いであるアマゾンは嫌悪の対象になるのである。それでも、嘗てアマゾンの中にも人間と共存していた(出来ていた)イレギュラーな者もいた。
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 そう、水澤遥だ。彼も千翼と同様、「僕は人間だ!」と自身を人間と言い張り、アマゾンを狩っていた。そんな彼は5年前、トラロックから生き残ったアマゾン達と姿を消した。そして、再び姿を現した遥はイユ(とその家族)と何等かの関係がある模様。遥にも新設定が追加されたか。どんどん謎が増えていくね。まだ『season1』の謎も残っていると言うのに…!
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 にしても遥、『season2』に入って大衆から「大人っぽくなった」なんてよく言われてたけど、美月と対面した瞬間、いつもの遥に戻ったね…!でもまあ5年ぶりの再会だし、柔らかくなるのも無理は無いけどね。美月も遂に戦いに参戦か…!「戦う選択肢はアリだ」と言う台詞がこう繋がったか。新人なれどもエキスパートな腕を持つらしく。素質があったのかどちゃんこ訓練したのか。何にせよ、遥関連のキーパーソンになるのは間違いなさそうね。
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 ケンタ君、生きてたァーッ!!しかし、片足を失い、「バイクの免許を取る」と言う夢を絶たれてしまったのか。夢ってのは呪いと同じなんだよ(by宮本武蔵)長瀬くんは流れ的に駆除班(仮)に加入するのかな。ケンタもちょこちょこ出てきて欲しいね。仲間(アマゾン)に体の一部を食われた繋がりで三崎君と何かドラマがあったり…しない?
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 マモちゃん!生きとったんかワレェ!!彼もまた人間と共に生きていたアマゾンの一人。駆除班の皆には牙を向けるのかな。あまりそんな展開は期待しないけど…。『season2』でこれまで登場していたアマゾンは皆、新種のアマゾンだったから、今までの普通の人工のアマゾンが出てくるのは何気に初かしら?遥は他のアマゾンとは違うし。…ていうかちょっと話変わるけど、「S.H.figuarts モグラアマゾン」が最近発表されたけど、付属品にハンバーガーはちょっと違くない!?完全に人間体のイメージしか無いよ…。…つーか怪人体でハンバーガー持ってたシーンなんか無ェよ…!『season2』ハンバーガーを食べるって言う伏線?いやいやまさかね(←地味に期待している) 

 

 

ではこれにて。

Vシネマ『ゴーストRE:BIRTH 仮面ライダースペクター』感想+考察

 最初に言っておく!自分も書き終わってから気付いたが、この記事は深海マコト/仮面ライダースペクターについては殆ど触れていない!マコトの衝撃の真実とかタケルの結婚フラグとかアカリとイゴールのその後とか御成の探偵物語とか「配達屋、久し振りに見た」とかカノンちゃんの濡れ場とかそう言うのは全く書いていないのでその辺りは予め御了承下さい。じゃあ何について書いたのかって?見ていけば解ります。それではどうぞ。

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▼人間っていいな。

 以下、『「仮面ライダー」超解析 平成ライダー新世紀!』より『ゴースト』チーフプロデューサー・高橋一浩の談より引用。

高橋 第1クールは眼魂を集めれば生き返られると信じてそれを集める。第2クール以降は、眼魔の成立ちを描いています。物語で一貫して描いているのは、命は大事、話せば思いは通じる、という普遍的な事です。(中略)「人間は寿命があり、体は脆弱」とアランが言っていますが、それでも「人間は素晴らしい」ということが伝われば幸いです。

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 「人間は素晴らしい」それがチーフP・高橋一浩の持論である。その思いは『ゴースト』本編にも色濃く出ており、それを思わせる台詞は数知れず。眼魔達は眼魂故、食事や睡眠、運動といった人間がしなくてはならない3原則の行動をせずとも生きていける。その為、彼等はそういった行いをしなければ生活出来ない脆弱な人間の身体を不便と評してきた。それでも、身体は脆弱でも、それでも「人間は素晴らしい」と言う事を伝えようとしてきたのが『ゴースト』と言う作品なのだ。それが顕著なのがアランが「人間の何たるか」を学び変わってゆく謂わば「アラン編」。幾つか例を挙げてみよう。

▼例えば、20話「炸裂!炎の友情!」
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タケル「マコト兄ちゃんを苦しめて、それでもお前は友達か!」

アラン「心があるから苦しむ。無い方が幸せというものだ。

タケル「ふざけるな!心があるから人間なんだ。心があるから通じ合う。だから人間って素晴らしいんだ!

▼例えば、23話「入魂!デッカい眼魂!」
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アラン「貴様に、そして兄上にも裏切られた私を笑いに来たのか?」

マコト「お前が俺達を助けてくれた。今度は、俺がお前を助ける番だ。そろそろ、これが必要なんじゃないか?」

アラン「誰が施しなど…!」

マコト「無理するな。生身の体だ。」

アラン「はあ…。こんな不便なものが、お前達が望むものなのか?

マコト「今に、お前にもわかる。

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マコト「大丈夫か!?」

アラン「礼は言わないぞ。私は誰の助けもいらない。」

マコト「アラン!例えお前が何も信じられなくても、俺はお前を信じてる。

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カノン 「アラン様。」

アラン 「いたのか。」

カノン 「アラン様が、此処に来るんじゃないかと思って。」

フミ  「なんだ、やっぱりデートだったのかい。」

アラン 「デートとは何だ?」

カノン 「フミ婆、そんなんじゃなくて…。」

フミ  「ハハハ、照れるな照れるな。一緒にいて楽しいんだろ?ん?ホッとするんだろ?

アラン 「私を愚弄する気か?」

フミ  「ホホホ…相変わらず面白いねえ。自分の心に正直になりなよ。

アラン 「心…。

(アドニス)「迷った時は、自分の心に従え。」

アラン 「心など不要のはず…。

フミ  「ほら、たこ焼き食べなよ。」

アラン 「たこ焼き…!」

▼例えば、27話「決死!覚悟の潜入!」
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アラン 「父上、教えてください。この世界は人が死なず争いもなく完璧に調和が取れた世界のはず。しかし先ほど、民が消えるのをこの目で見ました。人が死に、そして争いが起きています。私は今まで何の為に…。」

タケル 「アラン…。」

アラン 「父上は私に言いました。」

(アドニス)「アラン。迷った時は、自分の心に従え。

アラン 「あれは一体どういう意味なんです?父上。

タケル 「とにかく此処から逃げよう。」

アラン 「タケル、さっきはお前を一人にして…」

タケル 「良かったね。お父さんに会えて。」

アドニス「アラン。良き友を得たな。

アラン 「え?」

▼例えば、29話「再臨!脱出王の試練!」
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アラン「信じるものを全て失った。私はこれまで一体何の為に…。」

フミ 「心が迷子になってるみたいだね。青春だね。それが、人間ってもんだよ。私も若い頃は、散々悩んだもんだ。だから今は、自分の心が何をしたいかわかるのさ。私の心は、こいつを焼いて、あんたに食べさせたいって、叫んでるのさ。」

アラン「私の心は、何をしたがっているんだ?」

(中略)

アラン「私の心は死んでしまったのだろうか?

フミ 「そんなに難しく考えるもんじゃないよ。若い頃はどうしても、心と上手く付き合えないもんさ。」

アラン「しかし…。」

フミ 「昔、絵描きを、目指してたのさ。でも諦めた。苦しくて苦しくて、心が迷い、死んじまったみたいになった。だけど今は、たこ焼きで皆を笑顔にできる。幸せさね。心は死なないんだよ。

アラン「フミ婆…。」

フミ 「そうだ。久しぶりに絵を、描いてみたくなったよ。宝物を沢山ね。どうだい?」

アラン「空が…青い。宝物か…。そうだな。」

フミ 「焦らなくていいんだよ。いつか、心の声は聞こえるさ。そしたら、心のままにやってごらんよ。

▼そして、30話「永遠!心の叫び!」

 皆大好き、30話。アランはフミ婆の死を知り、哀しむ。人が死ぬと言う事は哀しい事である。"心"を手に入れたアランはその事実に酷く苦しめられるのだ。
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女性「ねえ、フミ婆本当に亡くなっちゃったの?」

男性「フミ婆亡くなったんだって!?突然過ぎるよ…!」

アラン「…!

(中略)

アラン「なんなんだ?この感情は…。心があるからこんな気持ちになるのなら、心なんていらない…。

 しかし、フミ婆の告別式に訪れている人々は様々な感情(表情)を見せていた。泣いている者もいれば、なんと笑っている者もいたのだ。
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アラン(泣いている人間もいる。笑っている人間もいる。なんだ?これは。)

タケル「アランもお別れを言ってあげて。きっとフミ婆も喜ぶから。」

アラン「人間は死んだら終わりだ。

タケル「そんなことない。フミ婆は…フミ婆の思いは、みんなの心の中で生き続けるんだ。きっとアランの心にも…。

  アランは覚えている。フミ婆(やアドニス)から教わった事を。それは、今はこの世にいなくとも、アランの"心"の中では確りとフミ婆が生き続けている証拠だ。そして、フミ婆と関わってきた多くの人々の"心"の中にも。だからタケルやカノンは恰もフミ婆が生きているかのように、「喜ぶ」「悲しむ」と言った言葉を使うのだ。『スペクター』でもシンスペスターVSエヴォリュードのシーンでマコト/シンスペスター「俺には、三人の父さんが"いる"!」と言うのだけれど、彼が「俺には、三人の父さんが"いた"!」と過去形にしなかったのは、マコトの"心"の中にその三人の父さんが今も生き続けている、即ち、マコトが"心"の無い人形ではなく"心"がある"人間"である何よりの証拠なのだ。魂は永遠に不滅だ!
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カノン「明日、敵の潜伏先に乗り込みます。アラン様も手伝ってもらえますか。」

アラン「私は自分がどうしたいのかもわからない。」

マコト「答えはお前の心の中にあるはずだ。

タケル「自分の心にとことん向き合えば、答えは出る筈だよ。

(フミ婆から貰った服を渡すカノン)

カノン「アラン様がそんなんじゃ、フミ婆が悲しみますよ。

 こうして、人間とは、"心"とは何なのかを学んだその先に、アランは一つの結論を提示する。それは…
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アラン「あぁ、そうだな。人間も悪くない。」

 "心"等不要、人々が死なず、争いの無い完璧な世界こそ真の平和、そう思っていたアランが様々な"人間"と触れ合い、「人間の何たるか」そして「人間の素晴らしさ」を学んでいく。生身の身体を手に入れたアランは同時に"心"と言う存在も持ち合わせる事となる。心があるから人は喜び、怒り、哀しみ、楽しむ。様々な感情が交差しながらも、それがあるから人間なのだ。"心"とは人間の中心角にあるもの、心髄なのだ。

 因みに、「葬式(哀しむべき場)で笑っている人間がいてハテナが浮かんだ」と言うエピソードはチーフP・高橋一浩が実際に経験した事なのだそう。以下も『「仮面ライダー 超解析」平成ライダー新世紀!』より。

――個人的に特に印象に残っている回があればぜひ、その理由とともにお答えください。

高橋 このシリーズでどうしても描きたかったのが、ヒーローではなく普通の人の普通の「死」です。平成ライダー初期と違い、昨今の仮面ライダーでは人の死が描きづらくなっています。もちろん子どもへの影響を考えてのことですが、本作では怪人に命を奪われるわけではなく、何かの犠牲になるのでもなく、「人は死ぬ」という当たり前のことを描きたいと思っていました。それが29・ 30話です。これまで生まれ育った環境/世界、そして父の思想こそが理想だと信じて疑わなかった不死の存在であるアランが、アドニス、そしてフミバアの死を経て心の痛さに苦しみます。人の死は誰もが経験することで悲しい出来事です。しかし、フミバアの生き様は思い出となって心に残り、生きて記憶がなくなるわけではありません。死は命の終わりかもしれません。ただし無になるわけではない。それをアランに知ってもらいたくてフミの告別式を描きました。アランが劇中のモノローグで言っているように、私も子どもの頃は葬式が好きではありませんでした。悲しくて泣いているのに笑っている人がいる。なんて不謹慎なんだろうと。でも、そうじゃないんですよね。多くの人が集まり、故人の思い出を語る。それをなんて素敵なことなんだろうと思ったのは大人になってからです。フミバアのために性別や年齢も様々な多くの人が集まり、故人を語る。涙する人もいれば笑顔の人もいる。それだけ多くの人に影響を与え、思い出になって残る。亡くなってもなお、みんなの心にフミバアがいるということをアランに知ってほしかった。アランが父とフミ、そして生きている人の想いを胸に立ち上がる、というのは最初から描きたかったことです。

 そして『スペクター』のラストシーンでは「人間の素晴らしさ」を知ったアランが眼魔世界の人間達へ向けて演説をするのだが、なんとその演説の言葉は(『スペクター』を執筆した福田卓郎氏の協力があったとは言え)アランを演じる磯村勇斗自身が考えたと言うのだから驚きだ。彼もまた、アランを通して、高橋Pが伝えたかった「人間の素晴らしさ」を感じ取れた(感化された)人の一人なのだろう。しかも確りと肌で。
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アラン「私は青い空を愛している。漸く、この世界でも青い空を見ることが出来た。どんなに今日と言う日を待ち望んだ事か。今でも、初めて青い空を見たときの衝撃は忘れない。それほど美しかった。皆には苦労をかけた。多くの命も失った。だが今、青空の元に立てた事は、此処にいる皆や、地球で出会った仲間達のお蔭だ。私は、皆と共に青い空を見れて幸せと感じている。そう思うことが出来たのも、色のある美しい世界に触れ、人間の素晴らしさを教えて貰ったからだ。其処で生きる人間は、命と心を大事にし、人が笑顔に溢れていた。初めは私には理解出来なかった。だが、「死」と言うものに触れ、命の儚さを知った。人間は、命が有る限り今を一生懸命生き、失った人の思いは、私達の心の中で生き続ける。私達は心があるから苦しみ、心があるから笑顔になれる。それが人間ではないか!そして、今の私があるのは、何時も私の傍で支えてくれた、一人の友が始まりだった。私は其処で初めて、友の本当の意味を知りました。私達は助け合い、お互いを信じてきた。どんなに心の支えになった事か。拳でぶつかっても良い。迷ったって良い。どんな事があろうと友である事は永遠に変わらない。だから、皆も私の友として、一緒に支えあってはくれないだろうか。今日から私は大帝の息子ではなく、一人の人間として皆と共に生きていく。私達は繋がっている。この青空こそ、私達にとって新しい世界の始まりであり、希望である。これから皆で美しい宝物を築いていこうではないか。我が友よ!

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 人間とは不便な生き物かも知れない。何時かは死に、今も争いは絶えない。それは悲しく、それにより、人は時に苦しみを味わう事もある。それでも、我々が笑顔でいられるのは、人間には"心"があるからである。互いが互いを支え合い、共に世界を築いていく。人間の無限の可能性は、"心"があるからこそ真に成り立つ物なのだ。アランは『ゴースト』本編を通してそれを学び、『スペクター』の演説、そして、眼魔世界に広がる青い空に繋がったと思うと涙が出るね。『スペクター』、アランの成長の末を魅せてくれたと言う事で、自分はこの作品を高く評価したいと思います。

 

ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』27話「勝者に捧ぐlove&peace!」感想+考察

▼本音で語ろうや

 『ときめきクライシス』登場以降、恋愛ゲーム要素強めの『エグゼイド』。今回は大我とニコのコンビに焦点が当てられた。なんか飛彩は少女漫画に於ける恋に悩める主人公のサポートポジって感じね(笑)自分の推しが飛彩なのも多少はあるだろうけど、今回は大我先生夢女子が言われたい台詞も勿論だけどそれよりも飛彩と大我の掛け合いの方にグッと来た。
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飛彩「彼女のゲーム病は此方で治療する。」

大我「無駄だ!治したって、アイツがまた『仮面ライダークロニクル』をプレイすれば、再発するだけだ。」

飛彩「何故彼女をちゃんと見てなかった?

大我「お前には関係無ぇだろ…。」

飛彩「愛想を尽かされて当然だな。彼女の意思を蔑ろにして、本音で向き合おうとしない。そんな態度では…。

大我「五月蝿ぇ…。」

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 飛彩は過去に自身の彼女・早姫にしてやれなかった事と今回の大我とを照らし合わせて、彼を叱責する。この台詞は飛彩が言うと少しクるものがあるね。こう言う設定って話が進んでいくにつれて視聴者が段々と忘れていきそうなやつなんだけど、飛彩の過去の場合、ちょこちょこその話を本編に確り入れ込んでくるから「そんな設定もあったな。」なんて言う人少ないんじゃない?グラファイトも復活したし、今後もまたこの過去に関わる何かが起きそうね。どうでもいいけど飛彩関連の何かがある時に流れる「テレレレレレン♪テテテテンテン♪」ってBGMが凄い好きです。良い…良くない?
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 このシーンのブレイブの情けない声から如何に彼が女性に慣れていないか(早姫との付き合いが薄かったか)が見えてきて心が痛い。

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 ていうか上の「彼氏がゲームオーバーになって~」の件(くだり)もそうだけど、今回、飛彩のトラウマをかなり抉ってきてたな!?何と言うか、今週は飛彩に対して鬼畜な回だったね。

そして…

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大我「別に好かれたくて戦ってる訳じゃない。人には其々未来がある。だから、失うものがない俺だけが戦えば良い、どんなに苦しくても、誰に恨まれようとも、俺だけなら、って。けどお前は、免許の無いこんな俺を主治医だと言ってくれた。嬉しかった。ゲームが出来なきゃストレスだってならもう止めはしねぇよ。但し、俺の傍から離れるな。(中略)お前は俺の患者だ。何度ゲーム病になろうが、この俺が直してやる。」

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 テレビの前には貴方を主治医と言う女子が相当数おりますぞ!

 遂に本音をニコにぶつけた大我。今まで一人きりだった大我には、ニコと言う存在は掛け替えのない(失いたくない)大切な存在。26話で大我が「『仮面ライダークロニクル』は俺が攻略する。」と言っていたのに対し、今回は「『仮面ライダークロニクル』は俺"達"が攻略する。」と言ったのが感涙ポイントだね。最近、俺"達"と言う言葉をよく使うようになって、大我にも仲間意識が戻ってきたのかな、と思うと感慨深いものがある。キメワザ、バンバンクリティカルファイヤーの時のカットでスナイプとニコを映していたのも良かったね。どうでもいいけど大我の格好いい台詞の時に流れたBGM、通称(?)「貴利矢が死ぬときのBGM」も好きです。
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 うぅ…、『裏技 仮面ライダースナイプ エピソードZERO』が観たいぃ…!『アラン英雄伝』も大概だったけど、今年のも凄ェ観た過ぎて泣いてる。そういや、遂にTTFC(東映特撮ファンクラブ)に加入したので、暇が出来たら『仮面ライダーブレイブ』の感想も書きたいと思っています。『仮面ライダーゲンム』は近々観るので、観たら『ゲンム』感想記事に追記しておきます。

 

ではこれにて。
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『仮面ライダーアマゾンズ season2』Episode2「ORPHANS」感想+考察

▼ORPHANS=AMAZONS

 「ORPHAN」「孤児」を意味する単語である。『season2』の新メインキャラクターたる千翼とイユはどちらも親がおらず、二人共4Cの施設で育ったのか。…育ったという表現は千翼は兎も角、イユは間違いか。イユは要するに『season1』でいうアマゾンシグマのそれと同じ技術で復活したのね。そしてその後、4Cの戦力となったと。前原君に駆除班にいた頃の記憶が残っていたように、イユも一応、生前の記憶は残っている模様。千翼を切っ掛けに記憶を交えながら徐々に様々な感情を取り戻していく流れになるのかな。…まあその記憶は壮絶なものだったけど。

 チームXの一人がアマゾン化。てっきり長瀬君以外の二人は今回で死ぬと思っていただけに一人が生き残ったのが意外だった。次回で死にそうだけど。なんか愛嬌のあるチームだったよね。クソガキクソガキ言われるけどなんやかんや自分は好きでした。終盤まで残ってて欲しかったな。

 で、人をアマゾン化させる水、「アロマオゾン」はちょっと「アマゾン」と似てる。狙ったのか偶然なのか。何にせよ、『season1』では4000匹だったアマゾンが今は万単位と来たもんだ…!またトラロックのようなアマゾン大量駆除兵器とか出てきそうね。

 なんか『アマゾンズ』の感想だけ適当ですんません…!近々、『エグゼイド』や他の様々な作品も交えて記事を書くつもりなので、楽しみに御待ちして頂けると幸いです。今月中に書けるかどうかは微妙ですしそもそもあくまで"予定"なので書くかどうかすら微妙です(ヲイ)

 最後に2話のネタバレ画像貼っときます。
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ではこれにて。

『仮面ライダーエグゼイド』26話「生存を懸けたprayers」感想+考察

▼頑張って!仮面ライダー

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 こんな感じの展開…、あると思います!!

 ゼロデイや消滅についてが遂に本格的に世間に公表された。13話冒頭の日向審議官の会見でエグゼイドとブレイブの姿を一般人に見せ、仮面ライダーの存在を公表していたが、此処から市民達の仮面ライダーへの見方が変わってくるのかな(ていうかライドプレイヤーは仮面ライダーが何なのかを知っていて攻撃したのかよ…!)テンマを始め、最初は人々に信用されていなかった仮面ライダーが終盤では敵に苦戦してピンチな仮面ライダーを応援する市民達の声で復活&パワーアップ!みたいな展開ももしかすればあるのかも知れない。

▼私、『ドレミファビート』のバグスターなの!

 これに関して永夢達はポッピー誕生の経緯(『ドレミファビート』のゲーム病感染者)については何も考えなかったのかな?地味に此処は自分の中で引っ掛かってる部分の一つ。視聴者の大半は引っ掛かってただろうけど。彼女以外に(真に)善良なバグスターとして『ジュージューバーガー』のバガモンがいたが、結局、それも小星作に"感染"していたウイルスである。まあ『ジュージューバーガー』の場合、クリア条件が「バガモンを笑顔にする事」だったが故に作のゲーム病を治してもバガモンは消えなかったが(よくよく聞くとよう解らん理論だがな…!)『ドレミファビート』は音ゲー故、ポッピーが「敵キャラ」と言うのもちょっと可笑しな話にもなりそうだったから「別に感染者は消えてないのかな」みたいな感じでスルーされてたのかな?まあポッピーがバグスターと判明したのは12話(バガモン登場前)だが。
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 ライダーガシャットの少し戴けない点は其々のゲームがどういうゲームかが今一解らない所。何となくの説明は入るものの(『マイティアクションX』なら主人公のマイティはお菓子を食べるとパワーアップする等)それがあっさりとし過ぎて「それだけ?」となっちゃうのが若干嫌な感じ。『ドレミファビート』なんか「音楽に乗せてリズムを刻むゲーム」と言う音ゲーの当たり前のルールしか言われなかったからな…!いや、一々細かいゲームシステムとか説明してたら話が進まなくなるし、「音ゲー」と言う言葉をチビッ子達が知っているとは限らないからこう言う説明でも駄目ではないんだけれど、例えばフルコンボすれば敵キャラのポッピーピポパポを倒せてゲームクリア出来る」ぐらいの解説もあれば良かったのかな、と思わなくもない。ポッピーは敵キャラなのか単なるナビゲーターなのかゲーム内のアイドルなのか、『ドレミファビート』内での彼女の役割が解らないのが難点と思われる。ゲームに登場するキャラクターと言うのは、決して「主人公」と「敵キャラ」だけではないのだ。
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 そんなポッピーは今回、仮面ライダーポッピーへと変身。『仮面ライダークロニクル』のナビゲーターと共に審判も担当している模様。キュートな声や仕草でチェーンソーを振り回すポッピーは恐ろしいね。ポッピーは黎斗がCRに送り込んだ刺客だったのか。しかし、ポッピーはその記憶(セーブデータ)が無かったからCRではゲンム側のバグスターとは無縁の存在でいられたと。『エグゼイド評』にて「本当は悪者でした!」オチはやめてほしいと書いたけれど、成程、ポッピーにはその自覚が無かったのか。黎斗の策士なやり口に永夢達も視聴者も騙されていた訳だね。貴利矢よろしく、黎斗も死んでも尚、存在感を魅せてくるね…!

▼あんたらが作っておいてからに

大我 「こんなふざけたゲームに何の意味があるんだ。」

パラド「全部、お前達人間が望んだことだろ。娯楽の為にゲームが生まれて、人間のストレス発散の為に、敵キャラと言う存在が生まれた。つまり、バグスターが人間の命を脅かすのは、お前達、人間がそうさせたからだ。でも俺達は、人間共の駒なんかじゃない。バグスターだってこの世界に生まれた命だ。これは御互いの生存を懸けたゲームなんだよ。」

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 人間によって生まれ、人間に倒される事を定められたキャラクター達。それが敵キャラたるバグスターの悲しい運命(さだめ)。「人工生命体」と言う怪人の設定はありがちのようで実は初出は『ドライブ』のロイミュードからであり、割と最近考案されたもの。先日、season2が始まった『アマゾンズ』のアマゾンもまた人工生命体だが、例え人間がそれらを作ったとしても、それらが一度(ひとたび)人類に被害を及ぼせば人間達は何の躊躇も無く、地球上からそれらの除去を試みるのだ。仮面ライダー』では「親殺し」がよく描かれるが、『エグゼイド』『アマゾンズ』『ドライブ』はそれを怪人が行っているのだ。そりゃあ自分達を殺そうとする者が現れたらそれに対抗するのは当然だよね。果たして『エグゼイド』はそこにどんな答えを提示するかな。

 

ではこれにて。